遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

大吟醸古酒

2008-02-16 22:18:19 | 
日本酒を買う時に僕はこだわってることがあります。それは・・・・冷蔵庫で売られていること。買った酒がたまたま保存状態が悪くて味が良くなかった時に後悔するから。冷蔵庫に入ってるから絶対大丈夫かというとそうでもないんだけどね。ちなみに、昨年暖冬だったせいか知らないけど今年の吟醸酒は外れが多いと思う。そう感じるのは俺だけか?
今日の酒は鶴来の萬歳楽に直接行って買ってきたんですが、冷蔵庫に入ってるのがあまりありませんでした。その中で悩みに悩んで買ったのが、大吟醸口吉川と大吟醸古酒白山。口吉川というのは兵庫県の山田錦を栽培する土地の地名。そこで取れた山田錦で醸した大吟醸が口吉川でその古酒が白山。純米ではなく醸造用アルコールを添加していますが、醸造技術上のテクニックのひとつであって、昭和の時代に出たどーしょーもない日本酒のようにアルコールを添加して量を増やそうという意味で加えられたわけではありません。仕上がりがキリッとして純米酒にない爽やかな芳香です。

白山という古酒はちょっと上級者向けで価値の分からん人が飲んだら、「何これ?」って言いたくなるような味わいです。酒には蒸留酒と醸造酒の2種類があります。そのうち蒸留酒は長年寝かしておくと美味しくなるのは分かりますよね。ね?蒸留されて集まった成分が長い時間がかかって会合してまろやかなハーモニーを醸し出します。逆に醸造酒はフレッシュなものを飲むのが基本です。ビールは新しいのが美味いですよね。日本酒は濾過後しばらく寝かしますが、1年以内です。古くなった日本酒は吟醸香が失われ老香(ひねか)がしてきます。ビールや日本酒は蒸留されてないので麦や米の成分がある程度高分子のままダイレクトに残ってるので、長く置くと酸化が進んだり成分同志の化学反応が起こるわけです。ワインは醸造酒ですが成分が単純なので長い期間寝かせることができるし、そうした方が美味しい。
日本酒の古酒ってのは、わざと日本酒を数年寝かして楽しむ飲み方で、蔵によってコンセプトが違ってどういうのが上手にできたって言う基準がありません。老香を抑えたものもあれば、老香そのものを楽しむものもあります。白山は老香を抑えて芳香成分が貯蔵を通して変化した舌にドーン!と来る何ともいえない日本酒なのに日本酒では味わえない不思議な味と香りを楽しむ古酒です。「ぎ?吟醸香だよね?これ・・・」って、自分に確認しながら口の中で酒をまさぐるのが楽しいわけです。

ちなみに「クース」と発音する泡盛の古酒は、沖縄の誇る年数をかけて熟成された蒸留酒です。これも大好き。

写真は土佐の白雲神社の狛犬さん。

本日のお酒:萬歳楽 大吟醸古酒 白山
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