忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

ブリーフミーティング⑩

2019-12-07 13:43:44 | Library
(9)事例提供者が「次の一手」を決定する
①自己決定することで責任感が芽生える
カタリストは、事例報告者が選んだものにマーカーで印をつける。
BMはメンバー全員が自分事として考える会議だが、最後の「次の一手で何をやるか」は事例提供者が自己決定する。
それにより「自分で選んだからには実行しなくては」という責任感が生まれる。
②自分が選ぶからこそうまくいく
対応策の中から次の一手を選ぶ際に、事例報告者は「いちばんやりやすいもの」「これだったらできそう」と思えるものを選ぶ。
つまり、ここでは事例報告者自身のリソースが生かされることになる。
「客観的にみてこれがいい」「この方法が効率的」というものでなく、事例報告者自身が「やってみたい」と思って選ぶからこそうまくいく。

(10)事例報告者の感想…感想が成果を物語る
カタリストは、事例報告者の決定後に、「今日のBMはどうでしたか?」と必ず聞くこと。

(11)次回開催日時等の確認…参加者意識を次につなげる。

(12)デジタルカメラ等で撮影…ホワイトボードがそのまま記録に残る。

(13)フォローアップ…認知し、実践し、効果を上げるために
私たちはBMを通して、解決方法を「知っている」(認知)から「やっている」(実践)のレベルに上げるだけではなく、「うまくできている」(効果)のレベルになることを目指している。
そこで大切なのは、対応策を実施し、それを評価し、次につなげることである。

ブリーフミーティング⑨

2019-12-06 15:13:56 | Library
(8)ゴールメンテナンス(必要な場合のみ)…「スモールステップ」で再考
ゴール設定を見直すことを、BMではゴールメンテナンスとよぶ
①対応策が出てこないときはゴールを見直す
ゴール設定ができても、メンバーからなかなか対応策がでてこない場合がある。
アイデアが浮かばないのは、ゴールの設定がしっくりこないためだ。
ゴールの設定が高すぎる、あるいは、抽象的で何をどうすればいいのかがわかりにくい場合などに、このような状況に陥りやすい。
この場合カタリストは、「もう一度ゴールの設定を見直して見ましょうか」というゴールメンテナンスを促す発言を行う必要がある。
事例報告者が設定したゴールを変える決断は勇気がいるが、アイデアが浮かばないままに無駄な時間を過ごすよりも、ゴールを見直すことでよりよい対応策を引き出す方がはるかに効率的である。
②ゴールが高いのでゴールを低くする場合
私たちは「こうなって欲しい」という思いが強く出て、ゴールの旗を遠くに立ててしまうことがある。
ゴールが高すぎるためにアイデアが浮かんでこない場合には、メンバーと一緒にゴールを低くできないか考え直す。
③ゴールが抽象的なので具体的にする
この場合には5W1Hの手法を用いて、「何が、どのように、どれくらいできるようになればいいか」が一目瞭然にわかるゴールに直すことが必要だ。
そこでカタリストは事例報告者に、「○○になるためには、まずどんなことができるようになるとそうなれるのでしょうか」などと行動レベルに落とし込むような介入をする。

(つづく)

ブリーフミーティング⑧

2019-12-05 15:39:00 | Library
(7)解決のための対応策…解決志向のブレーンストーミング
①思いついたことをどんどん発言
「解決のための対応策」は、ブレーンストーミングの手法を用いて、メンバーそれぞれの経験や知識に基づき、質より量の精神でどんどん発言していく。
前の人が出した案をアレンジしたものや、具体的にしたもの、新たにひらめいた対応策が次々と出され、ホワイトボードに書き込まれていく。
ポイントは「リソースを活用できるもの」「現実にできること」だ。
*ブレーンストーミングの4原則
1、アイデアのよしあしを判断しない
2、自由奔放を歓迎する
3、意見の量(数)を求める
4、他人とのアイデアの結合を求める
②リソースを活用できるもの
カタリストは、リソースを再度確認する。
これによりメンバーは、ホワイトボードを見ながら、それらを活用した対応策を考えるようになる。
何もないところから対応策を考えるのではなく、リソースを手がかりに考えることがポイントだ。
解決志向の発想の前提にある、「クライエントは、彼らの問題解決のためのリソースをもっている。
クライエント自身が彼らの解決のエキスパートである」のとおりである。
③現実にできること
解決のための対応策を考えるときのポイントの一つが、「現実にできるものであること」だ。
いくらすばらしいアイデアであっても、多くの予算が必要なものや、面倒な準備や長期間かかるものでは、すぐに実現することはできない。
お金・準備・手間がかからず、難しい技術を必要としないことなら、すぐにでも始めることができる。
④「こんなこと言って大丈夫かな?」と思うことが解決を生む
解決志向のブレーンストーミングでは、互いの意見や知識に触発されて多様な対応策が出やすく、「こんな方法でもいいのだろうか」という遠慮がちながらも解決に焦点を当てた発言が増えてくる。
出された意見を否定せずに受け入れ、さらにそれを活用して新たな方法を考えつくのも、解決志向というルールのもとで行う会議の醍醐味である。

