ゆめ未来     

遊びをせんとや生れけむ....
好きなことを、心から楽しもうよ。
しなやかに、のびやかに毎日を過ごそう。

「晩夏の墜落」 アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞

2017年10月23日 | もう一冊読んでみた
晩夏の墜落/ノア・ホーリー  2017.10.23

  悲劇は追体験するのがつらすぎるドラマだ。

  人生は決断と対応の連続だ。
  自分がすることと、まわりのことが自分に対してすることでできている。
  そしてかならず終わるのだ。


挽歌の墜落』 を読みました。
アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。

おもしろい小説であり、楽しく読むことができました。
しかし、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞を受賞したことを考えると、彼らもおもしろいと感じたのでしょうが、ぼくとは感じる面白さの内容が、少し違う気がします。

億万長者、プライベートジェットの所有、屋敷の値段は宇宙ステーション並、移動には常にボデーガードが付き従う、そんなアメリカの超富裕層の日常を知ることができました。

そんな彼らにとって、お金とは。

 金で買えないものはどのみち欲しいものではない、という有名な諺がある。たわごとだ。現実には金で買えないものなどないのだから。ほんとうだ。愛も、幸せも、心の平和も、金を出せばみんな手に入る。事実、この世にはだれをもまったき存在にできる金がある。よちよち歩きの幼児でも知っていること----分け合うこと----を私たちができるようになれば。
ところが、金は地球の引力と同じく、自身をどんどん引っぱりながら一カ所に集まる力で、最終的にブラックホールをこしらえる。それをわたしたちは富と呼ぶ。これは単に人間が犯す過ちではない。


登場人物は、みな、興味ある人物像が語られます。

 「飲んだくれだったころのおれは、いわゆるお喋り野郎でね、つぎからつぎへと言葉が口をついて出たものさ。たいていは、そういうことを人は聞きたいんだろうと思っていた。いや、ちょっとちがうな、人を刺激すると思っていたんだ。正直なところ」
「なにを飲んでいたの?」
「ウィスキー」
「男っぽいのね」


 最近のサラは、整理されていない人生の時間のなか自問していた。今のわたしはただ金を動かすためだけに生きつづけているのだろうか?

 億万長者の別邸に同行することもあり得ない。たとえその場所がモナコのお城であっても。こちらは客室乗務員、サービスのプロであって、娼婦ではない。断固としてルールを、境界線を守らなければならない。金持ちの住む世界にはいったら最後、たやすく道を見失ってしまうから。

 ひとりの男とその男が放つ光のうしろに立ち、こだまのような、影のような人生を生きるとはどういうことかを考えた。自分が負った傷についてはこれからも説明するつもりはない。彼はグロッグ銃の引き金に指を掛けて眠っていた。世界とは不可能なものであることを、イスラエルという国家も不可能なものであることを、男たちは毎朝起きてブーツを履き、なんであれ不可能なことをするために出かけていくのだということを彼は知っていた。そんなことは人類の奢りだ。勝ち目はほとんどないにもかかわらず勇気を奮い起こすなどというのは。針に糸を通すのも、山に登るのも、嵐のなかで生き延びるのも。

人生も語られる。

 でも、彼は男で、共和党員。複雑な女性心理のなにがわかる。

 だれにでも出身地があり、だれにでも生い立ちがある。そんなわたしたちの人生は曲がりくねった線に沿って広がり、思いがけない形で衝突する。

 男はまた微笑んだ。
「事故に遭ったようなものかって? ちがうね。この世界は危険な場所なのさ。だけど、そんなことはあんただって承知のうえだろう?」
「この世界が危険な場所なのは承知のうえだろうと言ったんだ。原因があって結果がある。悪いときに悪いところに居合わせるともいう。人間の歴史のなかで善人が考えなしに悪さをした時代も指ぬきひとつぶんぐらいはあるかもしれんが」


この物語を読んでいると、隔靴掻痒に苛まれる気持ちが張り付いてくる時が、まま、ありました。
その内容、詳しく話したいのですが、それもまた、隔靴掻痒。
ネタバレになってしまう。それはだめ。
読んで下さいね、あなたも。そうすれば、あなたにも、ぼくのこの気持ち分かっていただけることでしょう。

  『 挽歌の墜落/ノア・ホーリー/川副智子訳/ハヤカワ・ミステリ 』

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焼きたてパンのテイクアウト専門店 Melon de melon

2017年10月22日 | しあわせかんじるあまいもの
メロンパン専門店 Melon de melon(メロンドゥメロン)  2017.10.22

うちの娘が、仕事帰りに長蛇の列を発見。 なんだ、なんだ!

