悲しい現実
声を上げない労働組合
労働者を守るためには、法の整備とともに、真に信頼できる指導者の登場が必要である。
そのためには、「教育」に力を入れなければならない。
(つづく)
バブル崩壊後の景気の低迷を受けて、日本の企業は大きく変質した。
日本型の労使慣行とされた年功序列型賃金体系を廃止し、成果主義型賃金体系を導入したり、その過程で大幅な賃金切り下げを行うなどといったことも日常茶飯事になってきた。
さらに労働基準法で定められた残業代を支払わないケースも後を絶たない。
残業代未払などは「犯罪」とされる重大な法律違反だが、悲しいことに在職中に声を上げる労働者はごく稀だ。
残業代の支払を求める訴訟の大半は、退職したり解雇された労働者によるものだ。
なぜならば、ただひとり声を上げればリストラの対象になるという恐怖からである。
だから労働組合の存在が生きてくるはずだが、肝心の労働組合も声を上げなくなってしまった。
日本型の労使慣行とされた年功序列型賃金体系を廃止し、成果主義型賃金体系を導入したり、その過程で大幅な賃金切り下げを行うなどといったことも日常茶飯事になってきた。
さらに労働基準法で定められた残業代を支払わないケースも後を絶たない。
残業代未払などは「犯罪」とされる重大な法律違反だが、悲しいことに在職中に声を上げる労働者はごく稀だ。
残業代の支払を求める訴訟の大半は、退職したり解雇された労働者によるものだ。
なぜならば、ただひとり声を上げればリストラの対象になるという恐怖からである。
だから労働組合の存在が生きてくるはずだが、肝心の労働組合も声を上げなくなってしまった。
声を上げない労働組合
法律で保障された権利を実現するのにも、労働組合があるとないとでは、大きな違いが出る。
労働組合があってもいい指導者がいなければ権利は保障されない。
その現実を「ロッジデールの先駆者たち」(ヤコブ・ホリヨーク)から拾ってみた。
労働運動の創設時から今日に至るまでその現実は変わらない。
労働組合があってもいい指導者がいなければ権利は保障されない。
その現実を「ロッジデールの先駆者たち」(ヤコブ・ホリヨーク)から拾ってみた。
労働運動の創設時から今日に至るまでその現実は変わらない。
「労働者代表は、昔は産業界の決死隊のようなもので、戦争における決死隊よりもさらに割が悪かった。
なぜならば、戦争での決死隊志願者は、成功すれば名誉を得て安楽に暮らせるのが普通だが、労働組合の代表を志願したものは、しばしば争議の犠牲となるか、いつまでも注意人物としてマークされてしまうからである。
戦争では、敵も味方も「決死隊」を尊敬するが、労働争議の場合、先頭に立つものは雇主から称賛されず、かえって後日の報復を覚悟しなければならず、公平な立場から見てまったく悲しむべきことだが、その代表を送りだした労働者の気まぐれな不信にさらされることさえしばしばある。」
なぜならば、戦争での決死隊志願者は、成功すれば名誉を得て安楽に暮らせるのが普通だが、労働組合の代表を志願したものは、しばしば争議の犠牲となるか、いつまでも注意人物としてマークされてしまうからである。
戦争では、敵も味方も「決死隊」を尊敬するが、労働争議の場合、先頭に立つものは雇主から称賛されず、かえって後日の報復を覚悟しなければならず、公平な立場から見てまったく悲しむべきことだが、その代表を送りだした労働者の気まぐれな不信にさらされることさえしばしばある。」
労働者を守るためには、法の整備とともに、真に信頼できる指導者の登場が必要である。
そのためには、「教育」に力を入れなければならない。
(つづく)