(つづく)

ブリーフミーティング⑦

2019-12-04 15:30:22 | Library
(6)「今日のゴール」の設定…スモールステップ&行動レベルで具体的に
①ゴールの設定は事例報告者が行う
「今日のゴール」の設定は、事例の状況をいちばんわかっている事例報告者が行う。
事例報告者は事例報告や質問・リソース探しをしている間に、解決したいこと(変化を起こしたいこと)が明らかになると同時に、自分でも気がついていなかったリソースにも気がつく。
その中で、「どのようになってほしいのか」というゴールを、具体的にイメージできるようになっていると思う。
事例報告者自らが「こんな姿になっていたらいいなぁ」と語ることでゴールの設定を行う。
当人による設定が難しい場合には、メンバー全員でゴールを考え、事例報告者に「このゴール設定でいいですか」と確認する。
②よいゴール設定のために、その1
事例報告者がゴールを設定するときのポイントの一つは、スモールステップで考えることだ。
BMでのゴールは、ほんの少し努力すればできそうなことや、いまできていることに少しだけ変化を加えればいいようなこと、そして、メンバーが「それくらいならできそうだ」と納得でき、成功体験を味わうことができるようなゴールの設定を行う。
高望みするのではなく、「きっとできる」と思えるレベルのゴールを設定することがポイントだ。
③よいゴール設定のために、その2
ゴール設定の二つめのポイントは、ゴールが抽象的ではなく具体的で行動レベルになっていることだ。
行動レベルとは、「いつまでに○○(具体的な行動)ができるようになる」というものだ。
ゴールなので「いつまで」という期限を決めることが大切だ。
そして、原因の解決に焦点を当てるのではなく、新たな解決や未来をつくるという発想でゴールを設定する。
具体的なイメージをメンバー全員が共有できれば、次の「解決のための対応策」を得るためのブレーンストーミングでの発想がより豊かになってくる。
④よいゴール設定のために、その3
うまくいっていないことを減らそうというゴールではなく、いまできていることを増やすという発想でゴールを考えるとよい。
したがって、「~をしなくなる」といった否定形のゴール設定は避ける。
次の段階の解決策を考える際に、否定形のゴールで考えるよりも肯定系のゴールで考える方が、ひらめきやすく、ポジティブな思考へとつながっていく。
⑤数値化することで変化に気づく
行動がイメージできたら、次はその行動が一日何回、1週間に何回、など、どのくらいの頻度や時間でできるようになればいいか数値化する。
数値化することで、変化に気づき、成長を確認できる。

(つづく)

ブリーフミーティング⑥

2019-12-03 14:49:33 | Library
(5)見立て…状況に合った対応を行うために
①無意識の中でメンバーが個々に行う
BMは短時間で行う会議なので、見立ては事例報告を聞きながら無意識の中でメンバーが個々に行う。
ここでいう見立てとは、今回の事例の状況・状態を把握したうえで、自分なりに「もしかしたら~があったからかもしれない」と想像すること。
その見立ては仮説であるから、見立てが合っているときもあれば間違っているときもある。
個々で見立てを行うよさは、それぞれの見立てに応じて多種多様な対応策が出てくることだ。
もし見立てをひとつに絞り、それに向かって対応策をたくさん出しても、見立て自体が間違っていたらなにもならない。
いろいろな仮説のもと、「どうなっていればよいか」という具体的行動レベルでのゴールイメージに向かって対応策を考える方が現実的だ。
②専門家の見立てを解決に役立てることも
事例のなかに専門領域における課題や問題が含まれていると感じた場合には、専門家に見立てを求める場合もある。
その場合でも、「原因探しのためではなく、解決に役立つために」という考え方で行うことが大切だ。
見立ては、原因を探るためのものではなく、行動を理解するためのものでもある。

(つづく)