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パライソメッセージ 2013.09.20 N0.27
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「パライソメッセージ20130920 No.27」を送ります。「不要だ」「余計なお世話だ」といわれる方は、お手数ですがその旨ご連絡お願いします。
【主張・意見・コメントのページ】
テーマ:かつてR学園は光り輝いていた-活気溢れるR学園の再生を目指して-⑤
(3)学生の視点、「学生が主役」の立場に立った学園創造
学園の「改革」を支える3番目の柱は「学生の視点、『学生が主役』の学園創造」である。
高等教育のミッションは何か。何を『教え』『育む』のか。その規範やモデルは何なのか。そもそも『教える』ことが、本当にミッションなのだろうか。私は、狭義の意味で『教える』のではないと思う。特に高等教育において、学校から社会へ移行する青年たちとどう関わっていくのかは、大事な問題で有り、教育学においては大きな論点として明治以降引き継がれてきたことではないか。
その点についての考えは別の機会に述べるとする。ただ大事なことは、学校から社会へと学生が移行するに当たって、高等『教育』においては、学生が自立して主体的に自分の人生過ごしていけるべく、マインドやスキルを習得するのをサポートするのが、大きなミッションの1つではないかと思う。言い換えれば、将来の社会の担い手である青年たちを、アクター・アクトレス(主役)として社会に『送り出していく』ことではないか。かつて、といってもそう遠くない以前まで、R学園においては、学生の視点で「学生が主役」の学園作りということが、全学園の構成員の共通の理解であった。R学園ではこれまで学園政策策定のプロセスにおいて学生が参加すること、学生が重要な学園構成員として機能することによって、大きな役割を果たしてきた。例えば、学部においては学部五者懇談会があり、全学的には全学協議会代表者会議であり、全学協議会である。これらを通じて学生は主体的に「学生の学びと成長」の議論に参加し、つい最近の2007年全学協議会でも「学習者が中心となる教育」が活発に議論されてきた。「大学教育」における学生目線は例えば授業評価においては、学生による授業アンケートを活用し教員と連携し、大学教学への課題の提起や、FDへの具体的適用として継続的に進められてきている。
R学園の学生は主体的に教学の「改革」に参加しながら、一方では学生の「自主的・民主的活動」も、学園内の問題解決に留まらず、広く社会における青年・学生のあり方を提起しながら、全国の牽引役を果たす活動を繰り広げてきた。学園はそういった青年・学生が課題を解決する、生きた教材を提供してきたし、支援もしてきた。大学問題、平和の課題、公費助成等の具体的運動で、R学園の学生は、全国の推進役であった。一部トップ層の中には『現在の学生のレベルは、かつての激烈な全学協を繰り広げてきた時代の学生のレベルとは違う』とかいって、『教育』や『指導』に重きを置くとか、「学生のレベルの低下」=全学協そのものの「見直し論」があるようだが、まったくそれは的外れである。当時の学生諸君は、かつての激烈な学生運動の時代の学生達がとても出来なかった、1000名以上が参加して圧倒的支持を得る学生大会を見事に成功させている。これは全国の大規模大学の学生自治会、学友会のどこもなし得ないすばらしい「自主的・民主的」活動であり、それは学園全体で誇りえることである。学園の「改革」はこういった学生たちのすばらしい活動とともに歩んできたのである。立命館学園と対極的に、学生が抑圧されていたり、元気が無い大学・学園は、閉塞的で活気や精気がないのは歴史的に見ても、現実を見ても明々白々である。
教職員の現場においても、一貫して学園の主役である学生の視点・学生の立場に立った業務遂行を具体的に実践する努力を行ってきた。例えば『R学園らしい学生支援』を絶えず念頭に置いた「進路・就職支援」の取り組みでは、学園の改革と連動して、司法試験、国家公務員1種試験(現、総合職)、公認会計士試験などの難関分野試験やトップ150企業への就職実績を大きく向上させるてきた。また、教員や公務員への進路実績も私立大学ではトップクラスとなっている。学生のキャリア形成支援のオフィスでの学生の相談件数は、年間でのべ27,000名以上(2012年度)に達している。この件数も全国の大学の中で圧倒的に多い件数となっている。単純に相談件数が多ければよいと言うものでは勿論無いが、学生の職員に対する信頼度の指標と見ることは出来るだろう。「大学ランキング」では、「就職支援に熱心」という項目で、長年にわたってトップの評価を得ていた。ここ数年他大学にトップ・2位の座を譲っていることについては、看過することなく受け止めなければならないと思う。もちろんいわゆる「就職実績の飛躍的前進」のみならず、「進路・就職」を契機に、学生のキャリア形成支援を通じて学生と教職員の信頼関係も強くなっていることへの評価であったことは間違いない。これは当該の部課だけではなく、他のオフィス・セクションも同じように、教職員すべてがそれぞれ「学生の視点」「学生が主役」を念頭に業務を遂行しており、これらのことがR学園の大きな特徴、伝統であり、改革を推進してきた3番目の「強み」であり「特色」でもある。
(続く)
「一押しMovie」
書名:少年H
監督:降旗康男
出演:水谷豊、伊藤蘭、吉岡竜輝(少年H)、花田優里音(妹)、小栗旬(うどん屋の兄ちゃん)
内容:
とにかく懐かしい、私にとっての原風景だった。土の道を挟んで木造の店や家が並んでいる。モノトーンのセピア色の風景だった。映画では1940年頃で、私の記憶に残る原風景は1955年頃なのだが、この映画と同じ風景だった。
しかし、ストーリーは牧歌的ではない。開戦、軍国主義化、女兄ちゃんの招集と兵役を忌避しての首吊り自殺、仲良くしていたうどん屋の兄ちゃんは思想犯で特高警察に捕まる、そのうちに父親までもがスパイの嫌疑で連行され惨い取調べを受ける。戦争の中で自由と人権を略奪される日常生活が描かれる。そんな中で交わされる家族や町内の人々、在郷軍人らとの抑圧された言葉のやり取りに、暗黒の時代に対する告発が伝わってくる。
「思想犯は最前線送りやね」
「お国のために戦えばいいんや」
「外国の人のほうが日本のことをよく分かっている」
「新聞は嘘ばかり書いている」
ヘイトスピーチを特集したり、従軍慰安婦問題で河野談話を否定し河野氏を民事告訴する動きが顕在化したり、権力の嘘や横暴への批判を忌避したり、迎合したり、憲法改悪に論陣を張らないマスコミであったり、今の日本がオーバーラップしてくる。良心に忠実に生きる仕立て屋の父、強くやさしい母、正義感が強く、ものごとの本質を掴もうとする少年H、とにかく可憐で可愛い誰かが言っていたけれど少女時代の田辺聖子のような妹、うどん屋の兄ちゃんや女兄ちゃんたちが大変好演で、当時の日本社会の世相を伝えていた。
最近作では「ほたる」や「あなたへ」の降旗康男監督らしいリアルな描写の中にも、叙情的な映画の世界に浸った。
イソの評価:★★★★☆