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「ヘビ怖がるのは本能」京大発表、3歳児も反応

2010-11-29 05:37:27 | Weblog
「ヘビ怖がるのは本能」京大発表、3歳児も反応 2010年11月27日 読売夕刊
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/n_research__20101127_2/story/20101127_yol_oyt1t00276/
 「人がヘビを怖がるのは本能」とする研究結果を京都大学の正高信男教授らが発表した。
 ヘビによる恐怖体験がない3歳児でも、大人と同じようにヘビに敏感に反応し攻撃姿勢を見分けられることを示した。
 研究チームは3歳児20人を対象に、「8枚の花と1枚のヘビ」の写真からヘビを選ぶ場合と、「8枚のヘビと1枚の花」の写真から花を選ぶ場合で、反応する速さを比較した。ヘビを選ぶ時間は花を選ぶののほぼ半分の2・5~3秒だった。ヘビの中でも、とぐろを巻いて攻撃姿勢を取る写真への反応時間が短かった。
 4歳児34人、大人20人の実験でも同じ傾向が示され年齢による変化はなかった。ムカデやゴムホースの写真を使った場合、花との違いがなく、細長いものや気持ち悪いものに反応しているわけではないという。
 世界中でヘビを恐れない文化はなく、本能なのか学習なのかの論争が19世紀から続いてきた。正高教授は「経験で恐怖感が身につくのなら年齢によって反応が変わるはず。今回の結果はヘビへの恐怖が本能であることを示す」と話している。




 う~ん。いくら実物ではなく写真とはいえ、『こんなことを証明したからといって一体何のメリットがあるんだ???』というのが正直な印象ですし、第一3歳児や4歳児を怖がらせるなんて、私にはむしろ実験した側の良識を疑うのですが、なんで研究者という生き物はこんな残酷な実験が平気で出来るんですかねぇ…(呆れ
 100歩譲って実験を行う必要性がどうしてもあったとしても、幼児の場合一生のトラウマになりかねないだけに、個人的には実験対象から外して欲しかったと思いますし、せめて自ら志願した大人に実験対象を渋り、実験後はトラウマが残らないにように十分な心のケアを行うなど、人権上の配慮も必要だったのではないかという気がしてなりません。

「殺される前に殺せ」、児童に点字翻訳させる

2010-11-29 05:31:04 | Weblog
「殺される前に殺せ」、児童に点字翻訳させる 2010年11月27日
読売夕刊 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20101127-OYT1T00386.htm
産経夕刊 http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/101127/crm1011271403012-n1.htm
 甲府市の市立小学校の40歳代の男性教諭が今年9月上旬、4年生の国語の授業で、「殺される前に殺せ」などの文章を児童に点字翻訳させていたことが分かった。
 市教委によると、教諭は点字の使い方を教えるため、点字をスパイが使う暗号に見立て、「殺される前に殺せ」「命を狙われている」などと書いたプリントを作成。仲間のスパイに暗号文で連絡するという設定で、児童30人に翻訳させた。
 10月下旬に保護者から、点字を使っている人に失礼だとの趣旨の指摘が学校にあり、発覚した。教諭は校長とともに児童30人の自宅を訪れ謝罪した。教諭は市教委に「興味を引くためだった」と説明したという。
 市教委は「教材としては不適切だった」とし、市内の小学校長を集めた会合で注意を促したという。
 山梨県内では、韮崎市の市立小学校の男性教諭が9月に道徳の授業中に身代金を要求する「脅迫文」を児童に作らせていたことが発覚している。




