プレミア「紙幣&硬貨」を一挙公開…!あなたの財布の中にもあるかも!? 製造年、記番号を今すぐチェック!
現代ビジネス マネー現代編集部 より 210409
家の中で見つけた古銭、ATMから卸した紙幣、お釣りでもらった小銭――。使いみちがなくて適当に放っておいたり、何気なく使ったりしてしまうものだけれど、ちょっと待った! 製造年や紙幣の番号、記念硬貨の種類によっては、数十倍、数千倍のプレミアがつく場合があるのだ。
そんなレア度の高い紙幣&硬貨について教えてくれるのは、1963(昭和38)年創業、鑑定・買取実績豊富な「新橋スタンプ商会」寺田実社長。あなたが持っているそのおカネ、もしかするととんでもないお宝になるかも。
⚫︎1円玉〜1万円札まで…「プレミアがつくお金」を一挙公開!
※価格は、新橋スタンプ商会における売値をもとに紹介しています。価格は流通量、貨幣の状態などによって変動します。
【1円玉】この8種類が3000円に!?
まずは硬貨編。プレミアがつくポイントは製造枚数が少ない年の硬貨であること。他にも、5円玉や50円玉の穴が開いていない、もしくは穴がズレているといったいわゆる「エラー硬貨」も高額になりますが、市場に出回ることはほとんどないため、今回はあくまで“財布の中にあるかもしれないプレミア硬貨”のみをご紹介。
⚫︎1円玉で特に高値がつくのは、平成23年、平成24年、平成25年、平成28年、平成29年、平成30年、平成31年、令和元年。なんとその価値は3,000円。
「平成23年頃からキャッシュレスによる決済手段が普及しはじめたことにより、23年、24年、25年の1円玉の発行枚数が激減しました。26年と27年が飛んでいるのは、26年に消費税が8%に引き上げられたことで1円玉の需要が増え、この2年に再び発行枚数が増加したからです。
しかしキャッシュレス化がさらに加速したことで、再度発行枚数が減少。近年に至っては、※『貨幣セット』用以外に製造されていないため、もし流通することがあれば高値がつくことが予想されます」(寺田社長)
※貨幣セット…その年に製造した貨幣のうち、一度も使用していない貨幣と年銘板(製造年を示すメダル)をセットにし、ケースに収納して販売したもの
【5円玉】平成22〜25年製が特に希少
5円玉の中でプレミアがつく年度は、平成22年、平成23年、平成24年、平成25年。元値のなんと400倍、2,000円で取り引きされている。
「この4年の間に発行された5円玉は、他の年に比べて発行枚数が非常に少ないため希少価値が高い。5円玉も1円玉同様、キャッシュレス化で製造枚数が減少したと考えられます」(寺田社長)
【10円玉】昭和61年の「後期」が超レア!
20,000円という超高値がつくのが、昭和61年の10円玉。だが、注意すべきポイントは、昭和61年の「後期」の10円玉であること。
⚫︎10円玉で高値がつくのは昭和61年の「後期」
10円玉の昭和61年「後期」を見分けるには階段の縦線上部が融合しているかどうかがポイント/「日本貨幣カタログ」より引用・色枠は編集部注
「見分けるポイントは、平等院鳳凰堂の“階段を囲む線”です。階段の縦線上部が融合しているものが後期で、階段の縦線が分離しているのが前期。前期の場合、特に価値がつかないのでお気をつけください。
後期がなぜこれだけレアかというと、62年用のデザインが何かの手違いで61年の後期に少しだけ製造されてしまったため。同年中にデザインが変わることはとても珍しく、しかも後期は総発行枚数のほんの数%程度しかないので、大変貴重なものとしてプレミア価格がついているのです」(寺田社長)
【50円玉】昭和62年、平成22〜25年、平成31年
もっとも高値がつく50円玉は、昭和62年製造のもので4,000円。平成22年、平成23年、平成24年、平成25年は2,000円、そして平成31年は1,000円だ。
「50円玉は昭和60年を境に余剰しはじめたといわれ、60年、61年と製造枚数が減少。62年には流通用の50円玉は製造されず、貨幣セットのみの製造枚数となったため、レア度が高いのです。
平成22~25年は他の硬貨同様、キャッシュレス化で製造枚数が減少したことが理由。31年は、貨幣セット用のみの製造を行った年以外で、日本の現行硬貨としては最小の発行枚数(111万8千枚)となったことで、レア度が上昇しました」(寺田社長)
【100円玉】使い勝手No.1だからこそ、価値は低め?
