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定年後の継続雇用求めNTT東を提訴 元社員10人 

2008-05-06 18:50:38 | Weblog
定年後の継続雇用求めNTT東を提訴 元社員10人 2008年04月21日
朝日夕刊 http://www.asahi.com/national/update/0421/TKY200804210257.html
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080421-OYT1T00695.htm
 NTT東日本が60歳定年後の継続雇用を認めないのは高年齢者雇用安定法に違反するとして、3月末で定年退職した元社員10人が21日、同社に対し、社員としての地位確認と今月以降の賃金支払いなどを求め東京地裁に提訴した。
 原告側によると、NTT東日本は01年、設備保守業務などを子会社に移管したのに伴い、技術系を中心とする51歳以上の社員に、子会社へ出向して最長65歳まで働くか、本社に残り60歳で退職するかを選択させた。出向すると賃金が15~30%減り、本社に残ると従来とは別の業務になると説明され、原告らは選択を拒否。その結果「60歳で退職」を選んだとみなされた。
 高年齢者雇用安定法は06年に改正され、企業に段階的に65歳までの雇用を義務づけた。原告らは改正法に基づき60歳以降の雇用を求めたが、会社は認めなかったという。
 同社は「訴状が届いていないのでコメントできない」などとしている。



 少し前のニュースですが、NTT東日本という超巨大企業で雇用継続を求める訴訟が提起されたようです。
 ただ、雇用を打ち切られた方には非常にお気の毒だとは思いますが、高年齢者等雇用安定法は、あくまでも雇用の確保を求めるものであって、65歳までの雇用を義務づけるものではありませんし、まして60歳以降もこれまでと同様の年収条件で雇用し続けろという性質のものではありません。
 年収減の上、継続雇用してもらえる選択肢も用意していたのに、この10人は本社に残って定年まで働くことを選択したのだから、従業員間の公平性を確保する意味でも、また、少なくない数の大企業が同様の運用をしている以上、裁判官も企業の側が勝訴する(訴えた従業員の側が敗訴する)判決を出す可能性が非常に高いのではないでしょうか。

 解雇規制の厳しい日本に本社をもつ日本企業にとって、定年制度というのは、お引取り頂きたい相手と円満に手を切る合法的な選択肢。勿論、本社に残り年収減を受け入れなかったという理由だけで、人事考課が非常に高いのに雇用継続を受け入れらないような運用をしていると、裁判以前に、職場のモラルダウンというもっと怖い後遺症に陥る可能性がありますが、法的には地裁であっけなく敗訴になりそうな気がしますね。


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