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滋賀県 建築家 / 建築設計事務所イデアルの小さな独り言

建築家・清水精二のブログ、何でもあり独り言集・・・。

懐かしい「文芸セミナリオ」

2017年09月24日 | 建築

キンモクセイの甘い香りがする季節になりましたね。もうすっかり秋です・・・。

先日、近江八幡へ行く機会があったので、安土町の文芸セミナリオに行って来ました。文芸セミナリオは、25年ぐらい前に私が構造設計に携わったクラシック専用の音楽ホールです。文芸セミナリオに行ったのは十数年ぶりかな・・。普段、近江八幡まで行く機会というのはあまりないので、久しぶりに立ち寄ってみました。文芸セミナリオは、客席数は350程度と音楽ホールとしては規模は小さいですが、ステージにはパイプオルガンが据え付けられています。構造形式は、鉄骨造と鉄骨鉄筋コンクリート造と鉄筋コンクリート造を組合わせた混構造で、ドーム状の屋根やホールを支える梁などが鉄骨造となっています。

 

あいにくホールの中までは入れませんでしたが、設計していた当時のことを思い出して懐かしくなりました。当時、勤めていた構造設計事務所で文芸セミナリオの構造設計に携わっていたのですが、設計期間がぜんぜん足りなくて、チームを組んでいたスタッフたちと毎日のように朝方まで仕事をしていた記憶があります。事務所に簡易ベットを持ち込んで交代で仮眠していたこと・・帰らないので夜になると近くの銭湯に通っていたこと・・事務所前の自動販売機で買った缶コーヒーを飲みながら朝焼けの空をよく見上げていたこと・・徹夜明けのモーニングのまずいこと・・などを思い出していました。

体力的には結構きつかったけど、それでもみんなとワイワイ・・ガヤガヤ・・とやっているのは楽しかった記憶があります。今は一日でも徹夜をすれば、体調を取り戻すのに一週間ぐらいかかりますからね。(それだけ歳をとったという事です・・。)

25年前は、一週間ぐらい徹夜しても大丈夫だったんですよね。(あの頃が羨ましいです・・・。)

 

 

 

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免震建築物

2015年03月22日 | 建築

春ですね・・・。皇子が丘公園の初御代桜(ハツミヨザクラ)も満開になっています。それで・・私は花粉症が絶好調になって、鼻水をかんでばかりいます。ちなみに、1年前の記事を読んでみると同じことが書いてありました。(私の場合、初御代桜が満開になる頃が花粉症の絶頂期になるということですね・・。)

 

という事で、先日、建設中の免震建物を見学してきました・・。最近、問題になっている免震ゴムの「性能偽装」があったからという事ではありません。友人から免震建物を建設していると 聞いていたので、前から「1回見に行くわ」と言っていて、見に行ったのがたまたま先日だったというワケです。それで、やはり一番最初に友人に聞いてしまったのが、「ここの積層ゴムって、例のメーカー製と違うにゃろ?」でした・・。友人は「ちゃう、ちゃう、B社製の積層ゴムや!」って言っていましたね。

免震建築物について簡単に説明すると、従来の建築物(耐震構造)は、地面の上に建物が建っているので、地震の揺れが地面から直接伝わり、建物が大きく揺れます。しかし、免震建築物は、地面の上に免震装置があって、その上に建物が載っているので、地震が起こったときに免震装置が地震の揺れを吸収することによって、建物に地震の揺れが伝わりにくくなるワケです。その結果、建物には、免震装置で吸収できなかった地震の揺れが少し伝わるだけになります・・。

それでは・・免震装置って、どのようなものかメチャクチャ簡単に説明します・・。免震構造は、アイソレータダンパー という・・あまり耳慣れない装置で構成されてます。アイソレータは建物を支え、地震が起こったときに建物をゆっくりと移動させます。アイソレータの種類としては、積層ゴム、すべり支承(ししょう)、転がり支承 などがあります。、これらのうち、最近、「性能偽装」問題になっているのは、積層ゴム(下の画像)というタイプのものになります・・。(下の画像の積層ゴムは、例のメーカー製のものではありません。)

