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⚠️ …食料自給率37%の日本人が知るべき、巨額な輸入コストと食品安全のリスク 202111

2021-11-24 02:14:00 | ¿ はて?さて?びっくり!

カナダ266%、アメリカ132%…食料自給率37%の日本人が知るべき、巨額な輸入コストと食品安全のリスク
 よみタイ より 211124


 カナダ266%、アメリカ132%…食料自給率37%の日本人が知るべき、巨額な輸入コストと食品安全のリスク
 まだ食べられるのに、捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス」といいます。

 日本では1年間に約600万トンもの食品ロスがあり、実は、そのうちの半数近くにあたる276万トンは、一般家庭から捨てられているのが現状です(2018年、農林水産省・環境省調べ)。

 各家庭や個人で無理なくできる食品ロスの対策には、どのようなものがあるのでしょうか。
地球環境に優しく、食費の節約にもなる「捨てない食卓」の始め方を、食品ロス問題ジャーナリストの井出留美さんが食材ごとに解説します。

 前回は、毎年約750億本が廃棄されているという輸入バナナの食品ロス問題について紹介しました。
 今回は「小麦」に着目します。
本連載でも捨てられやすい食品として取り上げたパン。その主原料の小麦は、遠く海外からエネルギーとコストをかけて運んできているのです。
日本のパンの小麦自給率はたった3% 
多くの人が大好きなパン。パンと聞いただけで心踊るような気持ちになる人もいるでしょう。
では、そのパンの主原料である小麦がどこから来ているのかまで思いを馳せている人は、どのくらいいるでしょうか。

 本連載でも以前ご紹介した「捨てないパン屋」のブーランジェリー・ドリアン、田村陽至さんを初めて取材した時、驚いたことがたくさんありました。その一つが、「日本で作られ、売られているパンのうち、国産小麦を使っているのは全体のうちの3%しかない」という話でした。たった3%しかないのか、と。

 田村さんによれば、有機栽培の小麦と、慣行農法(一般的な農法のこと)の小麦を足して、3%、だそうです。残りの97%は遠く海外からエネルギーとコストをかけて運んできているのです。

 そもそも日本は「フードマイレージ」がとても高い国です。 フードマイレージとは、「運んだ食べ物の重さ」と、「食べ物を運んだ距離」を、掛け算して算出する値です。 単位は「トン・キロメートル」で示します。 輸入食料の、1人あたりのフードマイレージは、日本は6,628トン・キロメートルです(2016年)。一方、米国は1,051トン・キロメートル(2001年)。フランスは1,738トン・キロメートル(2001年)。 ちょっとデータが古いですし、同じ距離でも飛行機と船では環境負荷が大きく違いますが、日本は莫大なエネルギーとコストをかけて食料を運んできている国なわけです。

⚫︎作った人の顔が見えないと捨てやすい
 それだけたくさんのエネルギーとコストをかけて原料を手にいれて、作っているにもかかわらず、日本において、パンという食品は、捨てられる割合がとても高い食品です。コンビニでもスーパーでもパン屋さんでもメーカーでも、他の食品に比べて廃棄される割合が高くなっています。
 消費者に届く前に、多くのパンが捨てられているということです。
製パンメーカーの余剰生産発生率は、0.4%。0.4という数字だけ聞くとあまり大きく感じないかもしれませんが、その金額は33億円にのぼります。なお、飲用牛乳の余剰生産発生率0.03%(余剰生産発生額は9900万円)、納豆は0.05%(5900万円)ですから、いかにパンの廃棄率が高いかがわかります。特に、惣菜パンや菓子パンの余剰生産率が高く、とりわけ、惣菜パンの発生率は菓子パンの約2倍、食パンの約4倍にのぼります(2018年、流通経済研究所調べ)。

 捨てないパン屋の田村さんが、パンを捨てなくなったきっかけはたくさんありますが、その一つについて、田村さんはご自身の著書『捨てないパン屋』(清流出版)で次のように書いています。

 北海道で小麦を有機栽培する中川泰一さんの粉を使ったときに、「売れ残ったら、全部送ってください。買いますから」と言われました。ゾクッとしました。農家さんがどれだけ思いを込めて、我が子のように麦を育てているのか、わかっていたつもりだったけど、わかっていなかったかもしれません。安い海外産の小麦粉をドカドカと使っていたら、こんなこと一生わからなかったでしょう。

 私は常々、食べ物は、料理にしても食材にしても、作った人の顔が見える関係だったら、そうそう簡単に捨てられないと感じています。田村陽至さんにとっての、有機小麦の生産者である中川泰一さんが、そういう人にあたるでしょう。一般の人にとっても、家族が作った料理は、食べるつもりで作ったわけですから、食べきれない場合はともかく、そのまま100%捨てるということは、まずありえないのではないでしょうか。

 ところが、これが家庭ではなく、工業生産になると、食べないかもしれない、売れないかもしれないことがわかっていても、作って売る、ということが起こるわけです。メーカーは欠品を恐れて多めに作る、販売店も「閉店まぎわのお客さんもいろんな種類が選べるように」と多めに仕入れる、こうしてどんどん食品ロスが増えていきます。

⚫︎輸入頼りで脅かされる食の安全性
 コロナ禍で、一時期、複数の国が、自国の食料を他国に輸出するのをやめるという措置を取りました。自国の人間を最優先にするのはもっともなことです。日本の食品全体の食料自給率は37%にとどまっています。
 これは先進国の中でも最低水準で、カナダが266%、オーストラリアが200%、アメリカ132%、フランスが125%、ドイツが86%、イギリスが65%、イタリアが60%です(2018年度、農水省試算)。

 しかもパンの原材料となる小麦の自給率はたった3%。他の国が日本に小麦をはじめとする食料を売ってくれなくなったらどうするのでしょう。

 海外から小麦を持ってくるということは、「ポストハーベスト」の問題もあります。
 ポストハーベストとは、収穫後の農作物に施される農薬のことです。
日本国内の法律では、収穫した農作物は既に食品とみなされるため、ポストハーベストは「添加物」として扱われており、添加物として指定を受けた以外のものは使用が禁止されています。
 しかし、輸入される農作物には、長距離輸送中の腐敗、発芽、カビや虫の発生を防ぎ、見栄えのよい状態を維持するために、ポストハーベストが使用されているものが少なくありません。日本では使用が禁止されていても、輸入品に関しては実質制限がないため、輸入農作物を食べることで農薬を体内に取り込んでしまっている可能性があるのです。
 もちろん小麦に限ったことではありません。海外から輸入されるレモンやオレンジ、グレープフルーツ、ナッツなどの中にはポストハーベストが使用されているものがあります。

 田村さんも、前述の自著の中で、「食料を自給できないということは、食料の安全性に問題があるというリスクを引き受けなければならないということだ」と主張しています。

 あなたは、安全性にリスクがあり、ポストハーベストの懸念があるかもしれない小麦から作られたパンだったとしても、一切気にすることなく「あ〜、おいしい〜、しあわせ♪」と言って食べることができますか?

 今日、あなたが口にした食べ物は、どれだけの人が関わって作られたのか。何百人、時には何千人が関わっている場合もあります。「いただきます」という言葉は、食材の命を「いただく」という意味もあるし、関わったすべての人への感謝でもあります。アフガニスタンでは国民の95%が満足に食事をとれない状況です(2021年11月21日現在)。
 食に関わった人々への思いや食料自給率、食の安全、食品ロスといった問題を乗り越えて、今、食べ物があなたの前にあることを忘れないでください。


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