2017年10月13日に、オープンした 『Melon de melon 名鉄岐阜駅前店』 に並ぶ人の列でした。

「うちのお母さんは、メロンパンが好きなだったなあ」と思い買って来た。
お父さんは、アップルパイだ。 優しい娘です。



写真、上から時計回りに「アップルパイ」「プレーンメロンパン」「紅茶メロンパン」です。

・アップルパイ

ヨーロッパ産発酵バター100%のパイ生地にアップルフィリングがたっぷり入った香り高いパイ菓子です。

・プレーンメロンパン

卵とホイップクリームのふんわりとした食感の生地に、フランス産発酵バターとアーモンドパウダーを使用した風味豊かな定番のメロンパンです。

・紅茶メロンパン

卵たっぷりのリッチでソフトな生地に、ダージリン茶葉入りのビスケット生地をかぶせたメロンパンです。

    Melon de melon 名鉄岐阜駅前店HP

 『 メロンパン専門店 Melon de melon(メロンドゥメロン)  』

       住所 岐阜市長住町2丁目15-4
       TEL ( 058 ) 267 - 5117


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続く、このふわふわ感は何だ

2017年10月22日 | 捕らぬ狸の経済


 10月20日
 日経平均 2万1457.64円(+9.12円)
 TOPIX 1730.64(+0.60)
 出来高 15億2222万株
 長期金利(新発10年国債) 0.075%(+0.010)
 1ドル=113.32円(0.65円安)


 10月16日  2万1255円  18億0125万株 2兆6482億円
 10月17日  2万1336円  15億9364万株 2兆5532億円
 10月18日  2万1363円  13億5776万株 2兆2840億円
 10月19日  2万1448円  15億2038万株 2兆4106億円
 10月20日  2万1457円  15億2222万株 2兆4705億円

朝日新聞 2017.10.20
■日経平均 13営業日連続上昇
  29年ぶり/歴代2位に並ぶ


19日の東京株式市場で、日経平均株価が2日から13営業日連続で値上がりし、連続記録としては約29年ぶりに歴代2位に並んだ。
世界的な景気拡大を追い風に、値上がり幅は10月だけで1000円を超えており、過熱への懸念も出ている。
終値は前日より85円47銭高い2万1448円52銭。
株価が依然、割安とみる海外投資家の「日本株買い」も活発だ。

一方、最近の株高は、日本銀行が金融緩和の一環でETF(上場投資信託)を買っていることや、年金資産を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)による株式保有といった下支えも色濃い。


朝日新聞 2017.10.21
■日経平均14連騰
  57年ぶり/歴代1位に並ぶ




20日の東京株式市場で、日経平均株価が14営業日連続(2~20日)で値上がりした。
これまでの連騰記録1位は、高度成長期の1960年12月21日~61年1月11日の14営業日連続で、約57年ぶりに歴代1位に並んだ。
終値は前日より9円12銭(0.04%)高い2万1457円64銭で、今年の年初来高値も更新した。

今回の上昇は、北朝鮮情勢の緊張が和らぎ、米国を中心とした堅調な世界経済を背景に、企業業績への期待感から買いが入ったのが背景だ。
22日投開票の衆院選で自民が勝利するとの観測が高まり、「アペノミクス」による日本銀行の金融緩和継続への期待も強まった。

ただ、14連騰でも、今回の上昇率は5.41%で、過去10回の10営業日連続上昇の平均(6.57%)を下回る。
過去の連騰記録の上位は高度成長期やバブル期で、日本経済の勢いも異なっている。
日銀による上場投資信託(ETF)買い入れによる株価押し上げ効果も大きい。


朝日新聞 2017.10.21
■来週の市場は/主要企業の決算発表に注目


来週の東京株式市場は主要企業の中間決算発表が本格化するのが注目される。
日経平均株価は20日まで14日続伸し半世紀ぶりの連続上昇となったが、2万1000円台を中心とした値動きが想定される。
21年ぶりの高値圏で推移しており相場過熱の警戒感が強まる可能性もある。