もう一つの装置、ダンパーは建物を支える役目はせず、アイソレータだけでは、いつまでも続く建物の揺れを止めることができないので、ダンパーが抑える働きをします。種類としては、オイルダンパー、鋼材ダンパー、鉛ダンパー などがあります。誤解を恐れずに、免震装置をもっと極端に言ってしまえば・・アイソレータが建物の下に置く防震パッキンのようなもので、ダンパーが建物の揺れを抑える振れ止めのようなものです・・。

 一般的には知られていないことだと思うのですが、現在の耐震設計法(建築法令)では、比較的頻繁に起こる中小地震では、建物にほとんど被害が出ないように設計し、極めてまれに起こる大地震では建物の崩壊によって、人命が失われないことを前提に設計されています。つまり、大地震では人命が失われなければ(避難するために必要な一定時間内に建物が崩壊しない)、その後は建物が修復不可能な状態まで壊れることを許容しているのです・・。

現在の耐震設計法の延長では、建物に強い揺れが発生することは避け難く、大規模な地震に起こった場合、「人の命」は確保するけれども、「資産の安全」(建物の安全)までは確保されていないのが現状なのです。免震構造を採用すれば、大地震が起こっても建物が壊れず、「人の安全」だけでなく、「資産の安全」も確保できるというメリットがあります。震災から人や建物を守るためには、免震建築物が一般に広く普及することは有効な手段の1つであることはお分かりいただけると思います。

では・・なぜ免震建築物が普及しないのかと言うと、1つは、コストの問題もありますが(コストは以前に比べれば安くなってきていますし、普及すれば価格競争も進むので解決すると思います)、一番問題なのは、一般の工務店でも容易に施工できるような工法が確立されていないこと、もう1つは、一般の建築構造技術者でも容易に設計できるような設計法や法令の整備が熟成していないことだと思います。(結局、この2つの問題が一番ハードルが高いということかな・・。)

いずれにしても、免震構造は震災を防ぐ優れた技術なのですから、一般に広く普及することが望まれますよね・・・。

 

 

 

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お盆休みなので・・。

2014年08月16日 | 建築
最近、雨ばかりでスカッと晴れた日が少ないですね。お盆なのに梅雨に戻ったような気がするのは私だけて゜しょうか・・・。
今日は大雨と知りつつも・・午前中はそんなに雨が降っていなかったので、京都にお墓参りに行って来ました。予想通りお寺に着くなり雨が降ってきて、アッという間に大雨に・・。それでも、せっかくお寺まで来たのだからと思い、お寺で傘を貸してもらって、線香もたてられずに手を合わせるだけの強行なお墓参りをしてきました。(まぁ・・行かないよりはイイでしょ。)

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それで、昨日までは仕事をしていましたが、今日はお盆なので(お盆は今日だけではないのかなぁ?)、ゆっくりしようと思ってエル・クロッキー(スペインの建築雑誌)の最新号MVRDVの特集(右の画像)と友人から薦められて買った同じくエル・クロッキーのバックナンバーでアルヴァロ・シザの特集号を読みました。

MVRDVとシザは、まったく違うタイプの建築家ですが、どちらも日本では(いや世界中かな)人気の高い建築家ですよね。
MVRDVは、以前より好きな建築家集団てすし、シザの本も何冊かは持っています。

MVRDVの斬新さはいつも刺激を与えてくれますし、シザの建築はとにかく奥が深いです。「なるほどなぁ・・、上手いなぁ・・」と思ってもなかなかできるモノではありません。(世界的な建築家ですから、同じレベルの建築がそう簡単にできるワケがないのですが・・)

最近、多忙を理由に何かと流されがちな私なので、建築を志したときの初心に帰って、もっと努力しないといけないと改めて思いました。という事で、現在設計中のプロジェクトも理想の建築を目指して妥協せずに頑張ることにします・・・。


