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深層心理学と心の治療

2020-07-30 10:48:00 | 心理
人間の心の奥底には、自分ではなかなか気づきにくい「無意識」という広大な世界が潜んでいる。
心の奥に閉じ込められた「無意識」は、抑圧されて意識されなくなったものだ。
たとえば、私たちが自分にとって思い出したくない体験や、嫌な記憶・感情を忘れることができるのは、そうした記憶や感情を無意識のなかに押し込めようとする力が働くためである。
このようにマイナスの感情を抑えつけて、無意識の世界に追いやることをフロイトは「抑圧」と名づけた。

フロイトは、患者の苦しみや悩みは、ある心理的な力が無意識のうちに潜在する観念や感情・欲望(コンプレックス)を思い出させまいとして働いているために起こると考えた。
普段、私たちは認めたくない体験や、嫌な思い出を忘れ去る(無意識の世界に抑え込む)ことで、正常な生活を送っている。
ところが、この「抑圧」が過度になると、正常な意識活動に障害をきたしてしまうことになり、さまざまな心の病になることが多い。
そんなとき、逆に思い出したくない嫌な体験や記憶を、無意識の世界から浮かび上がらせて「意識化」することによって、自分自身の心のなかにある無意識の存在に気づき、それを認めることによって「抑圧」から解放されることができるのである。
「意識化」とは、言葉にして表す「言語化」と言い換えてもよい。
深層心理学が心の治療に果たす役割とは、この「無意識の意識化」にほかならない。

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