石木川まもり隊

石木川を守ること  それは里山を守ること  それは海を守ること  それは未来を守ること  
ここにダムは要りません

水源連、国交省へ要請書提出

2012年05月17日 | ダム事業の検証

今日の西日本新聞の小さな記事です。

昨日、「水源開発問題全国連絡会」が国に石木ダムについて要請書を提出したと伝えています。

どんな要請書なのでしょう。

 

その原文のコピーはこちらです。

是非全文を読んで頂ければ・・・と思います。

なぜ国の方針を保留せよと言っているのか、きっと理解して頂けるでしょう。

 

                                          2012年5月16日

国土交通大臣 前田武志 様

水源開発問題全国連絡会

 共同代表  嶋津暉之

 共同代表  遠藤保男

   (連絡先省略)

 

                 有識者会議の全面公開と

      石木ダムについて継続の方針を出さないことを求める要請書

 

 去る4月26日の「第22回今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」は私たちの

傍聴希望を国交省職員による厚い人壁で妨害するという信じがたい状況の中で開催さ

れました。職員の壁で守られた中で開催された有識者会議は、長崎県の石木ダム、岐

阜県の内ヶ谷ダム、大阪府の安威川ダム等について、「事業者からの報告について、

「中間とりまとめ」に即した検証検討が行われているのと認める。」「石木ダムに関しては、

事業に関して様々な意見があることに鑑み、地域の方々の理解が得られるよう努力する

ことを希望する。」(議事要旨)との審議結果をまとめました。この審議結果に基づき、国

土交通大臣がそれらのダムについて対応方針を近々決定することになっています。

 

 しかし、第22回有識者会議の審議結果は有効と言えるのでしょうか。

 有識者会議では何よりもまず、石木ダム、内ヶ谷ダム、安威川ダムについてダム建設

の必要性が治水面および利水面で本当にあるのかが徹底的に審議されなければなり

ません。ところが、有識者会議では必要性についての審議は皆無に近く、「ダムによら

ない治水のあり方」を追及するという有識者会議の設置目的は消滅してしまいました。

 有識者会議の審議は、「中間とりまとめ」に即して検証が行われているかを見るだけ

です。ところが、今回の石木ダムの審議ではその唯一の判断基準も危うくしてしまいま

した。

 当日の会議ではS委員がこのことを重視し、「石木ダムについて、評価軸『実現性』の

「土地所有者等の協力の見通しはどうか」について記載されておらず、『中間とりまとめ』

に沿っていないのではないか。」、「石木ダムについて、平成28年に完成という工程が

示されているが、実現性を踏まえているか疑問だ。」と述べ、長崎県の石木ダム検証報

告は上記の判断基準をみたしていないことを明確に指摘しました。これに対して、座長

は「今まで、全国のダムを検証してきたが、共通の考え方が整ったものばかりではなか

ったと思う。」と述べ、その唯一の判断基準をも否定してしまいした。このように判断基準

さえもあいまいにしてしまう有識者会議の審議に何の意味があるのでしょうか。

 

 S委員の上記の意見は石木ダムの是非を判断する上で最重要項目であることを会議

で否定することができなかったからこそ、有識者会議の意見として上述の「地域の方々

の理解が得られるよう努力することを希望する。」が付帯されました。国土交通大臣には

この付帯意見とその意味を最重視して判断することが求められています。

 

 石木ダムは事業者の長崎県が土地収用の事業認定を九州地方整備局に申請しており、

有識者会議がダム推進の検証報告を追認して国土交通大臣がそれに沿った方針を決定

すれば、九州地方整備局はそれを受けて事業認定処分を行い、反対地権者には強制収

用がかけられることになります。だからこそ、地権者は故郷を奪われることにつながる有識

者会議の審議の行方を見守りたいと、必死の思いで傍聴を求めたのですが、国土交通省

および有識者会議は強権を持ってその願いを踏みにじりました。

 

 以上のことを踏まえ、国土交通大臣として下記の判断をされることを要請いたします。

       

                          要請事項

1 第22回有識者会議の付帯意見を踏まえ、石木ダムについては少なくとも「地元の方々

  の同意が得られるまで国土交通省の方針を保留する」という対応方針を示すこと。

2 事業認定申請取り下げを長崎県へ勧告するよう、九州地方整備局に指示すること。

3 有識者会議の設置者として、同会議を全面公開するように、同会議の規約の改正を指

  示すること。

4 この件について私たち(石木ダム建設絶対反対同盟、及び水源連)が政務三役に要請す

  る場を設定すること。

                                                        以上

 