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開設20周年 その2

2014年03月23日 | 建築
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春らしくなってきましたね・・・。
皇子が丘公園の初御代桜(ハツミヨザクラ)も満開になっています。初御代桜は彼岸桜の一種ですから、今年はちょうどお彼岸の時期に満開になりました。3連休が見頃だったので、今日も皇子が丘公園は多くの人でにぎわっていました。
それで・・私はというと、花粉症が絶好調で苦しんでいます。今日は特にひどいです、朝から鼻をかみ過ぎて、鼻が赤くなっています。京都と滋賀は例年より花粉がやや多いという予想は、やはり当たっているのかな・・。

という事で、20年間をふり返りながら建築について色々お話していくシリーズの今回は2回目になります。今回は、前回にひき続き構造設計のお話をします。
建築の構造設計者と言っても、色々なタイプの設計者がいます。私は、構造設計業務を専門に行っている親友と昔よく話していた事があります。それは、構造設計者には、大きく分けると3つのタイプがあるというものです。

一つ目のタイプは構造家と呼ばれる人たち、二つ目のタイプは構造屋さん、三つ目のタイプは計算屋さんという3つのタイプです。
構造家は、新しい構法や解析を開発し、構造技術の先端を担う人たちのことです。構造屋さんは、いわゆる構造実務設計者の中で一番スタンダードなタイプの人たちのことを言い、設計する建物の用途やグレードに合わせて、構造計算より出てくる結果(数字)を形にしていく人たちです。
計算屋は、文字どおり・・構造計算をするだけ(結果を形にしない)人たちのことです。

構造屋さんと計算屋さんの違いについて、もう少し詳しくお話します。
構造計算の結果というものは数字で表されます。構造実務設計者(構造屋さん)は、計算結果の数字から部材の並べ方や取り付け方法を検討し、不具合が生じるようであれば、構造計算をやり直し部材の並べ方や取り付けが上手くいくように調整していきます。
この部材の並べ方や取り付けが上手くいくように調整しておかないと、建物の工事中に色々な問題が起こり、すぐれた構造耐力のある建物を建設する事ができなくなります。

計算屋さんは、構造計算結果をそのまま図面化し、部材の並べ方や取り付けを調整しない傾向にあります。建築確認の審査では、建築基準法に抵触しないかの審査に重点がおかれ、部材の並べ方や取り付けまで審査されることは少ない(建築基準法には、部材の並べ方や取り付けなどの細かい規定はありません)ので、計算屋さんが行った構造計算でも建築確認はとおりますし、そのまま建物を建設することは可能です。

構造設計者には、実務経験の豊かさが求められます。構造設計において、高度な判断を行うためには、豊かな実務経験が必要だからです。
この実務経験というものは、純粋な構造技術だけではなく、工事監理者や実際に工事を行う建設会社の技術レベルを見抜く能力などを養うための経験も含まれています。

ですから、構造実務設計者(構造屋さん)は、建物の用途やグレードだけではなく、建物の工事をする建設会社の実績や施工技術も考慮して、構造設計を行う必要があります。
建物の用途やグレードさらには工事予算などから、どのぐらいの実績や施工技術を持った建設会社が工事を行うかを想定し、実績や施工技術が不十分な可能性がある場合は、構造計算の安全率を高くして余裕のある設計を行い、また、実績や施工技術が十分な場合は、経済性を重視して安全率を低く設定するなどの判断をしていきます。

もちろん、設計段階では、どのような建設会社が工事を行うか、まったく分からない場合もあります。そのような場合は、建て主に構造計算の安全率や余裕度について説明を行い、どのような実績や施工技術を持った建設会社を選定する必要があるのか理解しておいてもらう事が重要になります。

