「牛越祭」ピンチ! 島津邸もひっそり… 2010年06月12日 朝日
http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000001006120001
約400年の歴史がある伝統のまつりの開催が、危ぶまれている。牛が華麗な跳躍を披露する、えびの市西川北地区の伝統行事「牛越祭(うしごえまつり)」だ。同市での口蹄疫の感染発生に伴う家畜などの移動・搬出制限は、清浄性が確認され、今月4日に解除されたが、その後、新たに都城、宮崎、日向の3市で感染疑い例が同時多発的に発生しており、口蹄疫の猛威が県全体に広がりつつあるためだ。
同祭は、県指定無形民俗文化財。地区住民ら約80人が参加して毎年7月28日、同地区の菅原神社で約50センチの高さに渡した丸太を牛に飛び越えさせる。その勇ましさや迫力が評判を呼び、市内外から約150人が見物に訪れる同市の名物になっている。
例年20頭前後が出場し、見事なジャンプを見せた牛には観衆から大きな拍手と喝采が送られるが、丸太の前でぐずる牛には励ましや笑いが送られるというユーモラスな面も持ち合わせている。
かつては農耕の主役だった牛の無病息災や畜産の繁栄を祈って続けられてきたまつりだが、今年は、その牛を脅かす口蹄疫が猛威を振るう。同祭保存会長で地元区長の白坂重之さん(75)は「開催できるかどうか……。県全体に安全宣言が出ない限りは厳しい」とうなり、「開催できない可能性が高い」と言う。
同地区には約120戸(350人)が暮らし、うち18戸で牛を飼っている。白坂さんも繁殖牛2頭を飼育。「(えびの市での口蹄疫発生で)自分が会長の時代に(伝統のまつりが)なくなるのではと、とても心配した」という。
38頭を飼う繁殖農家の四元節子さん(60)は、今年も例年通り2頭を出場させるつもりでいた。「できれば開催して欲しいが、(口蹄疫が猛威を振るう)川南などの人たちのことを思うと……。毎年の伝統行事なので残念ですが」と、中止はやむを得ないと受け止めている。
えびの市内の清浄性が確認されるまでは「自分のところから(感染が疑われる牛が)出たら…と、心配で心配で、夜も眠れなかった」と話す。規制解除までの毎日、外出を控えて、消毒と牛の健康確認に追われ、ほかの仕事は手につかなかった。「恐ろしい病気なんだとつくづく感じました」と今もおびえている。
同祭は、過去には、台風の影響でまつりを大幅縮小したことはある。今年開催するかどうかは、今月下旬の地区の寄り合いで最終判断する。中止の場合でも、牛たちの無病息災を祈って、神事は執り行う意向という。
都城市の文教施設108カ所が11日から、一斉に休館となった。9日に同市で口蹄疫に感染した疑いのある牛が確認されたのを受け、拡大を防ぐのが狙いだ。図書館や美術館に、3月に開業した「都城島津邸」も休館。一帯の歴史文化ゾーンは終日静まった。
都城島津邸は3月下旬にオープン。県の非常事態宣言後は客足がやや落ちたが、近く「1万人達成」の記念イベントを予定していた。年間3万3千人来邸という目標も掲げているが、同邸を拠点にする「都城歴史観光ガイドの会」の森文武会長(69)は「やむを得ない」と話した。
市立美術館は、小中学生向けの夏休み企画展を11日から予定していた。展示を完全に整えたまま、終息を待つ。
市教委によると、再開には「清浄化」が必須のため、休館期間は未定。ただ、地区の体育館や運動広場などは「事情によって利用は可能。相談してほしい」と話している。
ん…。確かに400年の歴史があると聞けば、何とかして続けさせてあげたいという気もしなくもありませんが、万が一にも参加させる牛の中に口蹄疫に感染している牛がいれば、まるで病原菌をばら撒くようなものですし、今回ばかりは中止になる可能性も致し方ないでしょうね…。
祇園祭など長い歴史のあるお祭りも、国内の戦乱の影響で山鉾が焼け、人の心も乱れたことが影響して行事そのものが中止になった年もありますし、このお祭りを将来的に中止させないためにも、今年はあえてつらい決断を受け入れるのが妥当な気がします。
