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競売入札妨害容疑で宮崎県えびの市長を逮捕&送検

2009-06-22 13:15:33 | Weblog
宮崎県えびの市長を逮捕 宮崎県警 競売入札妨害容疑で 2009年6月21日
朝日 http://www.asahi.com/national/update/0620/SEB200906200031.html
読売 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090620-OYT1T00954.htm
日経 http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=STXKG0500 20062009&g=MH&d=20090620
毎日 http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090621k0000m040096000c.html
産経 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090620/crm0906202345025-n1.htm
 宮崎県警は20日、市発注工事の指名競争入札で最低制限価格を教え、それに近い金額で落札させたなどとして、同県えびの市長の宮崎道公(みちひろ)容疑者(73)=同市栗下=と、星指(ほしさし)造園土木社長の星指勝典容疑者(65)=同市池島=を競売入札妨害(偽計)の疑いで逮捕した。2人とも容疑をほぼ認めている、と県警は説明している。
 県警捜査2課の発表によると、宮崎市長は、市発注の「08年度榎田橋橋梁(きょうりょう)維持工事」の08年6月27日の指名競争入札で星指造園土木に落札させようと計画。入札直前の同月26日ごろ、星指社長にこの工事の最低制限価格を電話で伝え、この価格に近い金額で工事を落札させた疑いがある。
 県警によると、工事は橋の欄干の補修だった。予定価格は非公表で1438万7千円。指名業者は7社。最低制限価格は1096万1524円で、落札価格は1096万1900円と376円差だったという。
 県警は21日、市役所を家宅捜索する。
 宮崎市長は市議を通算7期務め、3回目の挑戦となる02年3月の市長選で初当選し、現在2期目。今年3月には、来年3月の任期満了に伴う次期市長選への立候補を表明していた。

逮捕の宮崎・えびの市長「選挙支援のお礼」と供述 2009年6月22日 産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090621/crm0906212122021-n1.htm
 宮崎県えびの市発注の工事で、業者に最低制限価格を漏らし落札させたとして、競売入札妨害の疑いで逮捕された同市長の宮崎道公容疑者(73)が県警の調べに対し、「選挙で支援してくれたから教えた」と供述していることが21日、捜査関係者への取材で分かった。
 ともに逮捕された星指勝典容疑者(65)の有限会社「星指造園土木」は、逮捕容疑となった昨年6月入札の橋補修工事以外にも同市の業務を受注した実績があり、市は県警の求めに応じ、橋補修工事を含め、星指造園土木が昨年落札した3件の工事の関係書類を提出している。
 市によると、3件の落札総額は約3000万円で、逮捕容疑となった橋補修工事以外の2件のうち1件では最低制限価格と落札価格の差が約1000円しかなかった。

宮崎容疑者を送検 えびの市競売入札妨害 2009年06月22日 宮崎日日
http://www.the-miyanichi.co.jp/contents/?itemid=18159&catid=74&blogid=13
 えびの市発注の公共工事をめぐる競売入札妨害事件で、えびの市長の宮崎道公容疑者(73)=同市栗下=が逮捕容疑とは別の市発注事業でも、同市池島、「星指造園土木」社長星指勝典容疑者(65)に入札前に最低制限価格を漏らした疑いが強まっていることが21日、捜査関係者への取材で分かった。
 県警捜査2課とえびの署の捜査本部は、ほかの市発注事業でも落札額が最低制限価に格い近いものが複数あることを把握しており、立件へ向けた裏付けの捜査を進めている。
 捜査本部は、逮捕容疑とは別の複数の市発注事業について、星指容疑者がこの数年で最低制限価格に極めて近い価格で落札していることを把握。市役所からこれらの事業の落札履歴を押収しており、宮崎容疑者が事前に最低制限価格を事前に教えたかどうか事情を聴く方針。




 えびの市というのは、熊本県及び鹿児島県と県境を接する、昭和45年に町から市に昇格した人口2.2万人のえびの高原という火山性扇状地と酒造業で有名な市だそうですが、地方都市の宿命とも言えるのか、80年代後半から人口の減少が止まらず、加えて公共工事の減少から 地元業者としては工事量の減少を少しでもカバーしようと、中には今回の星指造園土木のように、さまざまな方面に圧力をかけようともくろんでくる業者も出てくるわけですが、市長も『発覚すれば逮捕』というリスクを背負ってまで最低制限価格を漏らしたというのですから、おそらくは『次の選挙でも応援よろしく』といった見返りの強い気持ちがあったのでしょうね…(溜息
 ちなみに逮捕された宮崎道公氏は、市議を7期(1987年11月から1989年11月まで同議会副議長、1993年11月から1995年11月まで議長を歴任)務めた後、2002年3月に市長に初当選した後、『聖域を設けない撤退した行財政改革』を打ち出し、2006年の選挙では9075票を獲得してライバル候補(6512票)を退けて再選された方だっただけに、地元では例えようのない衝撃を受けているでしょうし、来年3月には任期満了に伴い市長選が行なわれることになっていますが、おそらく選挙戦は複数の候補者が乱立する大混戦になるのではないでしょうか…。

 それにしても、最低制限価格と落札価格に376円しか差がなければ、それは他の指名業者が不審に思うのも無理ないでしょうし、これは発覚してもおかしくありませんよね…。
 橋の欄干の補修ともなれば、価格だけではなく安全性についても重視してもらわなければ困りますし、単純に価格だけで決めてもよいのだろうか…という気もしなくもないのですが、今後は『入札そのものに対して不正を疑わせる余地はないか?』など、今回のスキャンダルを契機に、より平等な競争ができる仕組みを作り上げていく必要性が高いかと思います。


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