20日の日経平均株価は、約57年ぶりに連騰最長記録となる14連騰に並んだ。
株価は、前日比9円12銭高の2万1457円64銭と14日続伸した。
14連騰は、1960年12月21日~1961年1月11日以来、約57年ぶりだ。
喜んでいいのだろうが、ぼくには、「ふわふわとした感じがつきまとい、何故か居心地が余り良くない」。

今週の株式市場は、海外投資家が相場を牽引し、56年9ヵ月ぶりの歴代1位タイとなる14連騰を達成、21年ぶりの高値圏を走る。
日経平均株価は、前週比302円(1.43%)高の2万1457円と6週続伸し、21年ぶりの高値圏で取引を終えた。
9月第4週から買い越しに転じた海外投資家が前週までの3週間で1.3兆円強を買い越しており、上昇相場を牽引した格好だ。(株探ニュース)


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     朝日新聞 2017.10.18
     近大マグロ 海外へ
     豊田通商とアジア向け輸出

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豊田通商と近畿大学は、完全養殖のクロマグロ「近大マグロ」の輸出を始めると発表した。香港やシンガポールなどアジア向けが中心で、2020年には約2千匹(約100トン)をめざす。天然マグロの漁獲規制が進むなか、海外で高まるニーズに応える。

豊通のネットワークを使って売り込む。
ほかの魚の輸出も検討していく。
豊通と近大は10年にクロマグロの完全養殖で提携、15年から長崎県でクロマグロの卵から成魚まで一貫生産する態勢を整えた。
成魚までの生存率を高め、年間生産量をいまの1.5倍にあたる6千匹(約300トン)まで増やす。


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     朝日新聞 2017.10.20
     2017衆院選
     滑らか投票用紙/実はすごかった
     「折っても自然に開く」 開票作業貢献

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投票所で渡された投票用紙を触ってみると、手触りはしっとり、なめらか。
鉛筆のノリと滑りの良さがクセになって、記者はうっとり。
投票用紙ってどんな紙なのか。 (原知恵子)


    フィルムの一種

国内で普及している投票用紙は、一般的な紙ではなく、フィルムの一種だ。
ポリプロピレン樹脂を主な原料とする合成紙で、「ユポ紙」と呼ぱれている。
破れにくく水や折り曲げに強い性質から、地図や包装紙、商品ラベルなど幅広く使われている。

選挙関連用品などを手がける「ムサシ」(東京)と、合成紙メーカー「ユポ・コーポレーション」(東京)が共同開発し、1989年に発売された。
ムサシによると、まず、地方選挙で使われ始めた。
その後、国政選挙でも採用されるようになり、2012年の衆院選からは全都道府県でこの投票用紙になったという。

最大の特徴は、「折り畳んでも自然に開くこと」だ。
有権者は、候補者名などが見えないように用紙を折って投票することが多い。
開票では紙を開く作業が必要となるため、その手間を省こうというのが開発の目的だ。

ただ、そのままではツルツルのために鉛筆で文字が書けず、計数機を通すにも支障をきたした。
課題をクリアする表面の加工法を確立するのに約9年。
ユポ社は「投票用紙は他のユポ紙より鉛筆でより濃く書ける」と太鼓判を押す。


    1枚約3.95円

12年の衆院選でこの投票用紙を使い始めた沖縄県選管の場合、09年の衆院選の開票時間よりも30分短縮できたという。
1枚あたりのコストは約3.95円。
以前使っていた一般的な紙は約0.96円だったという。

投票用紙と同じ品質のユポ紙は一般には流通しておらず、選挙の時にしかお目にかかれない。
投票日の22日、独特の書き心地に注目してみてはいかがだろうか。


  今日は、衆院選投票日です。
  選挙に行きましょう。



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「シレトコ☆ハロウィン」 と 「ロイズ生チョコレート」

2017年10月21日 | しあわせかんじるあまいもの
     岐阜高島屋 開店40周年記念
     第18回 北海道の物産と観光/大北海道展/
     10月18日(水) → 24日(火) 10階 催会場

シレトコ☆ハロウィン  2017.10.21



シレトコドーナツがカラフルなハロウィン限定バージョンで登場!