ここまでお話すれば、構造設計者は、構造屋さんであることが望ましいとお分かりになると思いますが、それでは、なぜ計算屋さんが存在するのか疑問に思われますよね・・。
計算屋さんが存在する原因は、大きく3つ考えられます。一つ目の原因は、構造計算ソフトの発達によって、豊かな実務経験や構造の基礎知識がない構造設計者でも、構造計算だけなら建物データを入力すればできてしまう土壌があるという事です。
二つ目の原因は、構造設計の報酬が安すぎたり、値切られたりした結果、構造設計者が業務の省略化を図る傾向になるという事です。
三つ目の原因は、構造設計を依頼する意匠設計者や建設会社が、利潤を追求するために構造設計の報酬が安ければ計算屋さんのような業務内容でも構わないという考えから、計算屋さんを生み出す土壌を依頼者が作っている事です。

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私が構造設計業務を専門に行っていた頃は、構造屋さんとしての業務をしていたつもりです。しかし、残念なことに、私が構造設計業務から離れていった理由の一つには、計算屋さんが存在する原因の二つ目と三つ目があるのも事実なのです。
私もこのまま構造設計を続けていくと、計算屋さんになっていくかも知れない・・と思ったのです。(もちろん、構造設計から意匠設計に活動の場を移していった理由は、他にもあるので追々お話していきます。)

計算屋さんが存在する原因の二つ目と三つ目は、法整備で解決する問題ではなく、建築士の社会的地位を建築士自らが上げていく努力をすることが問題の解決につながると私は思っています・・。
この事については、もっとお話したい事がいっぱいあるのですが、この記事がかなり長くなってしまったので、このあたりでやめておきます。

いろいろ書きましたが、本来の構造設計者というものは、工学的な判断以外にも多岐にわたって高度な判断力が求められる業務であり、そのような人材が養われるような土壌を設計業界全体が作っていく必要があるというお話でした・・・。
















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今年は設計事務所開設20周年です

2014年01月12日 | 建築
明けましておめでとうございます。今年も「滋賀 建築設計事務所イデアルの小さな独り言」をよろしくお願いします。

今年は、設計事務所を開設して早いもので20年になります。開設当時は、仕事あるのかなぁ・・本当にやっていけるのかなぁ・・と不安がありましたが、たくさんの人たちと出会い、たくさんの人たちに助けて頂いて、なんとかここまでやって来られました。本当に有り難いことだと思っています。
仕事が忙しくて殺伐とした日々を過ごしている中でも、「感謝の気持ち」だけは忘れずにいたいと思っています。これからも、よろしくお願い致します。

という事で、20周年記念というワケでもありませんが、今年は今回を含めて数回の記事にわたり、20年間をふり返りながら建築について色々お話していこうと思います。

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ブログでも何度かお話しましたが、事務所を開設したときは、建築構造事務所で構造設計を専門に業務を行っていました。
その後、構造設計の傍ら意匠設計も手掛けるようになり、2002年に意匠や構造という専門分野の枠にとらわれない自由な設計活動を行うべく、建築構造事務所イデアルを建築設計事務所イデアルに改名し、現在は構造の知識や経験を生かしつつ意匠設計を専門に業務を行っています。

20年間をふり返るにあたって今回と次回は、まず原点である建築の構造設計についてお話しようと思います。専門的な事ではなく、一般の方にもわかる簡単な概念のお話をしますので安心してください。

構造設計の中心というか設計の元になるのは、何と言っても構造計算です。構造計算書を偽装した姉歯事件があったので、一般の方でもご存知だと思います。
構造計算によって、建物が安全であるように柱や梁の大きさを決めていくワケですが、この構造計算というものは、地震や台風などの力(強さ)をある一定の仮定によって算出しています。

例えば、地震の力について言うと、地震といっても縦揺れ、横揺れ、ゆっくり揺れる、激しく揺れるなどいろいろな揺れ方があり、建物に加わる力も揺れ方によっていろいろです。
ところが・・現在、一般に行われている構造計算では、地震の力は一定の仮定によって算出された一種類の力だけによって計算されています。そこで、実際にはどんな揺れ方の地震が起こるか分からないので、一定の仮定の条件や構造計算の中で、安全率(余裕率)というものをとり入れて不測の危険性をカバーしているのです。

