保津川下りの船頭さん

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角倉了以率いる朱印船「角倉船」に乗船する条件として掲げた「舟中規約・其の弐」

2018-06-18 17:00:50 | 角倉プロジェクト・世界遺産事業
角倉了以率いる朱印船「角倉船」に乗船する条件として掲げた「舟中規約・其の弐」

(原文)
「異域之我国に於ける、風俗言語異なると雖も,其の天賦之理、未だ嘗て同じからざるなし。
其の同じきを忘れ、其の異なるを怪しみ、少しも詐欺慢罵すること 莫れ。
彼且つ之を知らずと雖も我豈之を知らざらん哉。信は豚魚に及び、機は海鷗を見る。
惟うに天は偽欺を容れず。我か国俗を辱むる可からず。
若し他に仁人 君子に見れば、則ち父師の如く之を敬い、
以て其の国の禁諱を問い、而て其の国之風教に従え。」
(訳)
「異国とわが国とを比べれば、その風俗や言語は異なるが、天より授かった人間の本性においては
、なんの相違もない。お互いの共通するところを忘れ、違いを怪しんだり、あざむいたり、あざけったりすることは、いささかもしてはならない。たとえ先方がその道理を知らずにいようとも、 自分はそれを知らずにいても良いものか。
人のまごころはイルカにも通し、心ないカモメさえも、人のたくらみを察する。
天は人の偽りを許さないだろう。心ない振る舞いによって、わが国の恥辱をさらしてはならない。
もし異国において、仁徳に優れた人と出会ったら、これを父か師のように敬って、
その国のしきたりを学び、その他の習慣に従いなさい。」

何度もいいますが、これは16世紀後期、西欧諸国が「七つの海」を制覇する夢を持ち、
アジアなど発展途上の国に進出した時のものです。この先進性は、まさに目を見張る商業思想であり、
それを遵守させ、実践したことに世界経済史に燦然と輝く事業家として、偉大なる価値を覚えるのです。

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