うちの愛娘が、大北海道展で「シレトコファクトリー」さんの  『シレトコ☆ハロウィン』 を買ってきました。

これは、自分用とのことで、ぼくとKさんはおあずけ、ね。

ロイズ生チョコレート/ジャンドゥーヤ/  2017.10.21

その代わりぼくとKさんには、これ。

  ロイズ生チョコレート/ジャンドゥーヤ/


  ヘーゼルナッツとアーモンドのペーストを練りこんだ、
  ジャンドゥーヤの生チョコレートです。
  ナッツの香り高い風味と生クリームのまろやかさが
  溶け合い、口の中に豊に広がります。




いつも、ありがとう。 また、お願いね!


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1年ぶりに楽しんだ 「作 玄乃智」

2017年10月21日 | さらに酔うもう一杯の日本酒に
作ZAKU 玄乃智 三重県鈴鹿市 2017.10.21

日本酒が旨い季節になってきました。
皆さん、如何、お過ごしですか。

ぼくは、1年ぶりに 『作  玄乃智』(ざく げんのとも) を楽しんでいます。

     シンプルで、美しいデザイン


惚れ惚れしますねえ。

       純米 作  玄乃智

  原材料名:米(国産)・米こうじ(国産米)
  精米歩合:60%
  アルコール分:15度
  杜氏氏名:内山智広
  清水清三郎商店(三重県鈴鹿市若松東)



      裏ラベルも上品に美しく

         協会701号酵母
    さわやかな香り、切れのある酸味


含んだ瞬間、お米の香りと甘味が口いっぱいに広がります。
のど越しの余韻、芳醇。
この味わい、数多く楽しむには小ぶりのお猪口に限る。
印象に残る1本でした。



      協会7号(701号)酵母

現在使用されている協会酵母の60%は、この7号酵母だそうです。

こちらは「真澄酵母」とも言われているとおり、真澄の醸造元である長野の宮坂醸造さんの蔵付き酵母でした。
この酵母を使用した「真澄」は、昭和21年の全国新酒鑑評会と全国清酒品評会の両方で3トップを独占するという快挙を成し遂げました。
そこで、昭和21年に、この「真澄酵母」を醪から取り出して培養、7号酵母として発売されることになりました。

この酵母の特徴は、
  ・発酵力が強い
  ・華やかな吟醸香

発売当初は吟醸酒造りによく使用されましたが、後発の9号酵母押され気味。
発酵力の強さから、普通酒に使われることが多くなっています。 (おいしい日本酒・酒蔵紀行より)


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minOお弁当 秋分

2017年10月20日 | お弁当/岐阜/
minO 岐阜市 2017.10.20 



今日は、minoさんのお弁当 「秋分」 をいただきました。
季節の移り変わりの早さには、驚かされます。
ますます、年をとっていくはずですよ。

  さて、お弁当の内容は

    牛蒡ごはん
    さわらのくるみ味噌がけ
    海老のフリット




           『 minO  』

       住所 岐阜市八幡町36
       TEL ( 058 ) 263 - 7784

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「ガスト」 さんで、広島牡蠣フライを

2017年10月19日 | 食は文化だ
ガスト  岐阜市 2017.10.19

さみしいことですが、「岐阜会館さんのビル解体作業」が、もうすぐ完了です。

今秋は、あの美味しかった牡蠣フライが食べられません。
そこで、手軽なところでどこかないか、ないかと思案しました。
新聞の折り込み広告に、 『ガスト』 さんのクーポンが入っていました。
クーポン券を持って、早速、出かけました。



牡蠣フライには、定食メニューがなかったので、単品+ご飯で注文しました。
小ぶりの締まった牡蠣フライが5個ついてきました。
とっても美味しい牡蠣でした。

生ビールは、アサヒスパードライです。
昼間から、牡蠣フライをビールで堪能しました。

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「味路久」 さんに、久しぶりに行ってきました

2017年10月18日 | 食は文化だ
味路久(みろく)  岐阜市 シティタワー43    2017.10.18

うちのKさんのたっての要望で、『味路久』 さんに、久しぶりに食事に行ってきました。

以前お伺いしたことのある加納のお店に行ったのですが、いつの間にか閉店されていました。
そこで急遽、ランチの時間を気にしながら、 「シティ・タワー店」 に回りました。

