ゆめ未来     

遊びをせんとや生れけむ....
好きなことを、心から楽しもうよ。
しなやかに、のびやかに毎日を過ごそう。

この私、クラウディウス ロバート・グレーヴズ

2016年12月10日 | もう一冊読んでみた
この私、クラウディウス    2016.12.10

 今週は、この1冊。
 この私、クラウディウス

この私、クラウディウス』は、新刊だと思ったのですが、奥付をみると第1刷発行が2001年3月15日、ぼくが読んだ本は、第3刷発行で2016年5月20日だった。
これは、きっと以前に一度読んだことがあるだろうと思いながら、読み始める。
詳しい内容は覚えていないが、うっすらと物語の雰囲気は思い出す。

2段組p448の物語のうち、ぼくが感動した人物は、沢山の登場人物のうち、次の二人。
「低地ゲルマニア軍団長、ゲルマニクスの有能な副官、大逆罪の疑いをかけられて自殺」した、シリウス。
「クラウディウスの祖母、アウグストゥスの妻」のリウィア。
シリウスは、その生き方の潔さに。
リウィアは、悪女であるが、政治的手腕を大いに発揮し、私利私欲にふけるもローマの安定に並々ならず貢献したから、結果オーライで。

 『シビュラの書』は火災のために二度も一部焼失したが、失われた神託は担当責任者の神祇官たちの共同の記憶によって復元された。その記憶は多くの場合きわめて誤りの多いものであり........

 大多数の実直なローマの歴史家の例に倣って本書も「卵から林檎まで」(古代ローマの宴は前菜の卵料理はじまり、林檎のデザートに終わったの方式で書くつもりだからである。

 「この女が暴力に訴えたら私を殺すことだってできる。怨みを抱かれては事だから私の不快感を気取られぬようよくよく注意しなければならぬ。この女に憎まれたら命が危ない」

 物事が好転する前に以前よりさらに悪化するのは世の常なのじゃ

 しかし今や気を取り直して日々の仕事に復するときである。貴人の生命は有限だが国家は永遠だからである。

 法の定めるとおり残余の四分の一が告発者に与えられ、.........

古代ローマ帝国は、告発天国。
告発者は、裁判で勝てば告発された者の全財産の四分の一が自分のものとなった。
恐ろしい世界でした。
人々は、財産目当てで告発合戦に明け暮れた。

 『 この私、クラウディウス/ロバート・グレーヴズ/多田智満子・赤井敏夫訳/みすず書房 』


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« BUNMEI KAIKAさんの初めての... | トップ | また、今年の何時ものパター... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

もう一冊読んでみた」カテゴリの最新記事