室蘭市議会議員 児玉智明の徒然日記

日々の様子をしたためています。

医療行政 2

2008年04月12日 | インポート
今日は、医師不足の問題についてです。厚生労働省では医師国家試験合格者は毎年7600~7700人程度であり、死亡等を除いても、医師の総数は毎年3500~4000人程度増加しているとしています。現に平成10年は24.9万人だったものが平成18年は27.8万人に増加しており、人口10万人対医師数も毎年増加しています。では、なぜ今医師不足と言われているのでしょうか?問題の背景には①大学医学部(医局)の医師派遣機能の低下②病院勤務医の過重労働(夜間・休日に患者が集中、小児科・産科等の診療科の厳しい勤務環境)③女性医師の増加(出産・育児による離職の増加)④医療裁判等の増加に対する懸念などが考えられます。中でも新しい臨床研修制度の弊害が大きいものと思われます。大学病院に在籍する研修医の割合は平成15年72.5%であったものが平成19年は45.3%にまで減少しています。ですから大学病院から地方に派遣されていた医師を引き上げざるを得ない事態になってしまいます。それが残された勤務医の加重労働や退職の悪循環につながり地方の医療が崩壊するきっかけとなっています。また、24時間拘束され厳しい勤務環境にもかかわらず、報酬が低く訴訟の危険性が高い小児科や産婦人科などを敬遠する医師が多くなっています。これではとても少子化の問題を解決することはできません。皆さんがお住まいの地域の医療提供体制がどうなっているのか、見つめなおすきっかけにしてください。緊急のときに受け入れてくれる病院がなくなるかも・・・・しれません。
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