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代理出産の子、日本への出国禁止求め提訴 インドNGO

2008-08-16 13:41:36 | Weblog
代理出産の子、日本への出国禁止求め提訴 インドNGO 2008年8月13日 朝日
http://www.asahi.com/health/news/TKY200808130351.html
 日本人男性の依頼でインド人女性が代理出産した女児を日本へ連れて帰れない問題で、インド西部ラジャスタン州の非政府組織(NGO)が、インド政府や州政府を相手取り、日本への出国を禁じるよう求める訴訟をラジャスタン高裁に起こした。
 同州で孤児の福祉などに取り組むNGO「サトヤ」が11日に提訴した。女児の日本への出国を禁じ、保護のため同NGOに引き渡すよう求めている。高裁は12日、インド政府と州政府に4週間以内に女児を出廷させ、この問題への対応を説明するよう命じた。
 訴状などによると、NGOは、インドには代理出産と生まれた子供の親権に関する法律がないと指摘。その上で、男性が女児に付き添っておらず、卵子提供者も親権を放棄しており、「日本で子供が虐待される可能性が否定できない」と主張している。今回の代理出産自体も「商業目的の違法な取引」と批判した。

「赤ちゃんを日本へ」渡航証明申請 インドで代理出産 2008年8月15日 産経
http://sankei.jp.msn.com/world/asia/080815/asi0808150013000-n1.htm
 日本人がインド人女性に代理出産を依頼して誕生した赤ちゃんがインドを出国できないでいる問題で、赤ちゃんの帰国手続きを進めているインド人の弁護士は14日、インド最高裁に対し、帰国に必要なトラベル・ドキュメント(渡航証明書)の発行を求める申し立てを行ったことを明らかにした。
 赤ちゃんの出生証明書には母親名が記されていないことから、インド国籍とインド旅券を取得することができない。そのため無国籍のまま日本への渡航を可能にするには渡航証明書が必要とされる。
 一方、インドの非政府組織(NGO)が代理出産に関する法律がインドにないことを理由に、この赤ちゃんの国外連れ出しを禁じるよう提訴しており、渡航証明書が発行されたとしても、赤ちゃんは裁判が決着するまではインドに留め置かれる可能性が高い。

インド代理出産「子供の福祉優先」 日本学術会議会長 2008年8月16日 朝日夕刊
http://www.asahi.com/national/update/0816/TKY200808160034.html
 日本人男性の依頼でインド人女性が代理出産した女児が出国できない問題を受け、日本学術会議の金沢一郎会長は15日、「最優先されるべきは子供たちの福祉」だとする談話を発表した。「懸念されるのは、報道された子供だけでなく、報道されていない事例で生まれてくる子供たちのこと」と指摘し、こうした代理出産が水面下で広まっている実態に懸念を表明した。
 同会議は4月、代理母や生まれてくる子供の権利や福祉を最大限考慮する立場から、代理出産を法律で禁じるべきだとの報告を発表している。金沢会長は談話で「(原則禁止とした報告を参考に)国民の間で幅広く議論が行われ」「法制面での整備を含め、国を挙げて問題解決に向けて動き出すことを期待する」などと述べた。



 離婚した夫婦の夫の方が、インドで代理出産にこぎつけたものの、離婚の事実が発覚して赤ちゃんをインドから出国させられない問題ですが、赤ちゃんの帰国手続きを進めているインド人の弁護士がインド最高裁に対し、帰国に必要な渡航証明書の発行を求める申し立てを行う一方で、インドのNGOが日本への出国を禁じるように求めるなど、この問題は、ますますその対立が深刻化しているようです。

 このケースでは、1)代理出産の引き受け手となる夫婦が実は離婚寸前なのに、夫が妻を騙して代理出産を強引に進めたこと、2)代理母も元妻も赤ん坊の引き取りを拒否するなど、事前の面談調査が不十分だったこと、3)子供を産むことを誇りに思う代理母の人選をきっちり行うことが多く、法整備も整っている代理出産先進国のアメリカと異なり、インドでは金銭目的の代理出産が流行っていて、(今回はその可能性は低そうですが)今後ベビーM事件(http://www.arsvi.com/d/r0119856.htm)のような騒ぎが起こる可能性もあること。
 などの問題が指摘されると思うのですが、他にもインド側から見れば、もしこの出国を認めると、子供の人身売買を合法化することにもつながりかねないだけに、例え日本の父親にその意識がなくとも、NGO側としては意地でも譲れないところではないでしょうか…。

 私は、長年不妊で悩んできた夫婦や病気等の理由で妻が子供を産めなくなってしまった夫婦にとって、代理出産は自分達の血の繋がった子供を授かる最後の頼み的存在だと思いますし、赤の他人の養子よりも少しでも血のつながりの濃い子供を欲しがる傾向の強い日本では、一定条件の下で代理出産は許されるべきだと思いますが、ただ今回の件に関しては、夫婦の間でも意見の一致も見出せないのに、強引に代理出産を進めた夫の側に明らかに問題がありますし、『自分の血が繋がる子が欲しかった』という、まるで子供を自分の所有物としか捉えていない(子供はモノじゃありません!!! 独立した人格を持つ存在です!!!)ような発言にはどうしても反発を感じずにはいられませんでした。
 夫はドクターだと聞いていますし、仮に赤ん坊を引き取ったところで、いずれは子育ての負担に耐え切れず、再婚を考える可能性が高そうです(祖父母が面倒を看るといっても限度というものがあるでしょう)が、再婚する女性の側から見れば、本来ならば背負わなくてもよい赤の他人の子育て負担を強いられることにもなり、仮にその再婚する女性が夫との実の子を産むことになれば、母親にとっては自分の血の繋がらない子と血の繋がる子が同居する可能性だってあるわけですが、果たしてこの夫殿は、そこまで考えているんでしょうかねぇ…(溜息
 100歩譲ってこのドクター一家が経済的に非常に裕福で、ベビーシッターを雇うことで嫁としての役割を背負わされる方がいないとしても、この赤ん坊当人は家制度にしっかり組み込まれそうな雰囲気ですし、この赤ちゃんの将来を考えると、この強引な言動が何かと目立つ父親に引き取らせることが、本当にこの赤ちゃんにとって幸せなのかな…とどうしても考えさせられてしまいますね…。


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