100円玉の場合、最高値は昭和39年と平成13年の300円。その他の年は200円で、他の硬貨に比べるとプレミア度は低いが、それでも2~3倍になると考えれば驚き。
100円で高値がつくのは、昭和32年、昭和33年、昭和34年、昭和35年、昭和36年,昭和38年,昭和39年,昭和40年、昭和41年、平成13年、平成14年
「現在の100円玉は銅とニッケルで作られた『白銅貨』ですが、昭和32~41年(未製造の37年を除く)の100円玉は銀が60%含まれる『銀貨』なので地金としての価値があります。
そのなかでも昭和39年、そして平成13年は発行枚数が少ないため、高価に。平成13年の場合は、前年に製造が始まった新500円玉が関係しています。実は製造ラインが500円玉に集中した結果、100円玉の製造枚数が大きく減ってしまったのです。
とはいえ他硬貨に比べて値段が低いのは、100円玉の製造数の多さによるもの。使用頻度が高い100円玉はほぼ毎年製造されるため、どうしても希少価値が低くなってしまうのです」(寺田社長)
【500円玉】昭和62年、64年製に価値が
もともと額面が高い貨幣の場合、貨幣自体に価値があるため、プレミアがついてもそこまで高値にはなりにくいそう。ちなみに昭和62年の500円玉が1,000円、昭和64年の500円玉が600円となっている。
「500円玉が導入されてまだ5年しか経っていなかった昭和62年は、市場で新規に500円玉が必要とされず、発行枚数が少なかった年でした。また、天皇陛下御在位六十年記念硬貨の製造に追われ、通常貨幣の製造まで手が回らなかったという理由もあります。
ちなみに64年は、お察しのとおり製造期間の短さによるもの。平成年銘の極印の準備に3ヵ月ほどを要したため、平成元年3月まで昭和64年銘のまま製造が続けられましたが、通常の年に比べると4分の1ほどの期間しか製造されなかったので枚数が少なく、プレミアがついています」(寺田社長)
【記念貨幣編】実はプレミアがつきにくい
最近では、「天皇陛下御即位記念」や「東京2020オリンピック競技大会記念」など、国家的な出来事を記念して発行される「記念貨幣」。残念ながらほとんどの記念貨幣はプレミアがつかないというが、その中でもチェックすべきは1964年東京オリンピック記念貨幣。
⚫︎1964年東京オリンピック記念硬貨
「1000円、100円の2種セットで、弊社では2,500円の売り値となっています。日本で初めての記念貨幣という歴史的価値はもちろんのこと、初めてであるがゆえにどのくらい製造していいかわからず枚数を抑えて作ったぶん、比較的、製造枚数が少ないという側面も。お家の中をぜひ探してみてください」(寺田社長)
■続いては紙幣編。見るべき箇所は「記番号」だ。
これは、紙幣に印刷されているシリアル番号のことで、アルファベット24文字(数字と混同するIとOを除く)1桁もしくは2桁、アラビア数字6桁、アルファベット1桁で構成されている。
A000001A~Z900000Zまで割り振られた後は、AA000001A~ZZ90000Zとなる。
この「記番号」の組み合わせ次第で、とんでもないプレミアがつくこともあるそう。
【AA券】もっともプレミアがつく可能性高し!
先頭アルファベットがA(1文字)、末尾のアルファベットもAの通称「AA券」は、番号によってはかなりの高値で買い取られることがあるとか。こちらの千円札は2,500円の値がつく。
「もっとも初期に印刷された紙幣ということで、レア度も人気も高いのがこの『AA券』です。特に、頭の『A』のあとに数字の『0』がついているものは要チェック。『0』が4つ続けば数十万円、さらに『0』が続けば数百万円になることもあります。新紙幣に切り替わる2024年は、『AA券』を見つける絶好の機会。手に入れた方は、ぜひご連絡ください(笑)」(寺田社長)
先頭アルファベットがA(1文字)、末尾のアルファベットもAの通称「AA券」は特に高額になりがちだ
新橋スタンプ商会で取り扱いのあった5千円札の「AA券」。しかも「A000040A」という激レアで売値は驚きの50万円!
【若番、ゾロ目、キリ番、階段番号】珍番号も人気!
頭が「A」「AA」でなくとも、数字の並びが珍しければ、高値がつく可能性がある。たとえば1桁の番号(若番)は、かなり人気が高いそう。こちらの「000001」の千円札は、なんと30,000円!
