一郷一会・関東周辺100名湯プロジェクト

一郷一会が威信をかけて ^^: 選定。センター系、スパ銭・・・ お湯さえよければどこでもOK! 料金上限1,200円也。

□ 湯河原温泉 「ままねの湯」 (元100湯)

2005-09-06 23:47:19 | 神奈川
湯河原温泉は万葉集にも詠まれた古湯で、温泉番付ではだいたい箱根筆頭の芦乃湯より上位、小結あたりにきていて、江戸期から高い評価を得ていたことがわかる。
現在の温泉地としては、吉浜(浜湯河原)、鍛冶屋、宮上、温泉場、奥湯河原、静岡県側の伊豆湯河原などがあるが、中心は歴史の古い温泉場エリアである。

比較的高級なイメージがある湯河原だが、小規模な湯治宿などもさりげにあって、なかなかに懐のふかい温泉地だ。「ままねの湯」は、そんな湯河原の一面にふれられるお湯である。温泉場エリアの細い路地の奥にあるここは、本業は湯治宿のようだが、共同湯的な使われ方もされている。

佇まいがいい。
階段を下った浴場は、どことなく神社のような厳粛な空気がただよい、神妙な心持ちになる。浴槽は6.7人のものがひとつとシンプル。ここは熱湯で有名で、この日も優に45℃は越えていたと思う。けっこう混んでいたが、みな浴槽のふちでトドになっているので、お湯の鮮度は満足できるレベルに保たれている。
熱いのになぜか包み込まれるようなやわらかな湯ざわりがあり、何度でも入りたい誘惑に駆られる。よく、「真湯ではつらい熱湯でも温泉ならば入れる」という話をきくが、ここではそれを実感した。

これみよがしな湯色や湯の香や浴感はない。が、なにか温泉好きを惹きつけるフックのあるお湯だと思う。箱根から伊豆にかけてのお湯は、食塩泉をベースにしながらも、Ca^2+やSO_4^2-を多めに含む傾向があり、これらが浴感に奥行きを加えている。「ままねの湯」も副成分としてそれらを含む含石膏食塩泉だ。

大温泉地の例にもれず、湯河原もやや寂れを感じるところもあるが、温泉場あたりの風情は捨てがたいものがあるので、このあたりをうまく活かしていけば都会人の琴線に触れる湯場として、存在感を保っていけることだろう。
「ままねの湯」はそんな湯場のおさえになれる、風格をもったお湯だと思う。

「ままねの湯」のレポはこちら。(関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん「特集クチコミ情報」)

Na・Ca-塩化物・硫酸塩泉 89.8℃、pH=8.4、成分総計=1951mg/kg、Na^+=457mg/kg、Ca^2+=158、Cl^-=544、SO_4^2-=479、陽イオン計=652、陰イオン計=1189、メタけい酸=130、メタほう酸=9.75 <H9.8.1作成>

文・画像 別働隊@うつぼ

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