 以前も、高校の中間試験で「頭の柔軟さを知るため」と称して「校長を殺害した教諭」を実名の選択肢で答えさせる問題を出した20代の男性教師や、「3人姉妹の長女が自殺し、次女はその葬式に来た男性を好きになった。再会するにはどうすれば?」→「妹(三女)を殺せば葬式で会える」などというクイズを授業中に出した小3担任の23歳の女教師が世間を騒がせた事件のことを当ブログでも紹介(http://blog.goo.ne.jp/ibarakiisuzu/e/d9646fe7324512d582d5f15f269f5413)しましたが、どうして最近の教師は性懲りもなく(しかも今回は40代のベテラン教師です!!!)こんな子供の心に傷を負わせるようなとんでもない課題を出しますかねぇ…(呆れ
 まあ、最近の学校では生徒が教師を尊敬するという、私達が子供の頃には当然のように行われていた常識が通用しなくなり、むしろ教師の側が生徒に嫌われまいと必死にウケを狙う傾向さえあるのだろうな…とは思いますが、だからといって いい大人なんだから やっていいこととそうでないことくらいの常識くらいは持って欲しいものだと思いますし、以前も書きましたが、モンスターペアレント対策を議論する以前に、教える側の教師の質を高めるといったもっと大切なことが忘れ去られているような気がしてなりません。

中国、6か国提案で反転攻勢…北の孤立回避狙う

2010-11-29 05:23:23 | Weblog
6か国協議首席代表の緊急会合、中国が開催提案 2010年11月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20101128-OYT1T00465.htm
 中国の武大偉(ぶだいい)・朝鮮半島事務特別代表は28日、緊急記者会見を開き、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の首席代表による緊急会合を、北京で12月上旬に開催することを提案すると発表した。
 中国は、議長国を務める6か国協議の枠組みを利用した対話を通じて、北朝鮮による韓国・延坪島砲撃をきっかけに一段と緊迫する朝鮮半島情勢の打開を目指す方針だ。
 武代表は、朝鮮半島情勢の「一連の複雑な要因」の解決に向けて、6か国協議の首席代表による「意見交換の必要がある」と訴えた。一連の複雑な要因とは、今年3月の北朝鮮の攻撃による韓国哨戒艦沈没事件や今回の砲撃、北朝鮮が最近公表したウラン濃縮施設の問題などを指しているのは明らかだ。

中国、6か国提案で反転攻勢…北の孤立回避狙う 2010年11月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20101129-OYT1T00059.htm
 北朝鮮による韓国砲撃事件、米韓合同軍事演習を受けて、中国の胡錦濤政権が朝鮮半島の緊張緩和に向け、胡錦濤国家主席に近い外交担当の実力者、戴秉国(たいへいこく)・国務委員(副首相級)の韓国派遣に続いて、28日には、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の首席代表による緊急会合を提案するなど、外交攻勢を本格化させている。
 北朝鮮に影響力をもつ中国に対して、米国が北朝鮮への働きかけを強めるよう求めるなか、来年1月の胡主席の訪米を前に、中国も一定の外交努力をアピールする必要性に迫られているからだ。提案通り砲撃事件をきっかけに首席代表による緊急会合を開ければ、日米韓が反対している6か国協議の再開の流れにも弾みをつけられるとの計算もある。
 砲撃事件発生以降、日米韓が北朝鮮への圧力強化を訴え、北朝鮮を刺激したくない中国は守勢に回っていた。そこで、いったん、26日に予定されていた楊潔チ(ようけつち)外相訪韓を延期した上で、逆に27日には戴氏を特使として派遣、6か国協議の首席代表による緊急会合提案という反転攻勢に出た形だ。(「チ」は竹かんむりに「褫」のつくり)
 中国側は、事件をめぐる議論を6か国協議の枠内に持ち込むことで、北朝鮮が一方的に孤立するのを避けられる上、日米韓に対しては外交努力を強調することもできると判断している。