シティ・タワー店には、初めて伺います。



味路久さんと言えば、「鰻まぶし」。



茶碗蒸しと香の物、デザートが付きます。
カリカリに焼かれた鰻に、程良い甘さと量のたれがかけられたご飯、本当に美味しい 「鰻まぶし(ひつまぶし)」 です。
ボリュームも満点でした。

そのまま鰻飯で食べ、次は「海苔、ネギ、わさび」を載せて、「付属の出汁」をかけていただきました。



美味しくて、お腹いっぱいになり、満足、まんぞく。

    『 味路久岐阜/シティ・タワー店  』

      住所 岐阜市橋本町2-52
          岐阜シティ・タワー43 2F
      TEL ( 058 ) 265 - 2080

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       ひつまぶし
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ひつまぶし(櫃まぶし)とは、ウナギの蒲焼を用いた日本の料理である。
津市発祥説、名古屋市発祥説等がある。名古屋めしのひとつ。

蒲焼にしたウナギの身を切り分けた上で、お櫃などに入れたご飯に乗せ(まぶし)たものを、食べる側が茶碗などに取り分けて食べるのが基本的なスタイルであり、これが料理名の由来(由来には異説もあり。)となっている。
そのまま通常の鰻飯として食べてしまうこともできるが、一般的にワサビや刻み海苔・刻みネギなどの薬味、出汁やお茶などが添えられて提供されるため、それらを食べる側の好みに合わせて取り分けた鰻飯に掛けたり、お茶漬けにすることにより、味の変化を楽しみながら食べることができるようになっている 。 (Wikipediaより)



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「青べか物語」 長、元気だったか。 おう! でも、どなた様でしたか。

2017年10月17日 | もう一冊読んでみた
青べか物語/山本周五郎  2017.10.17

ミステリ国の人々』(有栖川有栖)紹介の古典、再読の四冊目は、山本周五郎作 『五辨の椿』 を選びました。

読めば懐かしの山本周五郎さん。
さらに別の作品を、読んでみたくなりました。
そこで、『季節のない街』 を読みました。
さらに、もう一冊と言うことで、今回は 『青べか物語』 です。

この作品は、山本周五郎が昭和三年~四年四月に過ごした千葉県安浦町での生活が元になっています。
この辺の事情は、巻末の「山本周五郎を読む」に詳しい。

  「山本周五郎と私/青春の救済 山本周五郎/沢木耕太郎」
  解説 「若き周五郎、人生の海に漕ぎ出す/服部康喜」

さて、題名の 「青べか」 とは

 そこに伏せてあったのは胴がふくれていてかたちが悪く、外側が青いペンキで塗ってあり、見るからに鈍重で不格好だった。「あのぶっくれ舟か」と長が或とき鼻柱へ皺をよらせ、さも軽蔑に耐えないというように云った、「青べかってえだよ」

 「青べか」は浦粕(うらかす)じゅうで知らない者のない、まぬけなぶっくれ舟であり、なかんずく子供たちには軽侮と嘲笑の的であった。そんなものに乗っているところを見られたら、私自身どうなるか想像がつかなかったのである。


このぶっくれ舟「青べか」を、地元の人に「蒸気河岸の先生」と呼ばれる私が、芳爺(よしじい)に丸め込まれて売りつけられるところから物語は始まる。

「青べか物語」は、「浦粕の男と女の人生」を地元の子供放送局と「ごったくや」で燗徳利を三、四本も傾けながら、河岸の「なあこ」の噂話に耳を傾ける内容となっている。
 *なあこ:あにいというほどの意味

