忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

職場のパワハラ対策③

2018-12-13 10:10:45 | Library
パワハラ行為をした者は民法上、不法行為を負う(民法709条)可能性があり、その場合は被害者の損害に対して賠償する責任が発生する。
一方、会社も、「不法行為責任」と「債務不履行責任」という民事上の損害賠償責任が発生する恐れがある。
不法行為責任においては、特に業務指導の一環としてなされた行為について、使用者責任(民法715条)が問題になると思われる。
債務不履行責任とは、企業に配慮義務の違反があるとして、その債務不履行に基づく損害責任賠償責任(民法415条)を負わせるという考え方だ。
安全配慮義務(労契法5条)を、パワハラ事案に即して適用することも考えられる。

パワハラにより、精神疾患に罹患したことによる損害としては、「財産的損害」と「精神的損害」が考えられる。
財産的損害には、「積極的損害」と「消極損害」が挙げられる。
積極的損害とは、そのような精神疾患に罹患したことにより、治療費がかかったことなどの損害を指す。
消極損害とは、増加するはずの財産が増加しなかった点を損害として捉えるものだ。
休業損害や逸失利益がそれにあたる。

精神的慰謝料としては、「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料(死亡の場合)」が想定される。

このように見ていくと、パワハラの被害を受けて追い詰められ、精神疾患を罹患し、自殺するなどの大きな結果を招いてしまった場合には、その損害賠償の額は極めて高額なものとなろう。

パワハラに関する裁判例
ヨドバシカメラほか事件(東京地裁 平17.10.4判決、東京高裁 平18.3.8判決)

国・静岡労基署長(日研化学)事件(東京地裁 平19.10.15判決)

岡山県貨物運送事件(仙台地裁 平26.6.27判決)

医療法人財団健和会事件(東京地裁 平21.10.15判決)

全日本空輸(退職強要)事件(大阪地裁 平11.10.18判決・大阪高裁 平13.3.14判決)

トナミ運輸事件(富山地裁 平17.2.23判決)

M社事件(東京地裁 平27.8.7判決)


「職場のハラスメント 適正な対応と実務」より


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職場のパワハラ対策②

2018-12-11 10:16:34 | Library
2018年3月、厚生労働省の「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」は、職場におけるパワハラが減少していない現状を踏まえ、報告書を取りまとめ公表した。
この検討会は、「働き方改革実行計画」において、「職場のパワーハラスメント防止を強化するため、政府は労使関係者を交えた場で対策の検討を行う」とされたことを踏まえ、実効性のある職場のパワーハラスメント防止対策について検討するため、2017年5月から10回にわたり開催された。
今後は、労働政策審議会において、本検討会で議論された対応案や、現場で労使が対応すべき職場のパワーハラスメントの内容や取り組む事項を明確化するためのものの具体的内容について、議論、検討が進められる。

本来、これらの問題は適切なコミュニケーションによって解決を図るものであるが、パワハラと指摘されることを恐れて、かえって職場内で労働者が委縮し、相互に必要なコミュニケーションを図れなくなるという本末転倒な事態も引き起こしかねない。
パワハラ問題は、日常のささいな事象が積み重なることにより、大きな問題へ発展する。

報告書では、企業や労働組合が取り組むべき内容について、以下のように提言している。
職場のパワハラを予防するために
○トップのメッセージ
・組織のトップが、職場のパワーハラスメントは職場からなくすべきであることを明確に示す
○ルールを決める
・就業規則に関係規定を設ける、労使協定を締結する
・予防・解決についての方針やガイドラインを作成する
○実態を把握する
・従業員アンケートを実施する
○教育する
・研修を実施する
○周知する
・組織の方針や取組について周知・啓発を実施する
職場のパワーハラスメントを解決するために
○相談や解決の場を設置する
・企業内・外に相談窓口を設置する、職場の対応責任者を決める
・外部専門家と連携する
○再発を防止する
・行為者に対する再発防止研修を行う

厚生労働省は、対策の進まない企業に防止措置を義務付ける方針を固めた。
具体的な対応方法として社内への周知、啓発や相談窓口の設置などを検討しており、指針で明記する。
セクハラ対策も強化し、取引先との関係で被害があった場合に加害者側の企業が取るべき対応を明確化する。
中小企業の女性活躍促進と併せて関連法案を取りまとめ、来年の通常国会提出を目指すとされている。
(つづく)


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職場のパワハラ対策①

2018-12-10 15:41:01 | Library
職場におけるいじめ、嫌がらせの相談案件数の急増を受けて、2012年3月に厚生労働省より「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」が出された。
その提言の骨子は、
1.はじめに~組織で働くすべての人たちへ~
○暴力、暴言、脅迫や仲間外しなどのいじめ行為に悩む職場が増えている。
○業務上の注意や指導なども、適正な範囲を超えると相手を傷つけてしまう場合がある。
○こうした行為は「職場のパワーハラスメント」に当たり、誰もが当事者となり得ることを、組織で働くすべての人たちが意識するよう求める。
 
2.職場のパワーハラスメントをなくそう
○職場のパワーハラスメントは許されない行為。放置すれば働く人の意欲を低下させ、時には命すら危険にさらす場合がある。
○多くの人たちが組織で働く現在、職場のパワーハラスメントをなくすことは、国民の幸せにとっても重要。