第22回有識者会議の中身

2012年04月29日 | ダム事業の検証

国交省の「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」、

名前が長ったらしいので、以前は通称「有識者会議」でしたが、

最近はこの会議に関心を持っている市民の間では「無識者会議」と呼ばれています。

 

京都大学名誉教授の中川座長をはじめ、8名の委員の方々は、

いずれも大学の教授や名誉教授など、まさに「有識者」の代表のような方々なのですが・・・

語られているその中身を聴けば、信じられないような内容で・・

 

もちろん、私は直接聴いていません。

私たち一般市民は聴けません。

なぜか非公開だから。

どんなに関係者がお願いしても、

心ある科学者集団が公開を求めても、

頑なに、ひたすら頑なに、非公開を貫いている会議です。

 

ただ、報道関係者にだけは公開にしています。

そして、それは大手マスコミだけでなくフリージャーナリストにも許可しているのでいいじゃないか、

と多数の委員諸氏はお考えのようで(約1名異論を唱える方もいますが)、

国交大臣は委員会の自主的運営を重んじているので…と言い訳をしています。

 

しかし、そのフリージャーナリストの中に、真のジャーナリストがいて、

私たちの知る権利を補ってくれています。

そのブログがこちら、政策エッセイ「晴れの日は楽しく、雨の日は静かに」です。

そして、このページに、その会議の内容が書かれています。
http://seisaku-essay.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-bf85.html

よかったら覗いてみてください。

これじゃあ公開できないのもわかるな~と、ため息のでるようなものでした。

 

座長によると、

有識者会議の役割は、ダムの是非を問うことではない、

「中間とりまとめ」にそって検討されたかどうかを検証することだという。

 

そこで、石木ダムですが、その「中間とりまとめ」に示された「実現性の見通し」が超いい加減で、

これでは合格点はあげられないと、鈴木委員がまともな意見を言うのですが、

なぜか他の委員さんにはその常識が通用しない。

 

座長にいたっては、今までのケースも「整ったものばかりではなかった」とポロリ。

つまり、これまでも「中間とりまとめ」に則ったとはいえない不完全な検討結果もあったじゃないか

それでも我々はそれを良しとして認めてきたじゃないですか

だから石木ダムの検討結果も問題ありだけど、このくらい目をつぶりましょうよ

という意味のようです。

 

あきれてしまいます。

このようないい加減な会議のために、貴重な税金を使われているのかと思うと、

怒り心頭です。

 

そして、このブログの最後には、こう書かれていました。

本来は公開されるべきであり、
傍聴させて欲しいと訪れたのに
リアルタイムで聴けなかった人々のために
取材メモを公開することにする。
「note_on_120426_mt.doc」をダウンロード

ジャーナリストまさのあつこさんの勇気ある行動に脱帽です。

取材メモには、ブログ以上に生々しい会議の模様が再現されています。

ただし、怒りはさらに増してしまいますので、

高血圧気味の方は要注意です。

 

また、この会議に先立って行われた記者会見の様子がユーチューブにアップされています。

有識者会議「ダム事業の検証の検討結果について」記者会見

 

最後のシーン(8:53くらいから)が印象的でした。

 


有識者会議 石木ダム了承?

2012年04月27日 | ダム事業の検証

 

予想通り・・・とはいえ、たいへん残念な結果となりました。

委員の中には、地域住民の根強い反対を認識し、実現性を疑問視する声もあったのに、

最終的には事業継続を「了承」という結論に座長が導いたようです。

 

昨年の今ごろ行われた長崎県公共事業評価監視委員会での展開と同じです。

委員会の結論は初めから決められていて、そこに持って行くのが座長の仕事なのだと、

傍聴していて痛感しました。

心ある委員がどんなにくいさがっても、結局はせいぜい「意見として付す」程度。

結論に変わりはありません。

 

今回の有識者会議の様子も、目に見えるようです。

が、その様子を実際に見た人は報道関係者以外ありません。

ダム問題の真の有識者である嶋津暉之さんたちも、

地元長崎から駆けつけた3人の地権者も、ついに傍聴は許されませんでした。

全くの門前払いです。

 

こんな非民主的な政治をするのが、民主党のやり方なのでしょうか?