「人間なんてかなしいもんだな」、かなしく沈んだ噂話を聞いて下さい。
それは、........。

  留さんと女

 それよりも留さんの死のほうが強く私の心を打った。
高品家の炉端で、みんなにからかわれながら、怒りもせずに笑っていた彼、三十六号船の舳先に立って、「おも舵いっぱい」とか「スロー、スロー」などと、ブル船長に叫んでいた彼、根戸川亭で自分の女に毒づかれ、こき使われ、客たちの前でばか踊りまで踊らされた彼。---あの性質ではおそらく、幸福な生活には恵まれなかったであろう。死ぬときにも妻子がいたかどうか、仮にいたとしてもたぶん彼にとって慰めや安息とはならず、それまでの女たちがそうであったように、彼を罵りこき使い、倒れるまでがっちりと彼を緊(し)めあげたことだろう。むしろ、妻子などはなかったと考えるほうが、彼のためには仕合わせだったと、私は心の中で呟いた。


  地元子供放送局の少年少女たち

 私はいそいで話題を変えた。この並みはずれてすばしこい少年は、私などのまだよく知らない、もの凄いようなことを平気で云う癖があった。尤も、これまた長だけには限らない、この土地では少年と少女の差別なしに、男女間の機微に触れた言葉をじつによく知っており、そういう表現におどろいて、私がへどもどしたりすると。「へ、へ、蒸気河岸の先生もそらっ使えだ」くらい云われるのであった。
 *そらっ使え:「そら使い」(空使い)の変化した語。空を使う人。知らないふりをする人、の意。


  そんな彼らの放送内容は

 こまっちゃくれた少年少女たちは、五郎さんの店の前を通るとき、声をそろえて喚いた。
「みそのでは幟(のぼり)もおっ立たない」
 この町筋の商店は、店の脇にみな幟を立てているが、「みその」は店名を染めたがたんがあるだけで幟は立てなかった。かれらはそれにひっかけて五郎さんをからかい、わっと囃したてるのであった。
 *がたん:軒へ陽除(ひよ)けのようにおろす幕で、夕方になると巻きあげ、朝になると紐を解いておろすのだが、そのときがたんと音がするので、子供たちはそう呼んでいた

 「幟もおっ立たない」ような息子に、嫁を遣ろうという親はなかった。
 このあいだに、五郎さんは五郎さんで友人たちとやりあい、......男として役立つかどうか......東京のさる華やかな一画へ押しあがった。
 「二時間でよ、おめえ」と一人が云った、「それも初めてだっていうだに、三度も幟がおっ立ったなんて考えられっか」
 「買収しただな」と一人が云った。「女に金轡(かなぐつわ)を噛ましただ」
 *金轡:金属製の轡。「轡」は手綱をつけて操るために馬の口にくわえさせるもの。ここは、そこから転じて、口止め料として贈る賄賂。


  浦粕の噂話の内容と言えば

 この土地では、どこのかみさんが誰と寝た、などという話は家常茶飯(かじょうさはん)のことで、たとえばおめえのおっかあが誰それと寝たぞと云われたような場合でも、その亭主はべつに驚きもしない、おっかあだってたまにゃあ味の変わったのが欲しかんべえじゃあ、とか、おらのお古でよかったら使うがいいべさ、と云うくらいのものであった。
---もちろんこれら亭主たち自身も「変わった味」をせしめているのであるし......

---お兼あまにどれだけ男がいるか、本当に知っているのは亭主のしっつぁんだけだ。
 土地の人たちはそう云っていた。真偽のほどはわからないが、お兼と寝た男は、きまってしっつぁんの訪問を受ける。べつに文句をつけに来るのではない、相手の男を呼び出すと、ぐあい悪そうにもじもじして、「一杯飲ましてくれねえかね」と云う。相手が幾らか出せば貰うし、ないよと云えば温和しく帰るだけであった。

 半年ほどのち、私が町へ住みついてからは彼女たちとも親しく口をきくようになった。そうなってみると、ごったくや女と呼ばれる彼女たちが、みな神の如く無知であり単純であり、絶えず誰かに騙されて苦労していながら、その苦労からぬけだすとすぐにまた騙されるという、朴訥(ぼくとつ)そのもののような女性たちであることがわかった。

 「まるで車曳きがこんにゃく屋へとびこんだようなもんよ」
 この土地の人たちは好んで俚諺(りげん)や譬え話を引用する。それもしばしば独り合点や、記憶ちがいや、自分勝手に作り替えられるので、よその者には理解できないことが少なくない。この場合も私にはその意味がわからなかったが、おせいちゃんの説明によると、車曳きは足が達者であって、それがこんにゃく屋へとびこめば「すぐその達者な足を使われる」つまりおあしを使われる、というしゃれだそうであった。
 *足を使われる:蒟蒻を作るには、蒟蒻の地下茎を粉末にしたものに水を加えて練るが、当時は足でその作業を行っていた。