ですから、よく聞かれる「この建物は震度5とか震度6で倒れますか?」という質問に対する正確な答えは次ようになります。
つまり、その建物の建っている地盤やそのとき起こる地震の規模や揺れ方が構造計算に使われている(建築基準法で定められている)一定の仮定に近ければ安全性が高く、逆に一定の仮定条件からかけ離れたもの(想定外)であれば安全性は低くなります。

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こんな言い方をすると少し乱暴かも知れませんが、建築基準法で定められた構造計算によってOKだったから、その建物は地震に安全で、構造計算でNGになったから、その建物は地震に危険だという事は一概には言えないということなのです。
考えてみれば当たり前のことなのですが、地震が起こればどんな揺れ方をするのか分かりません・・では、建物が建てられませんから、建築基準法で一定の仮定を設けて安全性を測る「ものさし」にしているワケですね。

建物を建てるという事は、重力に逆らって建てるという事ですから、大切なのは柱・梁・壁・床などを横方向(幅・奥行)、縦方向(高さ)のいずれにもバランス良く配置するということです。
人間でも、スポーツをするのに頭・胴・手・足をバランス良く使わないと上手くできないでしょ・・建物もまったく同じということですね。

それにしても、20周年という事は・・それだけ私も歳をとっているという事ですよね。(うれしいような・・悲しいような・・?)
画像は、ワイズインターナショナル本社の事務室の天井照明と工事中の外部階段の様子です。次回からも公開していない写真などを紹介してこうと思っています・・・。


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TK-HOUSE 竣工写真

2013年10月20日 | 建築
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今日は、先月完成しました「TK-HOUSE」の竣工写真を紹介します・・・。今回も写真家の西岡さんに撮影をお願いしました。

TK-HOUSEの外観特徴は、1層2層に連続した庇を取り付けた事です。この庇と各々の出窓を同じ赤いガルバリウム鋼板で覆うことにより、外壁とのコントラストをより強調する事をねらってみました・・。
(私としては、庇と出窓部分に赤いガルバリウム鋼板を使う事で、建物外観に愛嬌というか・・かわいらしさを持たせるねらいもあったのですが、どうもシャープ感の方か勝っているみたいですね・・。)

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内部は、お施主さんの要望により吹抜け空間となっています。
キッチンに立つと、この吹抜けを介して、1階・2階の様子が全てうかがえるように各空間がレイアウトされています。つまり、奥さんがキッチンに立てば家の様子が全て把握できるという事です。(キッチンがこの家の司令塔というワケですね・・。)

「TK-HOUSE」は、ホームページや設計事例集にも掲載する予定なので、詳しくはそちらの方を楽しみにしていて下さい。
(相変らず・・バタバタしているので、掲載するのはもう少し・・?先になりそうですけどね。)



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S-HILLプロジェクト

2012年05月05日 | 建築
今年もゴールデンウィーク(大型連休)がやって来てしまいました・・・。例年のごとく私はどこにも行かずに仕事をしています・・とまぁ毎年言っていますよね。
それでも例年なら、ゴールデンウィークだから程々に仕事をしておこう・・という感じで、そんなに全開で仕事をしているワケではないのですが、今年はけっこう詰めて仕事をしています。(それだけ危機せまるモノがあるという事でしょうか・・と言うかそうなのですけどね・・。)

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画像は、現在工事中の「S-HILLプロジェクト」の様子です。とは言っても外観を防護シートで覆われているので工事中だとしか分かりませんよね。
S-HILLプロジェクトは、既存の有料老人ホームの増築、改修工事です。もともと既存の鉄骨4階建ての建物を改修し、有料老人ホームに用途変更して運用されていましたが、諸事情によりエレペーターがありませんでした。

