忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

労働契約の期間

2018-03-31 11:14:12 | Library
(1)期間設定の自由
労働契約の期間とは、労働契約が存続する始期から終期までの時間をいう。
労働契約に期間を設定することもしないことも、期間を設定してその長さをどの程度にするかということも、下記の法的制限を超えない限り、労働者と使用者との自由である。

(2)期間の法的制限
使用者は、労働契約に期間を設ける場合には、原則として3年を超えることはできない。
ただし、例外的に、次の①の場合は工事等の完了まで必要な期間を、②③の場合は5年までの期間を、それぞれ設定することができる(労基法14条)
①長期の建設工事等の一定の事業の完了までに必要な期間を定める場合
②博士の学位を有する者・社会保険労務士・税理士・弁理士・公認会計士・不動産鑑定士・医師・歯科医師・獣医師・薬剤師・弁護士・1級建築士・技術士・システムアナリスト・アクチュアリー・特許発明者・登録意匠創作者・登録品種育成者・システムエンジニア等の高度の専門的知識等を有する労働者の場合
③満60歳以上の労働者の場合

(つづく)

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名前は、親が子供に送る、

はじめての手紙

なのかもしれない。



労働契約の成立

2018-03-30 09:47:55 | Library
(1)強制労働の禁止
使用者は、暴行・脅迫・監禁等の手段によって、労働者に労働することを強制してはならない(労基法5条)。

(2)労使間の合意による成立
労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し使用者がその労働に対して賃金を支払うことについて、労働者と使用者とが何らかの方法で「合意」することによって成立する(労働契約法6条)。
この場合の合意の方法は口頭によっても可能であるため、労働契約書の作成・就業規則の提示等の特別の方式は労働契約の成立に法的に不可欠の要素ではない。
しかし、労使紛争を防止するためには、労働契約書の作成・労働条件通知書の交付・就業規則の提示等の方法を用いることが望ましい(労働契約法4条)。

(3)就業規則の周知による成立
労働契約の成立時に労働条件の詳細を定めていない場合において、使用者が法令・労働協約に反しない合理的な内容の労働条件を定める就業規則を労働者に周知させていたときは、その労働契約の内容はその就業規則で定める労働条件となる(労働契約法7条・13条)。

(つづく)


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ペット不可。私にとっては、家族不可。

労働契約以外の契約

2018-03-23 10:54:53 | Library
労働者派遣契約との相違
労働者派遣契約とは、派遣元が、自己の雇用する(すなわち、労働契約関係にある)労働者(派遣労働者)を、その労働契約関係を維持したままで派遣先と労働契約を締結させることなく、派遣先の指揮命令を受けて派遣先のために労働させることをいう(労働者派遣法2条)。

労働者供給契約との相違
労働者供給とは、供給元が、自ら雇用する労働者又は事実上自らの支配下にある労働者を、供給先と労働契約させて供給することをいう。
すなわち、労働者供給は、労働者と供給先との間に労働契約が生じることにおいて、派遣先との間に労働契約関係が生じない労働者派遣とは異なる。
労働者供給を業として行う(すなわち、反復継続して行う)ことを、労働者供給事業という。
現在、労働者供給事業は、厚生労働大臣の認可を受けた労働組合が行うもののみが放認されている(職業安定法44条・45条)

請負契約との相違
請負契約とは、請負人が注文者から請け負った一定の仕事を完成し、注文者がその仕事の完成(仕事の結果)に対して報酬を支払う契約である(民法632条)。
請負契約の特色は、請負人が注文者から独立して自己の裁量で仕事を完成することであり、労働契約のような従属労働ではないことである(ただし、請負契約の遂行に最小限必要な注文者から請負人への指示は行われる)。
請負業者が独立した事業運営を行う能力がなくその工場内の作業の指揮命令を工場側が行っているときは、その請負契約は偽装であり実態は労働契約であると判断される場合がある。

委任契約との相違
委任契約とは、委任者が事務を処理することを委託し、受任者がその事務を執行する契約である(民法643条)。
たとえば、事業主が社会保険労務士に事務を委託することなどである。

業務委託契約との相違
業務委託契約・委託契約等と称する契約があるが、これらの名称の契約に関する法規制は現行法令には規定されていない。
これらの契約の実態は、請負契約又は委任契約であることがあるが、労働契約を偽装していることもある。

(つづく)

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本当にこわいのは

暴力ではなく、

それを恐れて

無口になることだ。

労働者性の判断基準

2018-03-22 08:36:33 | Library
労働契約は、労働者と使用者との不平等者間の従属労働関係に関する契約であるため、労働法は労働契約を保護している。
実態が従属労働関係であれば、その契約が請負契約・委任契約等の形式を偽装していても、労働契約関係と判断されれば労働法が適用される。
労働契約があるか否かを判断することは、当事者の一方が労働者であるか否か(労働者性)を判断することでもある。

一般的な従属労働の判断基準としては次のような事項があるが、この判断は各事項を総合して判断される。
仕事の依頼・業務従事への指示に対する諾否の自由の有無
業務内容・業務遂行方法への指揮命令の有無
通常の業務以外の業務への就労命令の有無
勤務場所・勤務時間の指定・管理の有無
業務への就労を他人が代替することの有無
報酬が賃金のような金額の相当性・時間への対応性・超過時間への支払の有無
本人からの機械・器具等の提供の有無
業務遂行上の損害賠償への負担の有無
他の業務との兼任の有無
源泉徴収の有無
労働保険の適用の有無
服務規律の有無

(つづく)

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20代の投票率、約35%。

60代の投票率、約75%。

あなたが政治家なら、

どの世代に向けて

政策を練るだろう。

差別的労働条件の禁止

2018-03-21 11:36:34 | Library
労働条件とは、労働者に対する労働契約関係におけるすべての待遇をいう(労働基準法1条)。
したがって、労働条件とは、具体的には、雇用形態・従事業務・就業場所・契約期間・賃金・退職金・労働時間・休憩・休日・休暇・休職・昇進・降格・配転・出向・安全衛生・災害補償・福利厚生・解雇・退職等のすべての労働環境を意味する。

そして、その労働条件の決定については、憲法14条に規定する「法の下の平等」の原則に基づいて、労働法においても次のように差別禁止規定が定められている。
(1)国籍・信条等の均等待遇
差別的取扱いは禁止されているが、労働能力が低いことを理由とした合理的な取扱いは、違法にならない。
このことは、以下においても同様であるから、労働者は留意せねばならない。

(2)男女雇用均等
この規定は、従来は女性差別を禁じるものであったが、現在では男女間の差別禁止を対象としている。

(3)男女同一賃金
使用者は、賃金について、女性労働者を男性労働者と差別的に取り扱ってはならない。
この場合の賃金は、定期賃金・退職金等のすべての賃金を意味する。

(4)パートタイマーの差別禁止
事業主は、通常の労働者(フルタイマー)と同視すべき短時間労働者(パートタイマー)については、賃金の決定・教育訓練の実施・福利厚生施設の利用その他の労働条件について、通常の労働者と比較して差別的取扱いをしてはならない(パート労働法9条~12条)。

(5)同一労働同一賃金法
この法律は平成27年9月に制定され、正式名称が「労働者の職務に応じた待遇の確保のための施策の推進に関する法律」である。
この法律の細部についてはその後3年以内に定められることとされており、現在はまだ定められていない。

(つづく)

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勉強のいちばんの成果は、

もっと勉強したくなることです。