新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

さっぽろがん哲学外来の活動予定や活動の様子などを
皆さんにお伝えします。皆さんの参加をお待ちしています。

がん哲学校たより・68(0106)

2015年08月24日 | 樋野先生からのメッセージ
樋野先生からのおたよりです(2015.8.23配信)
第125回「がん哲学学校」
「温かい他人を求める」~「社会への贈り物」~

第1回「メディカル・ビレッジ 構想運営委員会」(代表:筆者)が、開催された。現在、人口 約 50人の島根県の鵜峠(隣りは鷺浦、鵜峠+鷺浦=鵜鷺)で、生まれた筆者にとって、長年の夢の実現に向けての第一歩である。「医療の協働体」は、人類の進 むべき道であろう。「冷たい親族に悩むのではなく、温かい他人を求める」のは、まさに「八方塞がりでも、天は開いている」状況である。今秋、キックオフ シンポジウムが、都内で企画さている。歴史的大事業である。

<文部科学省 新学術領域研究>「がん支援」総括支援活動班 がん支援: 生命科学系3分野合同シンポジウム(一橋講堂 学術総合センター)に参加した。がん研究は、日進月歩である。本当に、日々勉強である。「純度の高い専門性と社会的包容力」の堅持は、がん学者の「道義的な責任」であり、使命でもあろう。

特 別講演「がん教育~丁寧な大局観~」(サクラファインテックジャパンに於いて)の機会が与えられた。大学生を含め、多数の聴講者があり、会場は盛況であっ た。「風貌を診て、心まで診る」は、「マクロからミクロ、ミクロからマクロ」であり、「森を見て、木の皮まで見る」心得であり、病理解剖・顕微鏡診断に従 事している病理学者の「社会への贈り物」であると感ずるこの頃である。

週末の午後、「東村山 がん哲学外来メディカル・カフェ」1周年記念会(東村山サンパルネ・コンベンションホールに於いて)が、東村山市の後援で、開催された。東村山市 健康福祉部の職員の方の来賓挨拶に続き、筆者は、特別講演「がん哲学外来 いい覚悟で生きる~愉快に過激に品性をもって~」をする機会を与えられた。音楽演奏もあり、会場は、がん患者、医療従事者、市民、学生と多種の参加者で埋まり、主催者の企画力・胆力には、ただただ、感服した。

毎日新聞、読売新聞に続いて、日経新聞(2015年8月22日朝刊)、朝日新聞(2015年8月23日朝刊)に、『明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい』(幻冬舎)の広告が大きく掲載されていた。忽ち3刷りとのことである。「アマゾン-カテゴリ 死生観」も、ベストセラー1位が、続いているとのことである。

がん哲学外来について

患者さんが抱える悩みは病人としての悩みではない。人間としての悩みです。 がんという大病を得たとき、それを背負って人間としてどう生きるかという深い悩みです。それは「心のケア」というレベルではなく、自分という存在そのものを問う領域なのだと思います。ですから、「がん哲学外来」では、来られた方を「病人」の側面だけではなく、ひとりの人間としての悩みに焦点を合わせます。同じ人間として、対等の目線に立って、人間を学ぶ「人間学の場」でありたいと考えるのです …(提唱者であり当会の顧問である順天堂大教授・樋野興夫先生の著書より)

札幌の「がん哲学外来」(開設趣旨)

私達は樋野興夫先生の志に賛同し、車座になって意見交換をする運営をめざします。講演会スタイルではありません。参加者全員が同じ立場、同じ目線で耳を傾け、縁のあった方々に寄り添うことを願っています。