 ふむ。昨日の17時から中国が重大な発表を行うということで、緊迫する朝鮮半島問題での中国の言動が注目されていましたが、中国も中々手ごわいというか、日米韓が期待するような北朝鮮への批判は行ってくれないですねぇ…。
 まあ、中国から見れば、北朝鮮政権が崩壊して韓国が朝鮮半島を統一することになると、国防ラインを大幅に強化せざるを得なくなるだけに、本音レベルでは朝鮮半島の統一は望んでいないでしょうし、そういう意味では今回の反応も予想の範囲内と言えばそれまでですが、中国が強く出ない限りは(中国の後ろ盾がなくなると困る)北朝鮮も強硬姿勢を崩さないでしょうし、今後も北朝鮮問の長期化は避けられなくなる嫌な予感がしてなりません。

金沢市長選、山野氏が初当選…現職の6選阻む

2010-11-29 05:14:46 | Weblog
金沢市長選、山野氏が初当選…現職の6選阻む 2010年11月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20101128-OYT1T00731.htm
 金沢市長選は28日、投開票が行われ、新人で前市議の山野之義氏(48)(無)が、6選を目指した現職・山出保氏(79)(無=国民新推薦)ら4氏を破り、初当選した。
 投票率は35・93%(前回27・39%)だった。
 山出氏は、民主、自民、公明、社民党の地方組織による推薦・支持を受けて選挙戦に臨んだが、市議会で多選自粛条例制定に動いた市議らに推された山野氏が、多選阻止と世代交代を掲げて猛追。自民党金沢支部が山出氏と共に山野氏も推薦する中、首長多選に批判的な松沢成文・神奈川県知事、中田宏・前横浜市長(日本創新党)らが応援に加わり、県都の市長では単独で最多となる山出氏の6選を阻んだ。
 このほか、立候補していたのは、共産党地区委員長・黒崎清則氏(62)(無)、元電機会社社員・米村照夫氏(71)(無)、元魚販売業・沖野正憲氏(63)。
★石川県金沢市 市長選挙結果
当 58204 山野之義 無新
  56840 山出保 無現
  7370 黒崎清則 無新
  2244 米村照夫 無新
  2170 沖野正憲 無新




 石川県金沢市は、県のほぼ中央に位置する人口約45.8万人の県庁所在地で、市長選は民主・社民・国民新党が推薦し公明と自民金沢支部が支持に回った現職で6選を目指す79歳の山出保氏に対して、自民金沢支部が推薦に回った48歳の山野之義氏、共産が推薦する62歳の黒崎清則氏、71歳の米村照夫氏、63歳の沖野正憲氏の4新人が挑戦しましたが、
 「79歳になる現職のもとで現状のままを選ぶのか。私は市民と共に新しい金沢づくりに挑戦したい」などと多選を批判すると共に、行政に民間企業からの人材登用が必要だと主張。市民から直接行政へ意見を吸い上げる「市民ブレイン制度」の導入を訴えた山野之義氏が58204票を獲得し、
 「行政、経済、政治が難しい時期だけに確かな市政運営が必要だ。市民の暮らしのために地道に頑張りたい。初心に帰り、情熱を傾けてこの体を街のために燃やし尽くしたい」などと訴え谷本正憲知事も支持に回って56840票を獲得した山出保氏 を僅差で引けて、現職を破って初当選を決めました。
 「大型開発に熱中してきた20年で、暮らしや福祉は後回しにされた」と山出市政を批判すると共に「開発会社化した市政を、地場産業や暮らしを守る市政に転換したい」具体的には、待機者の多い特別養護老人ホームの充実、子どもの医療費負担の抑制。第2子からの保育費無料化▽市長の退職金の廃止を訴えた黒崎清則氏は7370票、
 経済、観光産業の発展には「国際交流が不可欠」と指摘したうえで、「韓国、台湾、中国との文化交流、ヨーロッパのいくつかの都市との姉妹提携をすぐに実現したい。若者が世界に飛躍できるため先頭に立つ。市長のやり方、アイデア次第で金沢は日本一の街にできる」と訴えた。市の財政については、「たくさんの借金で大変なことになっているが、行財政改革を市民の皆さんとやっていきたい」と「世界に開かれた都市を目指そう」と訴えた米村照夫氏は2244票、
 「全国で多くの野良犬、野良猫が処分されおり、金沢市も例外ではない。命を大切にすることが生物多様性保全にもつながり、経済活性化もそういう視点から考えたい」と述べ、動物愛護を中心に自然、環境、命を大切にする政策の実現を訴えると共に、「議会の週末や夜間開催などの議会改革」「市長報酬の全額返上」「環境保護政策に力を入れる」などの施策も掲げた沖野正憲氏は2170票
 と完全に山野&山出両氏の激しい戦いに埋没する形で伸び悩みました。

