新渡戸稲造記念 さっぽろがん哲学外来

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ちょっと一息・おかげ人生(0022)

2013年12月02日 | ちょっと一息
最近、女優の高峰秀子さん(1924-2010)に興味を持っておりまして、彼女がらみの本を読んでいます。その本の中の「おいしい人間」というタイトルのエッセーの中に「おかげ人生」と題しての短文がありまして、すこしご紹介します。

彼女は結婚以来、ご主人の映画監督松山善三氏の脚本の口述筆記を受け持っていました。1日に50枚、100枚と原稿用紙のマス目を埋めるのはなかなか辛いことで、「いくら愛する主人のためとはいえ、ものには限度というものがある。ただ、その限界を超えたとたんに、その作業は主人のためではなく、自分とのたたかいに切り替えるまでのことなのである。そのちょっとした切り替えがまた別の力を生んでファイトがわく。人のためにすることと、自分を試すのとは全く別なことで、私のような欲の張った人間にとっては意外と利用価値があるのだ。」というようなことを書いております。

また、人間関係について、「考えてみると、四十余年という長い間、すぐには心に浮かぶ特定の人の面影はなくても、数えきれぬほどにたくさんの人たちの恩恵を受けて私は生きてきた。たとえ、それらの全部が「親切」や「愛情」や「教育」でなかったとしても、なんらかの意味で私に問題を投げかけてくれたことに変わりはない。私はそれらの人のおかげで生きてこられた。私は私の人生を「おかげ人生」だと思っている。」と言っています。潔いという言葉が似合う人ですね。

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