 「岸がんにそ云ったら、今夜は心中する晩だから少し都合してきたって、一円さつを三枚も出したじゃないの、あたいやっぱり大川に水絶えずだなって思っちゃったわ」
 *大川に水絶えず:栄子は、「古川に水絶えず」を間違えている。伝統があり基礎がしっかりしているものは容易に滅びないことのたとえ。「大川」は隅田川の、吾妻橋付近から下流の別称。


微苦笑しなければならない話。猥褻な話も多多ありますが、「芦の中の一夜」など、いたたまれなくなるほどせつない話です。
それでも、人を罵るにも「うみどんぼ野郎」なんて言葉が飛び出すとなんとなくほのぼのとしてしまいます。
うみどんぼ野郎:人をののしっていう語。ばか野郎。「うみとんぼ」(海蜻蛉)のなまり。

最後に

 「苦しみつつはたらけ」それはそのころ私の絶望や失意を救ってくれた唯一の本、ストリンドベリイの「青巻」に書かれている章句の一であった、
 「苦しみつつ、なおはたらけ、安住を求めるな、この世は巡礼である」


  『 青べか物語/山本周五郎/長篇小説全集第二十六巻/新潮社 』


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「壁の男」 聞かなければ良かった物語

2017年10月17日 | もう一冊読んでみた
壁の男/貫井徳郎  2017.10.17

貫井徳郎著 『壁の男』 を読みました。
読まなければ良かったと思う悲しい話がありました。
おもしろかったが、やはり、読まなければ良かったと思うこと頻り。

もし、あなたが、おつき合いしている恋人の「異性に対する愛情表現の仕方、考え方」が、自分のそれと大きく異なっていたら、しかも、「その人が好きで好きでたまらない」、どう足掻いても別れられない、としたらどうしますか。
母と子、父と子の親子関係の軋轢。親は子を育てる。そして、その子も人の親になる、その先は。

第1章~第5章まで一気に読んでしまいました。

新聞で、この本の書評を読みました。
「ミステリーには、ラストの一行で読者の思い込みを覆す 『最後の一撃』 と呼ばれる手法がある。」とありました。
一般的に言えば、「どんでん返し」でしょうか。また、ひとつミステリの知識を得ました。

この物語から。

  伊苅重吾のもたらしたもの

 「他人の気持ちなんて、ぜんぜん想像できない。自分が同じ立場になってようやく、理解できるようになるんだ」

 今日と変わらぬ明日が続く日々に、風穴を開けた気分なのかもしれない。

  重吾の母の言葉

 「じゃああなたは、自分より足が速い人は無条件で偉いと思うの? ただ足が速いだけで、ひどい性格でも、偉い人なの? 才能があるからって、ただそれだけで人間の価値が決まるわけじゃない。

 「別に私は自分に才能があるなんて思ってないから、これは一般論よ。才能を誇ってもいいけど、だからって人を見下してはいけないと思う。才能に恵まれていることがイコール優れたことだなんて、ただの思い込みだから。同じように、才能がないことを引け目に感じる必要もない。才能がないから駄目だというのも、思い込みでしかないんだし。そのことはもう一度考えてみて」

 人と人との間にわだかまりを作るのは才能の有無ではなく、劣等感なのだとしみじみ実感した。

 言葉にすることでわかりあえることもある。だが、言葉がどうしても届かない場合もある。


  重吾の父の言葉

 「わかっていると思うが、おれは母さんに嫉妬している」

 「みっともないよな。そんなこと、おれにもよくわかっているよ。わかっているから、嫉妬を心の底に押し込めておこうと努力はしている。それでも、つい言葉の端々に嫌みが滲んじまう。小さい男だよな。自分の女房が才能を発揮し始めたら、それを一緒に喜ぶんじゃなく、僻むんだから。自分で自分がいやになるよ」


良き父と母です。
このような両親に育てられた重吾は、まともな人間として人生を送るはずでしたが.........。

    『 壁の男/貫井徳郎/文芸春秋 』

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