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三菱UFJ、1兆円増資の方針 自己資本規制強化に先手

2009-11-15 09:30:46 | Weblog
三菱UFJ、1兆円増資の方針 自己資本規制強化に先手 2009年11月15日 朝日
http://www.asahi.com/business/update/1114/TKY200911140155.html
 三菱UFJフィナンシャル・グループは年内に1兆円規模の普通株による公募増資を行う方針を固めた。銀行の自己資本を厚くするよう求める国際的な金融規制の流れに対応する。中小企業向けの貸し出しの増加を求める金融庁の要請に応える狙いもある。
 09年9月中間決算を発表する18日に発表する方向で、詳細を詰めている。三菱UFJは金融危機を受け、昨年12月から今年1月にかけ、普通株と優先株を組み合わせて約8千億円の増資をしたが、今回はそれを上回る見通し。実行すれば、国内の普通株増資としては最大規模になる。
 金融危機を受け、各国の当局は、国際的な活動をする銀行に、自己資本の量と質を充実させるよう求めていた。自己資本は銀行の「自前の資金」で、損失を出したときに穴埋めに使える。とくに普通株の発行で調達した資金は、将来にわたって返済の必要がなく配当も抑えやすいため「資本の質が高い」として重視される流れになっている。
 国内要因もある。政府は中小企業などの資金繰りを支えるため、借金の返済条件の緩和を後押しする「中小企業等金融円滑化法案」の臨時国会での成立を目指している。中小企業向けは貸し倒れ率が高いため、三菱UFJは財務基盤を強め、貸し出し余力を高めたいと考えているようだ。
 三菱UFJの6月末の自己資本比率(貸し出し資産などに対する資本の比率)は12.96%、うち普通株主体の自己資本比率は5.8%。今回の増資で、この比率はともに約1%程度上昇する見込みだ。
 邦銀のなかでは資本の厚みでまさる三菱UFJが増資に動くことで、他の金融グループの資本増強の動きも加速しそうだ。三井住友フィナンシャルグループの北山禎介社長は13日の中間決算発表の記者会見で「(国際規制の)枠組みの大幅な変更がはっきりしたり、競争戦略上から資本調達の必要性が生じたりした場合には、最適な方法で資本調達をしたい」と話している。

三菱UFJのADR、米市場で8%弱下落 2009年11月14日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091114AT3L1400314112009.html
 13日のニューヨーク市場で、三菱UFJフィナンシャル・グループの米預託証券(ADR)が大幅に下落した。米国時間13日昼に「年内に1兆円規模の普通株公募増資を実施する方向で最終調整に入った」との日経ニュースがQUICK端末などを通じて伝わり、株主価値の希薄化懸念から売りが優勢になった。三菱UFJのADRは前日比0.44ドル(7.8%)安の5.19ドルで通常取引を終えた。円相場を考慮すると465円程度に相当。13日の東京市場で三菱UFJの終値は508円で、ADRの終値は同水準を43円程度下回っている。

三井住友、48%増益 9月中間、みずほ7%減益 2009年11月14日 日経
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20091114AT2C1301I13112009.html
 三井住友フィナンシャルグループ(FG)とみずほフィナンシャルグループ(FG)は13日、2009年9月中間決算を発表した。連結純利益は三井住友が前年同期比48%増の1235億円、みずほが7%減の878億円となった。金融証券市場が堅調に推移し、株式・債券関連の利益を計上。倒産による不良債権処理損失も減少した。メガバンクの業績は最悪期を脱したが、先行きの不透明感は残る。
 本業のもうけを示す単体の業務純益(実質)をみると、三井住友銀行は0.2%減の3776億円、みずほは傘下3行の合算で9%増の3383億円となった。
 中間業績が改善したのは不良債権処理損失が減ったためだ。単体では三井住友銀が30%減の1569億円、みずほ3行が10%減の1169億円にとどまった。みずほFGの塚本隆史社長は経営再建中の日本航空(JAL)向け債権について「(独自の)引き当てルールに従って、適切に対応している」と語った。




 3メガバンクのうち、三井住友FGとみずほFGの決算が発表され、みずほは7%の減益を発表。
 一方、三井住友FGは、株式・債権関連の利益を計上し、倒産による不良債権処理損失も減少するといった特殊要因もあり48%の増益となったものの、本業のもうけを示す単体の業務純益ベースでは0.2%減となったようです。

 そして、三菱UFJは衝撃の大規模増資を13日の東京株式市場終了後に発表。
 まあ、上場企業の大規模増資が相次いで発表され、邦銀勢も6月に三井住友FGが約9000億円、みずほFGが7月に約5500億円の増資を実施して、野村ホールディングスも3月に2900億円&10月に4200億円の公募増資を行っていたことを考慮すれば、三菱UFJだけが例外にはならないだろうな…とは思っていたものの、1兆円の増資と言えば、13日終値ベースでの時価総額(5兆9173億円)の約6分の1にあたる水準!!!
 これだけの規模の大規模増資を行うとなれば、当然ながら秘密裏に行内で調達額がまとめられていたのだとは思いますが、市場から見れば裏切られたという思いも強かったでしょうし、事実13日の米ADR市場では7.8%の大幅下落となってしまいました。
 13日の東京株式市場の終値は508円で、ADRの終値は465円相当ですから、週明けの日本株式市場では、当の三菱UFJが大幅下落することはまず避けられないと思いますが、先週末13日の東京市場では、欧州の年金勢が、銀行株全体に値ごろ感から買いを入れていただけに、その反動も大きそう。金融株全般への増資懸念が再び高まって、相場全体が大荒れになりそうな嫌な予感がしてなりませんね…。


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