今回の増築、改修工事にあたっては、まずエレベーター棟を増築すること、共用のリビングや食堂、共用廊下などを広げて明るく風通しの良い内部空間にすることがお施主さんからの要望でした。
つまり、エレベーター棟の増築だけではなく、共用リビング、食堂を広げるための増築と共用廊下を広げて光を取り入れるための内部間仕切の全面改修という大がかりな増築、改修工事となりました。

既存建物の増築、改修工事なので、昨年の夏から建物の現況調査とスタッフの方々や入所者さんからの聞き取り調査を行っていました。
何度も調査に通ううちにスタッフの方々や入所者さんと顔見知りになり、こうすればスタッフの方々も便利だろうな・・とか、こうすれば入所者さんも喜ばれるだろうな・・という私の想いがどんどん膨らんでいき、これもあれもと設計に採り入れていった結果として工事予算を大幅にオーバーしてしまいました。

工事見積金額が予算を大幅にオーバーした事をお施主さんに報告するときに、私の想いだけは伝えておこうと思い、「スタッフの方々や入所者さんの顔を思い浮かべながら、こうしてあげたい・・ああしてあげたい・・と設計した結果がこの見積金額になってしまいました・・。ついては、お施主さんの意見を聞きながら減額案を考えたいと思います。」と伝えたところ、理事会にて検討させて頂きますという事でした。

後日の打合せで、お施主さんが私の言った「スタッフの方々や入所者さんの顔を思い浮かべながら、こうしてあげたい・・ああしてあげたい・・」という言葉がずっと心に残っていて、その言葉がとても嬉しかったので、追加予算を組むのは大変きびしいのですが、減額できるところは減額して頂くとして、基本的には原設計どうり建てられるように追加予算を考えますと言ってくださいました。

お施主さんのこの言葉に、事業性の高い建物なので本当に追加予算を出してもらっていいのだろうか・・と戸惑いつつも、入所者さんやスタッフの方々に対するお施主さんの想いとそれなりの覚悟が私にも感じとれたので、お施主さんの信用と期待を裏切らないように全力で頑張ろうと思ったのと同時に、その日から大きなプレッシャーとの闘いにもなりました。

そういう事もあって、連休だからと言ってゆっくり休んでいるワケにはいかないのです・・。事業性がありますから工期も限られていますので、近隣の方にお願いして連休中も工事をさせて頂いています。。(私も現場に通っていす。)
増築、改修工事ですから、工期的にも技術的にも困難が多いのですが、入所者さんやスタッフの方々・・そしてお施主さんが喜ばれる姿だけを思い浮かべながら頑張ることにします。
(来年のゴールデンウィークは、ゆっくり休めるといいんですけどね・・。たぶん無理でしょうね・・・!?)




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Harvest Link社屋 竣工写真

2011年11月05日 | 建築
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11月だと言うのに暖かい(暑い?)日が続きますね・・・。昨日は、前回の記事でもお話しましたHSプロジェクトの配筋検査に行って来たのですが、気合いを入れて検査をした事もあってか・・暑くて汗だくになってしまいました。本当に11月なのでしょうか・・。

という事で、今日は以前からブログでお話していますHarvest Link社屋(HL社屋)の竣工写真を紹介します。
このオフィスの設計にあたってのお施主さんの要望は、まず、「面白いモノを建てよったなぁ・・。」というのと、平屋でいいがファサードにはボリュームを持たせてほしい・・というものでした。

平屋でボリュームを持たせるという事は、鉛直方向に大きな量感(ボリューム)を持たせられないという事なので、水平方向に大きな変化をつける事にしました。と言っても・・2階建てぐらいのボリュームはあるのですけどね・・。

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この建物デザインから見て、水平方向に変化をつけるという事は、立方体のボリュームを伸ばしたり・・削ったりする作業のように思えるかも知れませんが、実際の設計概念としては外部空間を抱きかかえる・・外部空間をひき込むという作業をしています。
つまり、外部空間(庭)を内部に抱きかかえる(ボリュームを伸ばす)・・外部空間を内部にひき込む(ボリュームを削る)というふうに考えたワケです。

