遡上

故郷を大切にする動物は、人間の他に有名な物に”鮭”がある。
彼らは海中のアミノ酸の香りを辿り、遡上するという。
人間も、故郷の香りに”郷愁”を感じ、Ｕターンする。
理由はともあれ、俺もその一人。
１８歳～３９歳まで、関東周辺で生活していた。
鮭流にいえば、４年魚で遡上したわけである。
ただ、一概にＵターンが良いとはいいがたい。
寂しいことであるけれど。
Ｕターンして、生活していけるかという問題が一番である。
この就職難の時代で、しかも日本の中でも不況ベスト５に入るんじゃないかと思われる旭川である。
その不安と、帰ろうという意識のどちらに比重が傾くか。
その要因の中で大切なことは、帰郷して自分は何をするのか。
これが、決断の時に最も大切にしたいことである。
今がだめだから、帰れば何とかなる。
これでは、失敗は目に見えている。
鮭は、遡上する河口付近で１～２週間過ごすという。
川の水に、慣れるためである。
ここがポイント。
遡上を考えている諸君。
帰郷を決意する前に、自分の目で故郷を客観的に見て決断すること。
故郷を大切にするために。