メカいしだの最近のお仕事です。
250ccより大きなバイクは2年に一度車検がありますので、その時にバッチリと整備をさせていただきますが、車検の無いバイクだってもちろん整備は必要ですよね。
でもねえ、、、なかなか12ヵ月点検や24ヵ月点検に持ってきてくれる方って少ないんですよ。
原付だから点検整備が不要って訳じゃありません。
バイクとしての基本構造は車検付きのバイクとまったく変わりはありません。
単純に小さく出来ているだけで、使えば減ってきたり、月日が経てば劣化してきたりするのはなんにも変わりはありません。
なので整備は必要なんですね。
先日ですが、
125ccのバイクの定期点検の依頼を受けました。
新車から乗られていてちょうど24ヶ月との事です。
原付でも12ヵ月ごとの定期点検が必要ですので、このお客様は2回目の定期点検になります。
走行距離は
6008km。
少ないですねえ、年間に3000kmほどです。
バイクメーカーが考える極普通のユーザーの想定使用距離が確か年3000kmほどだったと思います。(すみません、何かの資料で読んだことがあるんですが、何だったか忘れました。)
なので、極普通のモデルのような使い方をされているバイクになります。
それでは点検を始めます。
点検の項目は、、、たとえばスズキの定期点検項目に沿って行うと、こんな項目を点検いたします。
http://www1.suzuki.co.jp/motor/inspect/periodical.html
↑ スズキのhpの定期点検のページです。
まずはフロントから。
ホイールを外してハブベアリングの点検を。
舵取りのステムベアリングが引っ掛かりが無くスムーズに動くか?ガタが無いか?も大事な部分です。
ブレーキもキャリパーを外してパッドを外します。
ブレーキの個々の部品も点検、清掃。そして必要な部分に油脂を塗付して組み付けです。
パッドの残厚は3mmでした。
新品は4.5mmでしたので、再使用いたします。
24ヶ月目の点検ですので、ブレーキフルードを交換いたします。
ブレーキフルードは水分を吸収して劣化します。
水分がブレーキフルードに混入すると沸点が下がります。
ブレーキが加熱した時に、沸点が下がったブレーキフルードでは沸騰してしまうことがあります。
ブレーキフルードが沸騰⇒⇒⇒レバーを握ってもスカスカ!
これをベーパーロックって言います。
こんな事にならない様にブレーキフルードの交換をするんですね。
もうひとつ、水分を含んだブレーキフルードはブレーキ内部の油圧部分の部品に錆を発生させたり悪さをいたします。
最近のバイクはABSなどの複雑な精密な部品もブレーキ装置に組み込まれていますので、このあたりの部品にも不具合が発生する事も考えられますね。
バイクメーカー推奨は2年毎にブレーキフルードの交換です。
つい先日もスズキからのお知らせで ブレーキフルードの定期交換のお願い というのが、配信されました。
車検の無いバイクだと乗りっぱなしでやらない方がいますが、ほっぽって置くと危険な事になる事もあるんで、定期交換!重要です。
リアブレーキもホイールを外して点検です。
バイク(自動車)の重要な部分の分解整備って、その工場の資格が無いと整備をしてはいけないんですよ。知っていましたか???
認証工場、指定工場って資格です。
この様な看板を掲げている工場が国からの認証を受けている工場です。
認証を受けている工場じゃないと出来ない整備があるんですよ。
エンジンを取り外して行う作業、ブレーキを分解して行う作業、ハンドル等かじ切り装置を取り外して行う作業、ショックアブソーバーのバネを取り外して行う作業 など。
今、点検しているバイクの整備もブレーキキャリパーを外しているし、リアブレーキもドラムを外しシューを外しているので、認証を受けていないと違法な整備になります。
もちろん当店工場は認証工場ですのでおとがめはありませんが、認証を受けていない工場というバイク店もありますので注意が必要ですね。
認証を受けていない工場ではいくら腕の達メカがいてもお客様から整備代をいただいて営業しちゃいけないですね。
ハナシは横道に逸れてしまいましたけど、、、作業を進めます。
エンジンも点検です。
スパークプラグは交換。
エアークリーナーエレメントも交換しました。
2年も経っていますからね。スポンジタイプのエレメントは経年劣化でボロボロに崩れてしまうことがあるので、交換です。
この写真は違うバイクですけど
フタを開けたらスポンジが崩れていてエンジンに吸い込まれていました。
こうなるとエンジンの寿命を縮めてしまいますので。
あとはオイル交換を、、、
灯火類の点検も重要ですね。
動く所、各部も点検もね。 電気系もね。
充電電圧測定。
と、こんな具合に点検整備をいたしましたけど、最後は試乗です。
長年、この仕事をしてきての感性で、バイクの悪い部分が無いか?またはこうするともっと乗りやすくなるよね、、、とか感じながらの試乗、これも大事な点検項目なんですよ。
点検は特に故障部分や気になる所も出てこなく終わり、お客様に引き渡しました。
このお客様は点検整備に理解があり、この様な内容で整備をいたしましたが、なかなかねえ、、、ここまでお金を掛ける人も少ないのが現状ですねえ。
車検切れの様な罰則が無いので、どうしても乗りっぱなしで壊れるまで乗ってしまうって人が大半ですねえ。
でも、壊れるって事は走っていて危険ですので、そうならない様に日頃からの整備が重要だと思いますよ。
メカいしだのある日のお仕事でした。
スズキのhpより
日常点検のページです。
http://www1.suzuki.co.jp/motor/inspect/daily.html
定期点検のページです。
http://www1.suzuki.co.jp/motor/inspect/periodical.html
定期交換部品のページです。
http://www1.suzuki.co.jp/motor/inspect/parts.html
http://www.ichikoku.com/