こんな無理をしてまで、国交省はなぜダムを造りたいのでしょうか?

膨大な借金を抱える国や県、

昨年の大震災の復興資金と原発事故処理のための資金がいくらあっても足りない政府、

それでも、石木ダム事業を継続しなければならない理由は何なのでしょう?

国民の前で説明できる人はいるのでしょうか。  

 


有識者会議「再開」

2012年04月24日 | ダム事業の検証

今日、「第22回 今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」の日程について国交省HPで公表されました。http://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo03_hh_000498.html


       第22回 今後の治水対策のあり方に関する有識者会議の開催について

                                               平成24年4月24日

この度、第22回今後の治水対策のあり方に関する有識者会議を以下のとおり開催することとなりましたのでお知らせいたします。

1.開催日時等

日 時:平成24年4月26日(木)18:00~20:00

場 所:中央合同庁舎3号館(国土交通省)11階特別会議室

主な議事内容(予定):ダム事業の検証の検討結果について 等

2.委員

別 紙

3.取材等

・報道関係者に限り傍聴が可能ですが、会場準備のため、事前登録制とさせて頂きます。

・傍聴を希望される場合は、4月25日(水)正午までに氏名、所属、連絡先を明記の上、E メールアドレス(chisuinoarikata@mlit.go.jp)までご登録ください。なお、
傍聴は原則1社につき1名とさせていただくとともに、会場の都合上、お席を用意できない場合もございますので、予めご了承ください。
・カメラ撮りは、会議の冒頭のみ可能です。
・会議の資料、議事要旨及び議事録は、後日ホームページで公開する予定です。


全く、今までと変化無し!

報道関係者以外はシャットアウト!

地元の声など聴く耳は持たぬだけでなく、

地権者が審議の過程を知る権利さえ奪ってもいいとお考えのよう・・

しかも会議開催の知らせはわずか2日前!

報道関係者にも、いろいろ予定があるでしょうに・・

よほど、誰にも知られない形でこっそり会議を開きたいのか?

なぜ?

その上、議題さえも公表されない!

主な議事内容(予定)として、「ダム事業の検証の検討結果について 等」と書かれていますが、

それをやるために集まっているのだから、言わずもがなのこと。

どのダムの検討結果について話し合うのか、それを示すべきです。

地権者は飛行機に乗って、はるばる九州から向かうのです。

お金をかけて、時間をかけて…それでも自分たちの運命を左右する会議を聴きたいと願って。

開催日時だけ公表されても、石木ダムが議題に上っているのかどうかわからなければ、

チケットの手配もできません。

その後、確認が取れたので、手配は進められていますが…。

 

このようなやりかたをするのが真の「有識者」なのでしょうか?

有識者とは、「学問があり、見識が高い人」のことだそうですが、

そういう方々の見識は多くの人が聴きたいはずだし、

そういう方々も伝えたいはずだと思うのですが…。

 

でも、この会議の有識者の皆さんは、誰も傍聴者の居ないところでこっそりやりたい…。

ご自分の主張に自身がない?

聞かれたら困るような話をするおつもり?

もしもそうなら、何かの検証結果を審議する役目には向かない方々ではないでしょうか?

 

そうではないと信じたい。

だから、もう一度、石木ダム建設予定地の地権者の声にどうぞ耳を傾けてください。

明後日、数名の地権者が国交省に向かいます。    

 


「科学者の会」有識者会議に公開質問

2012年03月02日 | ダム事業の検証

「ダム検証のあり方を問う科学者の会」が、3月1日、有識者会議に対し、

会議の全面公開を求める公開質問書を提出しました。

 

ダムにたよらない治水対策を求めて動き出したはずのダムの検証が、

いつのまにかダムにお墨付きを与える機関になってしまっている、

それは、たいへん憂慮すべき事態で看過できないとして、

「科学者の会」が、八ッ場ダム検証の抜本的なやり直しを求める声明を発表したのは昨年10月でした。

当時は11人の呼びかけ人と69人の賛同人が名前を連ねていました。

それが、今では賛同人が126人に増えているそうです。

それほど、このダム検証はひどい!と、心ある科学者たちは見ているということでしょう。

 

そして、その学者の皆さんが、22日の有識者会議の流会騒ぎを見て、

これはもう黙ってはいられない、なんとしても公開すべきだと、行動をおこされたのです。

以下、その全文を貼付します。