itchy1976の日記

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竹中平蔵『闘う経済学 未来をつくる[公共政策論]入門』

2012年12月22日 23時08分52秒 | 書評(その他著者)
闘う経済学 未来をつくる[公共政策論]入門
竹中 平蔵
集英社インターナショナル


今回は、竹中平蔵『闘う経済学 未来をつくる[公共政策論]入門』を紹介します。公共政策論の基礎ということになるでしょうけど、竹中氏が小泉政権に入って苦労したところなども記載があるので読んでいて面白かったですね。机上の経済政策論ではなく生きた経済政策論について語っているような気がしました。経済について少しでも勉強したという経験があるのであれば面白いかもしれないですね。経済は基本的には役に立つということなんですね。

実際に経済政策を行うということになると、民主的な手続きを経る必要があるということなんですね。政治的実現性を念頭に置いたようなプロセスを経る必要があるということですね。

郵政民営化1本で選挙になってことがあるとは思いますが、郵政民営化も骨抜きにされた感じですよね。今の現状を小泉氏はどう思っているんでしょうね。

残念ながら社民党や共産党が言っていることが理想論にすぎないといって排斥される理由の一つが、具体的な実現のプロセスを描けていないということなんだろうね。具体的にどうやって実現するのかということまで落とし込めないとやれないんですよね。

P282批判のパターン
・常に逆のことを言う「コントラリアン的批判」ー金利が上がったら中小企業経営者が大変だといい、金利が下がったら年金受給者が大変だという。まあ、マスコミが批判する戦法だね。
・永遠の真理を語る批判ー具体的に何言っているのかわからない。これさえ言っていれば正しいわけですから、批判のための批判にはなる。
・ラベルを張って決めつける批判ー人を決めつけて批判する
⇒具体的な対案があって初めて、本当の意味での建設的な批判になる

「会議を決める場にする」というのは大事ですよね。なんか長い間集まったけど、結局何が決まったのかよくわからないという事例はあるよね。だから、会議で何かが決まるように持っていくというのが大切なんですね。

序章 経済学と現実政治との隙間で―経済学の力(政策課題、経済戦略会議)
第1章 ケインズ的常識と闘う―マクロ経済政策の基礎(失業問題、乗数、総需要管理政策(ケインズ政策)、中立命題、ハーベイロードの前提)
第2章 「増税論」と闘う―財政政策(プライマリーバランス、フローとストック、骨太方針、サスティナビリティ、ドーマーの条件)
第3章 金融危機と闘う―不良債権と金融再生(バランスシート、システミック・リスク、マネーサプライ、信用乗数、金融再生プログラム)
第4章 失業と闘う―産業と政策(労働の限界生産力、技術進歩率、資本の限界生産力、所得弾性値、政策金融)
第5章 役人と闘う―地方財政改革(地方分権、受益と負担、三位一体の改革、地方分権一括法)
第6章 “既得権”と闘う―郵政民営化の経済学(分社化、小さな政府、完全民営化)
第7章 抵抗勢力と闘う―経済財政諮問会議の役割(官邸主導、経済財政諮問会議、税制調査会)
第8章 千変万化の政治と闘う―政策決定プロセス(内閣と閣僚、国会の権限、「族」議員と役人)
終章 権力と闘う―改革の戦術とリーダーの条件(プロセスを重視、批判の3パターン、小泉純一郎元総理)



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