 ちなみにこの選挙 自民党は若手の48歳の山野之義氏を支持する方と現職の山出保氏を支持する方に2分されるなど、自民支持層の強い県でその自民支持層が2分される注目の選挙となりましたが、結果は山野之義氏が僅差で接戦を制する形に…。
 私も一概に多選が良くないとまでは思いませんが、現職は既に79歳と45万人の県都を支えるにはいささか高齢過ぎたという指摘もあったでしょうし、争点が見えにくい中、市民は現状打破を少しでも期待できる若手に市制を託したといったところなのかな…とも思うのですが、現職を破って新市長に就任する山野之義氏がどのような舵取りを行うのか注目を集めそうです。

宜野湾市長選、共・社推薦の安里氏が初当選

2010-11-29 05:08:51 | Weblog
宜野湾市長選、共・社推薦の安里氏が初当選 2010年11月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20101128-OYT1T00670.htm
 米軍普天間飛行場がある沖縄県宜野湾市の市長選は28日投開票され、新人の前副市長・安里(あさと)猛氏(58)(無所属=共産・社民推薦)が、新人の前衆院議員・安次富(あしとみ)修氏(54)(無所属=自民・公明推薦)を破り初当選した。
 投票率は67・13%(前回60・39%)だった。
 知事選に立候補した伊波洋一氏の辞職に伴う選挙で、両陣営が知事選と連動させた選挙戦を展開。革新候補として後継指名された安里氏は、伊波氏と同様に名護市辺野古への移設に反対し、グアム移転を主張していた。

★沖縄県 宜野湾市 市長選挙結果
当 23598 安里(あさと)猛 無新
  21742 安次(あしとみ)富修 無新


 沖縄県宜野湾市は、沖縄本島中南部に位置する人口9.2万人ほどの市で、伊波洋一前市長が知事選出馬に伴い辞職したことから、市長選は前副市長で共産・社民・沖縄社会大衆が推薦する安里猛氏と元衆院議員の安次富修氏による争いとなりましたが、
 「一貫して沖縄に新基地はいらないと訴えてきた伊波氏の勝利を勝ち取りながら、市政の継承、発展のため私に力を貸してほしい」と訴えると共に、普天間問題では「グアム移転を進めるべきだ」として、伊波洋一前市長同様に名護市辺野古への移設計画への反対を強く主張した安里猛氏が23598票を獲得し、
 「現実を無視し、理想だけを訴えても解決しない。フェンスを取っ払い豊かな宜野湾市を作ろう」と、7年間宜野湾市長を務めた伊波氏を批判すると共に「市政の流れを変え、活力ある宜野湾市をつくる」と仲井眞弘多沖縄県知事も支援に回り21742票を獲得した安次富修氏 を僅差で振り切って初当選を決めました。

 う~ん。県知事選は仲井真弘多氏が逃げ切ったものの、宜野湾市では米軍基地の県外移設を主張し、伊波洋一前市長の意思を継ぐ安里猛氏が当選。
 地上戦に巻き込まれた沖縄だからこそ、基地問題にはどうしても神経質にならざるを得ないという一面もあるのだろうとは思いますが、前市長の意思を引き継ぐ安里猛氏はどのような市制運営を行ってくれるのでしょうか…。
 基地問題も大切な問題ですが、課題は基地問題だけでなく経済問題など様々な課題があるだけに、新市長に就任する安里猛氏の舵取りが注目されそうです。

