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経営危機の独銀IKB、米ローンスターが買収へ

2008-08-24 17:07:13 | Weblog
経営危機の独銀IKB、米ローンスターが買収へ 2008年8月22日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080821AT2M2103C21082008.html
 米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題で経営難に陥ったドイツ中堅銀のIKB産業銀行が、米投資ファンドのローンスターに買収されることになった。IKBの筆頭株主である政府系金融機関の独復興金融公庫(KfW)は21日、持ち株売却についてローンスターと合意したと発表した。
 買収金額は非公表だが、KfWは数億ユーロ(数百億円)程度の収益を得るという。ドイツ発の金融危機を回避する狙い。KfWはIKB株の45.5%を保有している。近くIKBの増資を引き受けてこれを90.8%に高めたあと、ローンスターに売却する。10月までに手続きを終える。
 IKBはサブプライム問題が経営を直撃したドイツの金融機関第一号。グループのファンドによる投資戦略の失敗を受け、昨年夏以降、KfWを中心とする独金融団から複数回にわたり累計80億ユーロ以上の金融支援を受けていた。経営破綻という事態に陥ればドイツ発の金融危機に発展する恐れがあるとして、破綻を回避するため独政府も救済を後押ししていた。



 ドイツのIKB産業銀行と言えば、昨年9月に、08年3月期の最終損益が6億-7億ユーロ(約946億-1100億円)の赤字になる見込みだと発表したことをきっかけに、一気に経営問題が表面化し、ドイツの金融団が異例の金融支援を行い続けていた政府系の金融機関ですが、増資した上でその増資した後の株式の9割を、企業再生型投資ファンドであるローンスターが買収することで合意したようですね。
 まあ、ローンスターの経営再生能力を考えれば、他の投資ファンドに任せるよりも企業再生ができる確立は高いと思いますし、そういう意味では心配していないのですが、実はこのローンスターという会社。売却益を巡って韓国と日本でトラブルを起こしているだけに、アメリカよりは保守的と思われる欧州で、実際に黒字転換して利益を回収するステージに入ったときに、またトラブルが起こらないか、どうしても不安に感じてしまうと言ったら、さすがに関係者からお叱りを受けるでしょうか…。
 とはいえ、投資ファンドというのは、手法に違いはあるにせよ、収益を生み出してナンボの世界。経営危機に陥っている金融機関は、資金欲しさについつい投資ファンドの話に乗ってしまう誘惑にかられがちなだけに、第三者を介するなど、契約に著しく不利な内容がないかを詳細にチェックをかけることも必要なのではなかという気がします。


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