遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

ノーベル生理医学賞

2012-10-08 19:43:00 | BIONEWS
山中・京大教授ら2人にノーベル生理学・医学賞(読売新聞) - goo ニュース
自分で書ける範囲でノーベル賞研究についてはだいたい毎年書いてるんですが、今回はすでにテレビでガンガン流れてるのでやめておきます。特筆すべきは日本の現役教授がとったということでしょうかね。MITの利根川先生も現役で受賞しましたが米国だし、島津製作所の田中フェローは会社員だし・・・。真紀子大臣にもてあそばれなければいいなとお祈りしております。w 
再生医療分野では試験管ベビーがとってからあまり長く経っていないので、もうしばらく後になると予想していましたが、良い方に僕の予想は外れました。ハーバード勢に代表される米国のグループがiPSで業績を出すのを待って、共同受賞させるんじゃないかと深読みしていたんですよ。邪推でしたぁ。

iPS関係で最近のホットなニュースはこれでしょう。
ヒトのiPSから精子や卵子になる細胞?作製(読売新聞) - goo ニュース
精子や卵子のもとになる「始原生殖細胞」とみられる細胞を作製することにヒトのiPS細胞で成功したというのです。マウスではすでに精子も卵子も作製することに成功していまして、子供も出来ています。あくまで有性生殖ですから『クローン』ではありません。クローンは無性的に増やした生物のコピーのことですから。精子と卵子が作られても子宮がなければ子供を生むことは出来ませんから、越えるべきハードルは高く高くあるので、そう簡単に倫理的問題を起こすような試みはなされないと思います。癌遺伝子Mycをどうすんのか等の組み替えDNA利用上の問題も残りますし、エピジェネティカルに大丈夫なのかも問題です。

まあ、最初は臓器の一部を補完する技術の確率からでしょうね。最初の臨床応用も網膜でやってたと記憶しています。

本日のお酒:KIRIN 麦のごちそう
コメント (2)
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