「AA」券ではないが一桁台の「000001」の千円札は3万円の値段がつく
そして、ゾロ目も価値が高い。1が6つ並んだ「111111」の千円札は15,000円、「777777」の千円札は10,000円、「555555」の一万円札は23,000円で取り引きされる。
ほかにも「100000」といった切りの良い数字(キリ番)や、「123456」「654321」のような階段番号(上り番・下り番)が“珍番号”とされ、高値で取り引きされることがあるという。
「ゾロ目に関して言うと、日本人の好みなのか、偶数よりも奇数のほうが人気がありますね。ただし、偶数でも“末広がり”を表す『888888』は例外です。ランク的には、1位:「1」のゾロ目、2位:「7」「8」のゾロ目、3位:「5」のゾロ目、の順。もっとも人気が低いのは、お察しのとおり「4」の並びです。
キリ番の中だと、特に最終番号となる『900000』はプレミアがつくことが多いですね」(寺田社長)
ゾロ目も高額紙幣の特徴。特に「1」「7」「8」「5」のゾロ目は人気だ
以上、プレミア度の高い硬貨と紙幣をご紹介してきたが、ここでひとつ注意しなければならないことがある。それは、“あくまで未使用、もしくは傷が少ない状態のいいもの”のみが高額買取の対象になるという点。
特に紙幣の場合は、折り目のない新品が基準となる。使用済みのものは、どんなにレアでも価値が下がってしまうのだ。
だが、たとえ財布の中には入っていなくとも、家の中から見つかったり、ふとしたタイミングで出会う可能性はある。そんな時、硬貨ならまず製造年を、紙幣なら記番号のチェックをお忘れなく。もしかすると、一攫千金の夢が叶うかもしれない。
監修:新橋スタンプ商会(http://www.shinbashistamp.co.jp/)寺田実さん
※日本銀行券(紙幣)や貨幣(硬貨)を偽造したり、紛らわしい外観を有するものの製造又は販売は法律によって固く禁止されています。抵触した場合は、事後において警察当局の取締りの対象となります。
【50円玉】昭和62年、平成22〜25年、平成31年
もっとも高値がつく50円玉は、昭和62年製造のもので4,000円。平成22年、平成23年、平成24年、平成25年は2,000円、そして平成31年は1,000円だ。
「50円玉は昭和60年を境に余剰しはじめたといわれ、60年、61年と製造枚数が減少。62年には流通用の50円玉は製造されず、貨幣セットのみの製造枚数となったため、レア度が高いのです。
平成22~25年は他の硬貨同様、キャッシュレス化で製造枚数が減少したことが理由。31年は、貨幣セット用のみの製造を行った年以外で、日本の現行硬貨としては最小の発行枚数(111万8千枚)となったことで、レア度が上昇しました」(寺田社長)
【100円玉】使い勝手No.1だからこそ、価値は低め?
100円玉の場合、最高値は昭和39年と平成13年の300円。その他の年は200円で、他の硬貨に比べるとプレミア度は低いが、それでも2~3倍になると考えれば驚き。
100円で高値がつくのは、昭和32年、昭和33年、昭和34年、昭和35年、昭和36年,昭和38年,昭和39年,昭和40年、昭和41年、平成13年、平成14年
「現在の100円玉は銅とニッケルで作られた『白銅貨』ですが、昭和32~41年(未製造の37年を除く)の100円玉は銀が60%含まれる『銀貨』なので地金としての価値があります。
そのなかでも昭和39年、そして平成13年は発行枚数が少ないため、高価に。平成13年の場合は、前年に製造が始まった新500円玉が関係しています。実は製造ラインが500円玉に集中した結果、100円玉の製造枚数が大きく減ってしまったのです。
とはいえ他硬貨に比べて値段が低いのは、100円玉の製造数の多さによるもの。使用頻度が高い100円玉はほぼ毎年製造されるため、どうしても希少価値が低くなってしまうのです」(寺田社長)
【500円玉】昭和62年、64年製に価値が
もともと額面が高い貨幣の場合、貨幣自体に価値があるため、プレミアがついてもそこまで高値にはなりにくいそう。ちなみに昭和62年の500円玉が1,000円、昭和64年の500円玉が600円となっている。
「500円玉が導入されてまだ5年しか経っていなかった昭和62年は、市場で新規に500円玉が必要とされず、発行枚数が少なかった年でした。また、天皇陛下御在位六十年記念硬貨の製造に追われ、通常貨幣の製造まで手が回らなかったという理由もあります。
ちなみに64年は、お察しのとおり製造期間の短さによるもの。平成年銘の極印の準備に3ヵ月ほどを要したため、平成元年3月まで昭和64年銘のまま製造が続けられましたが、通常の年に比べると4分の1ほどの期間しか製造されなかったので枚数が少なく、プレミアがついています」(寺田社長)
【記念貨幣編】実はプレミアがつきにくい
最近では、「天皇陛下御即位記念」や「東京2020オリンピック競技大会記念」など、国家的な出来事を記念して発行される「記念貨幣」。残念ながらほとんどの記念貨幣はプレミアがつかないというが、その中でもチェックすべきは1964年東京オリンピック記念貨幣。
⚫︎1964年東京オリンピック記念硬貨
「1000円、100円の2種セットで、弊社では2,500円の売り値となっています。日本で初めての記念貨幣という歴史的価値はもちろんのこと、初めてであるがゆえにどのくらい製造していいかわからず枚数を抑えて作ったぶん、比較的、製造枚数が少ないという側面も。お家の中をぜひ探してみてください」(寺田社長)
■続いては紙幣編。見るべき箇所は「記番号」だ。
これは、紙幣に印刷されているシリアル番号のことで、アルファベット24文字(数字と混同するIとOを除く)1桁もしくは2桁、アラビア数字6桁、アルファベット1桁で構成されている。
A000001A~Z900000Zまで割り振られた後は、AA000001A~ZZ90000Zとなる。
この「記番号」の組み合わせ次第で、とんでもないプレミアがつくこともあるそう。
【AA券】もっともプレミアがつく可能性高し!