上述のように考えた結果として、平屋ながらボリュームのあるファサードを持った面白いオフィスが出来上がったと思っています。
工事中に、近所の人や通りがかりの人から、「この建物は何のお店になるのですか?」とよく尋ねられました・・、確かにレストランとかには見えても、オフィスには見えないかも知れませんね・・・。

Photo : 西岡千春



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和洋の建築・・・。

2010年12月12日 | 建築
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このところズルズルと長い記事が続いているので、今日は手短な記事にします・・・。
左の画像は、もうすぐ竣工する「湖西の家」の中庭から空を見上げた様子です。工事が遅れていたのですが、先日・・無事に完了検査も合格し、あとは手直し工事をして今週中には引渡す予定になっています。

この時期の湖西地方は、天候が変わりやすく・・突風が吹いたり、時雨れたりと工事関係者の方々には大変ご苦労をおかけしたようです。私もホカロンを貼って現場に通うのもあと少しで終わりになりそうです・・。

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話が変わりまして、上の画像は完成した早尾神社-拝殿の屋根です・・。今月末には竣工祭が行われる予定になっています。銅板葺きの屋根が美しいでしょ・・。この日本建築の曲線美をこれからの建築設計にどのように取り入れていくか・・なのですよね・・。
新しい和?、新しい洋?・・今のところ上手く言えないのですが、このあたりに何か新しい課題(ヒント)があるような気がします。

それにしても、こういう仕事(日本建築)ができる職人さんたちがいなくならないでほしいですよね・・・。



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湖西の家 その2

2010年10月23日 | 建築
今日は、久しぶりに現在工事中の「湖西の家」のお話をします・・・。私の現場は手間のかかる作業が多いので、なかなか思うように工事が進まない事が多いのですが、「湖西の家」も例外になく、現場監督さんや職人さんたちにいろいろとご苦労をおかけしています。それでも現場のみなさんが一生懸命に頑張ってくださるので、少しずつ形になって来ています・・。

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右の画像は、中庭から2階デッキのスチール手摺りを見上げたものです。重厚でシャープ感のある手摺りにしたかったので、スチールのフラットバーで製作しました。フラットバーを横使いにしているので、中庭からのプライベートルームへの視線を隔てる目隠しルーバーの役目にもなっています・・。

実は、このスチール手摺り・・一度製作したのですが、納得いくモノが出来上がらなかったので、製作方法などを再検討してもらって造り直したモノなのです。金物屋さんも2度目のときは、慎重かつ気合いを入れて造ってくださったので、ご覧のとおりシャープな仕上がりになっています。(ありがたい事です・・。)

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左の画像は、玄関ポーチを回廊側から見た様子です。壁に張られている木板は、ラスモルタル下地なのですが、お施主さんは以前より、この状態のほうがカッコイイと言って気に入っておられて、このままの状態で仕上げに出来ないか・・とおしゃっていました。(何でも、ラスモルタル下地のチープな感じがいいそうです・・。)

それで先日お施主さんから、本当に木板を張って仕上げたい(本来はラスモルタルにスタッコ吹付けだったのですが・・)という相談がありました。この時点でファサードの仕上げを変えるのは異例な事なのですが、私も設計中にこの壁(お施主さんのおしゃっている部分と同じ部分)だけテクスチャーに変化をつけてアクセントにしたほうがいいかも・・と思っていたときもあったので、木板張りもアリか・・と思い、赤身揃いの杉板を張る事になりました。

赤身揃いの杉板を張る事で、ファサードにどのようなアクセントを与えてくれるのか・・ちょっと不安もあるのですが楽しみです・・。

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ところで・・まったく話が変わりますが、画像は「湖西の家」の現場に行く途中で見つけたコスモスの咲いている花畑です。(車の中からバシャと撮影しました。)、以前にも言ったような気がしますが、秋の花は春夏の花と違って・・どこか物静かで寂しげに感じるのは私だけでしょうか・・・。




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