保津川下りの船頭さん

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奄美大島に台風14号が接近・・・自然はかくも無常なり・・・

2010-10-28 12:02:05 | 船頭の目・・・雑感・雑記
先週、記録的な大雨が降り、甚大な被害に見舞われた奄美大島に台風14号が近づいている。

冬を思わすほどの寒さなのに台風なんて!!しかも、またしても奄美に・・・

この台風14号は、今、沖縄の南の海上を北上しており、中心付近の最大風速は45メートル。
非常に強い勢力の台風となって向かっているのだ。

もうすでに、沖縄県の大部分と奄美大島の南部が風速15メートル以上の強風域に入っている。
川で仕事をする我々船頭にとって風速15メートルがどれぐらい強い風が
吹いているのかは、経験から理解できる。まさに前へ歩くことが困難なくらいの強さだ。

台風はこれから北上を続け、29日明け方から昼過ぎにかけて沖縄地方に最も近づく
見込みで、先日の大雨で地盤が緩んでいる奄美大島では、土砂崩れや河川の氾濫などの
さらなる被害が出てくるのではと住民の間に不安が広がっている。

奄美大島・・・青く澄んだ海と広い海岸が広がる美しい島だ。
私も5年前、遊船の旅行で訪れた思い出の地でもある。

上に貼り付けた写真は奄美の海岸から見た風景だ。
美味しい海の幸、人懐っこい島の人たち、そして、スキュバーダイビングで潜ったときに
みた色とりどりの美しい珊瑚たち。どれも奄美の自然を満喫した心踊る、楽しい旅だった。

その奄美が今、大変な事態となっている。しかも追い討ちをかけるように、
凄い勢力を持つ台風が近づいているなんて・・・
住民の多くが、まだ避難所生活を余儀なくされ、家へ帰れていない。
「もう、どうしていいかわからない・・・」ともらす初老の男性。
おそらく多くの住民が同じ気持ちでいることだろう。

自然はどうして、こうも無常なのだろう。・・・

いくら科学が発達しても、人は自然によって生かされていることは絶対の事実。
牙をむく自然の猛威は、そのことを人間に理解さるかのごとく厳しい。
しかし、反面、豊穣と癒しを恵む、親なる存在であることもまた事実。

我々船頭は日々身をもってこの自然の猛威と恵みを感じている。

我がの力のみで生きているという傲慢な思考から、人は決別し、
自然のまえには無力な小さな存在だということを理解し
謙虚にならなくてはならない。

また、台風は週末には私達の住む西日本や東日本に接近する恐れがある。

小さく無力なお互いは、奄美の皆さまの被害を他人事と思わず、牙をむく
自然の猛威の中で、辛い時こそ助け合い「ともに生きていく心」を
持たなくてはならないことを、自然がらのメッセージとして
しっかり受け取らなければいけないのではなかだろか。