滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

柿渋の匂いって・・。

2008年08月14日 | 建築
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現在設計中の「SAINENGI-プロジェクト」なのですが、内部の和室やその周りの見えがかり木部を古色に仕上げてほしいというお施主さんの要望があり、いろいろと検討した結果、天然素材である柿渋とべんがら(柿渋原液をべんがらで調色する)を使って古色に仕上げようと思っています・・・。

そこで気になるのが柿渋の匂いです・・。私は柿渋を一度も使った事がなかったのですが、周りの人の話によると強烈な匂いがするらしく、「本当に柿渋を塗るつもりですか・・。」とか、「現場で誰が塗るかでモメますよ・・。」などと何か柿渋を使うことが犯罪のような言われ方をした訳です・・。

それなら、一度試しに自分で塗ってみようと思い、メーカーから柿渋原液とべんがらのサンプルを送ってもらいました。あとは、ホームセンターで安物の刷毛を買ってきて、知り合いの材木屋さんから杉板のカットサンプルをもらって準備完了です・・。
とりあえず、強烈な匂いと聞いていたので、匂いが染み付いてもいいように服を着替えて、ナイロンの手袋をして、タオルで口と鼻を覆って完全装備で試し塗りに臨みました。

まず、息を止めて柿渋原液のサンプル容器のフタを開けて、別の容器に移し出しました。それで・・ゆっくりと息をしてみたのですが、そんなに匂いませんでした。ちょっと安心して普通に匂いをかいでみると、確かに銀杏のような匂いがしましたが、そんなに犯罪呼ばわりされるほどの匂いではありませんでした・・。

私個人の見解としては、決していい匂いではありませんが、化学薬品などを配合した異臭とは違い、もともと自然の中にある匂いなので、そんなに言うほど問題はないと思いました。(まぁ・・、匂いの感じ方には個人差があるので、絶対に問題ないとは言い切れませんが・・。)

柿渋は、未熟な柿の果実を紛砕、圧搾して得られた汁液を発酵させたもので、柿タンニンやシブオールを多量に含み、発酵によって生じた酢酸や酪酸の匂いを有する赤褐色半透明の液です・・。布や紙の防腐、民間薬などにも用いられます。
タンニンが水溶性タンパク質と結合して沈殿を生じる性質は、清酒の清澄剤として利用されており、今日ではこの用途で最も多く活用されています。
塗料としての用途は近年、利用が少なくなっていますが、シックハウス症状を起こさない塗料として再評価されつつあります・・。

という事で・・実際には、誰が現場で柿渋を塗るかという事ですが、やはり塗装屋さんになるのかな・・?、一説には柿渋は大工さんが塗るものだと教えてくれた人もいます・・?
それと、私の親父に言わせると昔はみんなお施主さんが自分で塗っていたものだそうで、定期的に何回も何回も塗り重ねて、ツヤが出てよく光っていたそうです。(昔の人は、それだけ自分の家を大事にしていたという事ですね・・・。)






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