先頭アルファベットがA(1文字)、末尾のアルファベットもAの通称「AA券」は、番号によってはかなりの高値で買い取られることがあるとか。こちらの千円札は2,500円の値がつく。
「もっとも初期に印刷された紙幣ということで、レア度も人気も高いのがこの『AA券』です。特に、頭の『A』のあとに数字の『0』がついているものは要チェック。『0』が4つ続けば数十万円、さらに『0』が続けば数百万円になることもあります。新紙幣に切り替わる2024年は、『AA券』を見つける絶好の機会。手に入れた方は、ぜひご連絡ください(笑)」(寺田社長)
先頭アルファベットがA(1文字)、末尾のアルファベットもAの通称「AA券」は特に高額になりがちだ
新橋スタンプ商会で取り扱いのあった5千円札の「AA券」。しかも「A000040A」という激レアで売値は驚きの50万円!
【若番、ゾロ目、キリ番、階段番号】珍番号も人気!
頭が「A」「AA」でなくとも、数字の並びが珍しければ、高値がつく可能性がある。たとえば1桁の番号(若番)は、かなり人気が高いそう。こちらの「000001」の千円札は、なんと30,000円!
「AA」券ではないが一桁台の「000001」の千円札は3万円の値段がつく
そして、ゾロ目も価値が高い。1が6つ並んだ「111111」の千円札は15,000円、「777777」の千円札は10,000円、「555555」の一万円札は23,000円で取り引きされる。
ほかにも「100000」といった切りの良い数字(キリ番)や、「123456」「654321」のような階段番号(上り番・下り番)が“珍番号”とされ、高値で取り引きされることがあるという。
「ゾロ目に関して言うと、日本人の好みなのか、偶数よりも奇数のほうが人気がありますね。ただし、偶数でも“末広がり”を表す『888888』は例外です。ランク的には、1位:「1」のゾロ目、2位:「7」「8」のゾロ目、3位:「5」のゾロ目、の順。もっとも人気が低いのは、お察しのとおり「4」の並びです。
キリ番の中だと、特に最終番号となる『900000』はプレミアがつくことが多いですね」(寺田社長)
ゾロ目も高額紙幣の特徴。特に「1」「7」「8」「5」のゾロ目は人気だ
以上、プレミア度の高い硬貨と紙幣をご紹介してきたが、ここでひとつ注意しなければならないことがある。それは、“あくまで未使用、もしくは傷が少ない状態のいいもの”のみが高額買取の対象になるという点。
特に紙幣の場合は、折り目のない新品が基準となる。使用済みのものは、どんなにレアでも価値が下がってしまうのだ。
だが、たとえ財布の中には入っていなくとも、家の中から見つかったり、ふとしたタイミングで出会う可能性はある。そんな時、硬貨ならまず製造年を、紙幣なら記番号のチェックをお忘れなく。もしかすると、一攫千金の夢が叶うかもしれない。
監修:新橋スタンプ商会(http://www.shinbashistamp.co.jp/)寺田実さん
※日本銀行券(紙幣)や貨幣(硬貨)を偽造したり、紛らわしい外観を有するものの製造又は販売は法律によって固く禁止されています。抵触した場合は、事後において警察当局の取締りの対象となります。