沖縄知事に仲井真氏が再選…「県内移設はない」 

2010-11-29 05:02:05 | Weblog
沖縄知事に仲井真氏が再選…「県内移設はない」 2010年11月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/20101128-OYT1T00632.htm
 米軍普天間飛行場移設問題の行方に大きな影響を与える沖縄県知事選は28日投開票が行われ、現職の仲井真弘多(ひろかず)氏(71)(無=公明・みんな推薦)が、新人で前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)(無=共産・社民・国民・新党日本推薦)らを破って再選を果たした。
 政府は5月の日米共同声明に盛り込んだ、同県名護市辺野古への移設実現に向け、沖縄県側と協議したい考えだ。しかし、仲井真氏は県内移設に慎重な姿勢を崩しておらず、普天間問題の早期の進展は困難な情勢だ。
 仲井真氏は選挙戦で「辺野古への移設は不可能。政府の話は聞くが、安全保障問題は日本全体で考えるべきで、普天間の移設は県外でお願いしたい」と訴えた。当選後、那覇市内で記者団に「日米共同声明は極めて遺憾。県内(移設)は難しい。事実上ない」と述べた。
★沖縄県知事選挙結果
当 335708 仲井真弘多 <2>無現=[公][み]
  297082 伊波洋一 無新=[共][社][国]
   13116 金城竜郎 諸新

仲井真知事再選、米は日米合意前進を一層要求へ 2010年11月29日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/news/world/20101129-OYT1T00058.htm?from
 28日の沖縄知事選で現職の仲井真弘多知事が勝利したことで、米政府は、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設という日米合意がまったく前進しない最悪の事態は回避できたとして、来春までに政治的に解決させるよう日本政府への要求を強めるものとみられる。
 米政府筋は仲井真氏の当選によって、「日本政府が本気になれば、沖縄県側の拒否感を和らげながら、日米合意を進めることが可能になったのではないか」との期待感を示した。
 日米両政府は今月13日の横浜での日米首脳会談で、来春に菅首相が訪米し、日米で新たな共同文書をまとめる方針で一致した。普天間移設を共同声明でどう扱うかについて、両政府間の合意はないものの、オバマ大統領が首脳会談の中で5月の日米合意実施の重要性について改めて言及し、「来春までに日米合意が実現できる見通しを付ける」(米政府筋)ように暗に求めたという。

試される「県外移設」 主張一転の仲井真氏 2010年11月29日 朝日
http://www.asahi.com/politics/update/1129/SEB201011280071.html
 米軍普天間飛行場の移設問題が焦点になった沖縄県知事選。県内移設容認から選挙前に「県外移設」に転じた現職の仲井真弘多氏(71)が、「国外移設」を主張した前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)を退けた。ともに「県外」を唱えて主張の違いが見えにくくなる中、仲井真氏は経済振興の訴えに力を割いて支持を集めた。「最低でも県外」と語りながら基地問題で迷走した民主党政権への不信もあって、県民は現実路線の知事を再び選んだ。
 28日午後10時過ぎ、仲井真氏が那覇市中心部の事務所に現れた直後にテレビが当選確実を速報した。室内を埋め尽くした200人を超える支持者が一斉に立ち上がり、「仲井真」コールが響き渡った。
 「日本全体で考えてほしい」。報道陣のインタビューに応じた仲井真氏は、普天間飛行場の移設問題に触れ、「日本全体で」という言葉を3度繰り返した。
 普天間飛行場の県内移設を容認してきた仲井真氏が「県外移設」を掲げて選挙戦に臨む決意を固めたのは9月半ば。「百八十度、自分の考えを変えるような、みっともないことはしたくない」。直前までそう漏らしていたが、選挙戦に入ってからは、「北海道から鹿児島までのヤマトで探してもらいたい」と繰り返した。県内移設反対を訴えていた伊波氏の主張の独自色を抑えることに成功した。
 基地問題で主張の違いが薄れる中、「経済の仲井真」を強調する姿勢が県民から一定の評価を得たことになる。仲井真氏も2期目の抱負について、「今の戦後処理みたいなものからある程度解放され、自らの足で立つ活力のある県にしたい」と語った。
 この1年、苦悩の日々だった。沖縄の発展のためには政府との決定的な対立は避けて、辺野古移設を進めるしかない――。普天間問題が浮上してからの一貫した持論だ。
 選挙戦では、これまでやり玉にあげてきた普天間を巡る民主党政権への批判も抑え、沖縄振興で「政府と話を始めている」と何度も強調した。
 「県民の心を一つにして、県外移設を実現していきたい」。有権者に伝えた言葉がこれから試される。

