石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

川崎火力発電所で1500℃級MACCを視察しました

2011-06-06 23:56:57 | 活動レポート
今日の午後、民主党の同僚議員たち5人と一緒に、東京電力・川崎火力発電所を視察に行ってきました。

お目当てはただ一つ。新世代の火力発電である「コンバインドサイクル発電方式(MACC=More Advanced Combined Cycle)」を視察して、今後のエネルギー政策論議に役立てることです。

従来の火力発電所は、「汽力発電方式」と言って、ボイラで燃料を燃焼して蒸気を作り、この蒸気の力でタービンを回して発電するという方式をとっています。また、「ガスタービン発電方式」は、圧縮した空気中で燃料を燃焼して、その時に発生する燃焼ガスの力でタービンを回し、発電する方式です。「コンバインドサイクル発電方式」というのは、この二つを合体させたハイブリッドの発電方式。ガスタービンを回した後の排ガスの熱で蒸気を作り、その蒸気で蒸気タービンを回して発電します。

ポイントは、熱効率の高さ。通常の「汽力発電方式」では、熱効率はおおむね46%程度。ところが現在稼働している川崎火力発電所のMACC(1500℃級)は、熱効率が59%。CO2の削減効果はなんと25%減にもなるそうです。熱効率が高いので、当然、原料の節約にもつながるわけですね。


(同僚の安井美沙子参議院議員と、排熱回収ボイラの上で)


さらに、現在計画されている次世代のMACC2(1600℃級)では、熱効率がさらに高まって61%になるとか。今のところ、最初のMACC2は平成28年度(2016年)に稼働開始する予定ですが、所長さんのお話では、現在の状況に鑑みて、「計画を早める議論が始まってもおかしくない」とのことでした。

また、建設コストも、原子力発電所の数分の1程度だとか。いや、実際の数字は明らかにしてくれなかったのですが、原子力発電所より建設コストが大幅に安いことは確か。ちまたでよく引用される電源別の発電コストで言うと、平成16年に発表されている試算で、原子力発電は5.3円/kWh。川崎のようなLNG火力発電は6.2円/kWh。ただこれは汽力発電時代の数字なので、現在のMACC(1500℃級)では「更に安くなっている」とのこと。当然、MACC2(1600℃級)ではもっと安くなるわけですね。

CO2排出量は、太陽光や風力などの自然エネルギー発電に比べれば10倍~16倍ぐらいになりますが、従来の石炭火力・石油火力発電に比べれば半分から4分の3です。その上で、建設コストは安い、発電コストも安い、人手も原子力ほどいらない、何より被ばくの心配はないし放射性廃棄物も出ないということになれば、あとは原料のLNG(天然ガス)の安定確保さえ出来れば十分に短期~中期のエネルギー供給を担うことが出来ると思われます。

実際、川崎火力発電所を訪問して、そのシンプルさ、キレイさに驚かされました。従来の火力発電所のイメージとは大違い。これは燃料の貯蔵・供給が近隣の別の施設から行われているからとのことでしたが、これだけシンプルかつキレイな火力発電所が出来るのであれば、十分に拡大可能という印象でした。今後の議論にぜひ役立てていきたいと思います。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。