3.職場のパワーハラスメントをなくすために
○企業や労働組合はこの問題をなくすために取り組むとともに、その取組が形だけのものにならないよう、職場の一人ひとりにもそれぞれの立場から取り組むことを求める。
○トップマネジメントは、こうした問題が生じない組織文化を育てるために、自ら範を示しながら、その姿勢を明確に示すなどの取組を行うべき。
○上司は、自らがパワーハラスメントをしないことはもちろん、部下にもさせてはならない。ただし、必要な指導を適正に行うことまでためらってはならない。
○職場の一人ひとりに期待すること
 ・人格尊重:互いの価値観などの違いを認め、互いを受け止め、人格を尊重し合う。
 ・コミュニケーション:互いに理解し協力し合うため、適切にコミュニケーションを行うよう努力する。
 ・互いの支え合い:問題を見過ごさず、パワーハラスメントを受けた人を孤立させずに声をかけ合うなど、互いに支え合う。
○国や労使の団体はこの提言等を周知し、対策が行われるよう支援することを期待する。
 
4.おわりに
○提言は、働く人の尊厳や人格が大切にされる社会を創っていくための第一歩。
○組織は対策に取り組み、一人ひとりは職場を見つめ直し、互いに話し合うことからはじめるよう期待する。

というものであった。

そして職場のパワーハラスメントについて、裁判例や個別労働関係紛争処理事案に基づき、次の6類型を典型例として整理した。
1)身体的な攻撃
暴行・傷害
2)精神的な攻撃
脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
3)人間関係からの切り離し
隔離・仲間外し・無視
4)過大な要求
業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
5)過小な要求
業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
6)個の侵害
私的なことに過度に立ち入ること

(つづく)


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フォーカシングとは何か⑤

2018-12-09 15:17:53 | 心理
セッションを終えるにあたって、あなたが辿りついた「その場所に何か印をつける」ことができると想像する。
フォーカシングでの変化は毎回少しずつ増えながら段階的に起こるので、1回のセッションでフェルトセンスがあなたに伝えたいことが全部手に入ることはまれである。
「また後で戻ってくるよ」と、その場所に告げたい感じになったら、その感じを呼び戻してくれるようなイメージかシンボルを見つけておくといい。
取っ手のような言葉や、自分が尋ねている質問、その他なんでも大切だと感じたことを書きとめておく日誌(メモ)も有効だ。

終了時は、何が起きたのかを振り返り、このセッションで何を覚えておきたいかを自分自身に尋ねるのによい機会だ。
フォーカシングは非常に深いレベルで起こるので、覚えておくために少し時間をかけないと、せっかく気づいたこともあなたの意識から抜け落ちてしまう。
この時間はまた、からだを通してのプロセスがあなたに教えてくれたものに対して、それに感謝し、その価値を認めてあげる時でもある。

ひとりでフォーカシングをする能力はすぐには育たないかもしれないが、正しいトレーニングをすれば着実に伸びる。
ひとりで成功させる場合にもっとも難しい要素がふたつある。
集中することと、あなたの関心の対象と友好的な関係になることだ。

「フォーカシング入門マニュアル」「解決指向フォーカシング療法」参照


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フォーカシングとは何か④

2018-12-08 16:30:22 | 心理
フォーカシングでは、おだやかな、開かれた質問を用いる。
このような問いかけは、フェルトセンスが語り、展開するのを促す。
それによって、最終的にはシフト(変化)が起こり、よりよい感じと、より一致した内的な場所が生まれる。
・これは私にとって、いったい何についてのことだろうか。
・この○○(たとえば、オエッ)という感じは何からきているのだろう。
・いったい何のことでこんなふうに感じるのだろう。
・このこと全体の私の感覚はどんなものだろう。

何が悪いのかを指し示すための質問もある。
・この中で最低なのは、本当のところ何だろう。
・このことの核心について、本当のところ私はどう感じているのだろう。
・何のことで、これほど○○(感じられた言葉:落ち着かない、気づまりな、落ちこむなどが入る)と感じているのだろう。
・本当にいい気分だと感じることを今邪魔しているのは、何だろう。

どうなったら正しいかを指し示す質問もある。
・これ(フェルトセンス)に必要なのは何だろう。
・新鮮な空気の方向に一歩進むと、どんなふうに感じるだろう。
・何があればほっと一息つけるだろう。
・このこと(問題)全体が声を出して話すとしたら、何を言いたがっているのだろう。

フェルトシフトが起こると、その問題への関わり方が変化する。
問題は完全には解決していなくても、「新鮮な空気」「ホッとする感じ」が起こり、「生を前進させるエネルギー」が見つかるという。

フォーカシング体験を終える前には、少し余分の時間をとって、内側に出てきたものを歓迎し、うけとり、内側で「ありがとう」と言う時間をとる。
これはとても大切なやさしい瞬間であり、私たちはそこで、これまでの変化のプロセスに感謝する。
またこの時間は、その場所に内側で印をつける時間でもある。
印は、その場所にまた後で帰ってきたい時のためのものである。
(つづく)


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心ある雑草。

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