■伊波氏「手応えあったが浸透できず」
 「県内移設反対を訴えた。県民の思いはそうだった。手応えもあったが、浸透できなかった」。伊波氏は那覇市内の事務所で28日午後10時過ぎ、敗戦の弁を述べた。「仲井真氏も県外移設と言ってきた。ぜひ、実現して欲しい」
 基地問題を語り始めると止まらない。演説の冒頭はいつも普天間だった。相手陣営から「訴えは基地ばかり」と批判されても「基地のない沖縄」にこだわり続けた。
 28日夜、投票率の低さを問われた伊波氏は「この知事選で民主党が明確な指針を示さなかったし、普天間問題での政府の対応をみて、『選挙に行っても何も変わらないのでは』という思いが県民に広がったと思う」。伊波氏を支援した名護市の稲嶺進市長は「負けはしたが、仲井真知事から『県外移設』や『日米合意の見直し』という言葉を引き出させた。条件付き容認という知事の立場を変えさせるまで追い込んだということが選挙戦の成果だ」と話した。




 米軍基地移設問題をめぐって、今後の行方を見る上でも注目を集めていた沖縄県知事選は、現職で自民・公明・みんなの党が推薦に回った仲井真弘多氏に対して、社民・共産・社大・国民新党が推薦し、そうぞうが支持に回った前宜野湾市長の伊波洋一氏と幸福実現党が推薦する金城竜郎氏の3人による争いとなりましたが、仲井真氏も伊波氏も共に「県外」移設を唱えて主張の違いが見えにくくなる中
 当初普天間飛行場の県内移設を容認してきたものの「県外移設」を掲げて移設先について「日本全体で考えてほしい」と繰り返し主張した仲井真弘多氏が、「経済の仲井真」を強調する姿勢と実績を強調したこともあり335708票を獲得し、
 一環して米軍基地の県内移設反対を訴え297082票を獲得した伊波洋一氏に3万8000票以上の差をつけて再選を決めました。
 幸福実現党が推薦する金城竜郎氏は13116票と2人の戦いに完全に埋もれる形で伸び悩みました。

 鳩山前首相の「最低でも県外」発言の影響で民主党が独自候補の擁立を断念せざるを得ない中、普天間基地の移設問題についても、断固県外移設を主張した伊波洋一氏ではなく、現職の仲井真弘多氏が当選を決めたことで、基地移設問題も多少は交渉の余地もあるのかな…とも思うのですが、双方とも基地負担軽減を主張する中、どちらが当選しても与党の民主党にとってはいばらの道を辿ることになりそうですが、今後民主党は仲井真弘多氏と、どうこの基地移設問題を話し合っていくのでしょうか…。
 尖閣諸島問題や朝鮮半島の不安定な状況を考慮すると、現実問題として今後日本の国益を守るためにも、米軍基地そのものの短期的な縮小はありえないだけに、与党は今後この問題について、どう沖縄と粘り強く話し合いの場を設けていくのか、非常に難しい舵取りを迫られそうな気がします。