石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

今日の参議院ODA特別委員会より

2011-11-28 23:00:59 | 活動レポート

今日の午後、今臨時国会で初めて、参議院の「政府開発援助等に関する特別委員会(ODA特委)が開催されました。

議題は「ODAの現状と今後のあり方について」で、今日は参考人質疑。始めに参考人のお二方に意見陳述をいただき、それに対して各党から質疑を行うという形で進行しました。

今日お出でいただいた参考人の方は、次のお二人です:

  • 下村恭民 参考人(法政大学名誉教授)
  • 坂元浩一 参考人(東洋大学国際地域学部教授)

お二方とも、ODAのあり方についてこれまで数々の提言をされておられます。今日は短時間ではありましたが、提出いただいた資料も含めて、とても参考になる意見や問題提起をいただきました。

さまざまな論点がありましたが、その中で私が特にポイントだと思ったのは、以下の四点です:

1.ODAと国益との関係は悩ましい:

ODAの総額が大きく減少(ピーク時から半減してます)して、危険水域ギリギリまで来ている状況(国民一人あたりのODA額はOECD諸国の中で最下位グループ)の中で、ODA総額を維持・増強するためには、ODAの意義と必要性に対する国民の理解と協力を得る必要があります。ではそのために、国益とのリンクを強調し、強化していくべきか否かについては、お二人の意見は異なっていたように受け止めました。この点は、民主党内にも両論あり、今後さらに議論を深めていかなければならない点です。

2.メディアが社会的責任を果たすべき:

ODAは、国内では「本当に役に立っているのか?」という疑問の目を向けられていますが、被支援国では「大変感謝されて」います。アフリカを中心に中国ODAマネーの台頭が著しく、条件を付けない多額のODAを投下しながら一方で自国の利権をあからさまに獲得しようとする中国に対し、日本の「自立支援型ODA」が高く評価されている、ということですね。しかし、日本ではそういう事実をメディアがきちんと伝えてくれません。まさに、国益につながる話を、メディアには社会的責任としてきちんと伝えて欲しいわけです。

3.誰のためのODAか?:

これは、実はお二人方明確な答えはなかったのですが、ODA評価の大切な指標の一つである「実効性・有効性」をチェックする際、一体「誰の評価を尊重すべきか?」という問題があります。国家元首の評価か、議会か、政府高官(官僚)か、現地企業か、地方の権力者か、はたまた国民か?私は当然、評価者は国民であるべきで、受益者であるべき現地住民に日本のODAの効果を確認しなければ、本当の評価は出来ないと思うわけです。しかも、日本政府が直接それをやるのは難しく、適切でもないので、ここで民間セクターとの連携が重要になるわけですね。要は、住民のエンパワーメントにつながるODAでなければ意味がないのではないか、ということです。この点は、上記の国益の増進との関係が課題になりますね。

4.二国間ODAと多国間ODAとの連携が必要:

これは特に坂元参考人が取り上げていた課題ですが、日本は伝統的に二国間のODAと多国間のODAとの連携をほとんど取っていません(と思われているだけ?)。多国間のODAというと、代表的なものを国連やその専門機関を通じた開発協力です。例えば、国連では4~5年前から「ONE UN(一つの国連)」という取り組みを進めていて、一つの国に対する開発協力を全ての国連機関が協力して共同で企画・遂行していく流れに移行しています。その開発プログラムには全てのドナーや二国間ODAが連携することが望ましいわけで、そうすると日本のODAのあり方も大きく変容する可能性があるわけです。この点は、坂元参考人からも言及がなかったので、今後、検討課題として取り上げていきたいと思います。

 

ということで、参考人のお二人の意見陳述や、その後の質疑を聞きながらさまざまな論点や課題を整理することが出来ました。これをベースに今後の委員会論議に臨んでいきたいと思います!


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