http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000001006120001
約400年の歴史がある伝統のまつりの開催が、危ぶまれている。牛が華麗な跳躍を披露する、えびの市西川北地区の伝統行事「牛越祭(うしごえまつり)」だ。同市での口蹄疫の感染発生に伴う家畜などの移動・搬出制限は、清浄性が確認され、今月4日に解除されたが、その後、新たに都城、宮崎、日向の3市で感染疑い例が同時多発的に発生しており、口蹄疫の猛威が県全体に広がりつつあるためだ。
同祭は、県指定無形民俗文化財。地区住民ら約80人が参加して毎年7月28日、同地区の菅原神社で約50センチの高さに渡した丸太を牛に飛び越えさせる。その勇ましさや迫力が評判を呼び、市内外から約150人が見物に訪れる同市の名物になっている。
例年20頭前後が出場し、見事なジャンプを見せた牛には観衆から大きな拍手と喝采が送られるが、丸太の前でぐずる牛には励ましや笑いが送られるというユーモラスな面も持ち合わせている。
かつては農耕の主役だった牛の無病息災や畜産の繁栄を祈って続けられてきたまつりだが、今年は、その牛を脅かす口蹄疫が猛威を振るう。同祭保存会長で地元区長の白坂重之さん(75)は「開催できるかどうか……。県全体に安全宣言が出ない限りは厳しい」とうなり、「開催できない可能性が高い」と言う。
同地区には約120戸(350人)が暮らし、うち18戸で牛を飼っている。白坂さんも繁殖牛2頭を飼育。「(えびの市での口蹄疫発生で)自分が会長の時代に(伝統のまつりが)なくなるのではと、とても心配した」という。
38頭を飼う繁殖農家の四元節子さん(60)は、今年も例年通り2頭を出場させるつもりでいた。「できれば開催して欲しいが、(口蹄疫が猛威を振るう)川南などの人たちのことを思うと……。毎年の伝統行事なので残念ですが」と、中止はやむを得ないと受け止めている。
えびの市内の清浄性が確認されるまでは「自分のところから(感染が疑われる牛が)出たら…と、心配で心配で、夜も眠れなかった」と話す。規制解除までの毎日、外出を控えて、消毒と牛の健康確認に追われ、ほかの仕事は手につかなかった。「恐ろしい病気なんだとつくづく感じました」と今もおびえている。
同祭は、過去には、台風の影響でまつりを大幅縮小したことはある。今年開催するかどうかは、今月下旬の地区の寄り合いで最終判断する。中止の場合でも、牛たちの無病息災を祈って、神事は執り行う意向という。
都城市の文教施設108カ所が11日から、一斉に休館となった。9日に同市で口蹄疫に感染した疑いのある牛が確認されたのを受け、拡大を防ぐのが狙いだ。図書館や美術館に、3月に開業した「都城島津邸」も休館。一帯の歴史文化ゾーンは終日静まった。
都城島津邸は3月下旬にオープン。県の非常事態宣言後は客足がやや落ちたが、近く「1万人達成」の記念イベントを予定していた。年間3万3千人来邸という目標も掲げているが、同邸を拠点にする「都城歴史観光ガイドの会」の森文武会長(69)は「やむを得ない」と話した。
市立美術館は、小中学生向けの夏休み企画展を11日から予定していた。展示を完全に整えたまま、終息を待つ。
市教委によると、再開には「清浄化」が必須のため、休館期間は未定。ただ、地区の体育館や運動広場などは「事情によって利用は可能。相談してほしい」と話している。
ん…。確かに400年の歴史があると聞けば、何とかして続けさせてあげたいという気もしなくもありませんが、万が一にも参加させる牛の中に口蹄疫に感染している牛がいれば、まるで病原菌をばら撒くようなものですし、今回ばかりは中止になる可能性も致し方ないでしょうね…。
祇園祭など長い歴史のあるお祭りも、国内の戦乱の影響で山鉾が焼け、人の心も乱れたことが影響して行事そのものが中止になった年もありますし、このお祭りを将来的に中止させないためにも、今年はあえてつらい決断を受け入れるのが妥当な気がします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます