遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

まんじゅう怖い?!

2011-05-12 23:03:31 | BIONEWS
最近はだんごも怖いっすねー。まあ、O157なんてのはありふれた食中毒菌なのですが・・・気をつけましょー。ユッケ食中毒事件ではO111の二次感染者が出てきて広がりを見せてます。二次感染を受けた人は30代の女性だそうで症状は軽いとのこと。あくまでも小さな子供やお年寄り、身体の弱い人がやられるのです。

とりあえず、まじめな話も。
ユッケ食中毒おこした腸管出血性大腸菌とは?(読売新聞) - goo ニュース
大腸菌といってもいろいろいまして、その細かい分類法に細胞の抗原を使ってわける方法があります。これは、抗体によって勘弁迅速に判別がつくので便利なのです。wikipediaによりますと、O抗原とは真正細菌におけるH抗原(鞭毛抗原)以外の細胞壁の抗原で、細胞壁のリポ多糖にあたるとのことです。菌体抗原とも呼ばれ、O抗原は耐熱性でありエタノールや塩酸処理で不活化しません。この細菌は胃を通過して腸に達することが出来るし少数でも発症させることができます。ベロ毒素を出すのが凶悪なやつでして、O157が横綱、他にO111とかO26。ベロ毒素ってのは我々真核生物のリボソームの機能を阻害して細胞を死に追いやります。赤痢菌も同じものを持っていて、どうもバクテリオファージを介して細菌間で広まったらしい。症状としては血性下痢。血性下痢っていうのは、糞便を含まない下痢でほとんど血液っつう激しいもんです。腎臓がやられると溶血性尿毒症、脳に回って急性脳症。亡くなられたお子さんは脳症が死因だったそうです。痛ましい・・・。

ユッケや生レバー、牛たたき等、僕は生肉大好きです。ただ、こういう食べ物はあくまでも特別な食べものであることが『普通』な気がします。なんでもかんでも安い値段でほいほいと食べられる状況が本当に贅沢で豊かなのか、我々自身の食文化について考え直してもいいのではないかと思います。だいたい生で喰える肉っていうだけで、すんごい高級品なはずなのに1皿280円って・・・しかも和牛?? んなわけないやん。そもそもプロが病原菌を無菌操作するのにどんだけ厳格にやってるか考えれば、少なくとも子供のいる食卓に並べていいものではないっすよ。箸がつくだけでも移ります。え?プロがどんな操作してるかなんか知らないって?

今日のお酒のCHANGというビールはタイ・アユタヤのです。味は東南アジアのビールらしくすっきり軽い。悪くはないんだけど、僕はシンハーの方が好きだな。

本日のお酒:CHANG BEER + 萬歳楽 吟醸 菊のしずく + 鹿児島芋焼酎 不二才
コメント
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