先日の日記で、久しぶりにものを食べるということができたことについて書いた。
あれから数日。
入院食も少しずつ変わってきた。
前回、少し紹介したのがゼリーの食事。そして、その食べづらさについても触れた。
ゼリーなんて、固くもなく、噛む必要もない。小さな子供でも簡単に食べられる食材なはずなのに、なぜまともに飲み込むことができないのか自分なりに考えながら食べ続けていると、大切なことに気付いた。
それは、『食べる』という活動には、『呼吸』が必要だということ。
普通に考えると、食べるのは食材で、呼吸するのは空気。それぞれ、別の目的で行われる活動だ。
しかも、誤って食材を気管に吸い込んでしまったら大変なことになる。
しかし、今回、食道と気道とを切り離してみると、食べる活動にも呼吸の力が大いに役立っていることに気が付いた。
簡単に言えば、口に含んだ食べ物を食道に運ぶ手伝いを、人間は、無意識のうちに吸気を使って行っているということ。
食べ物が気管に入らなければいいわけだから、そこまでを吸引力で運んだら気道を閉じてしまえばいい。
こんなこと、いちいち考えながらやっているわけない。
だけど、それを生まれた時から続けてきたから、ものを食べたり飲み込んだりする活動が簡単に出来ていたのだ。
さて、現在のマタギは、気道が閉ざされてしまった状態。
この状態で、どうすれば、この苦境を打破できるのか。
数日間、色々試していくうちに、いくつかコツがあることが分かってきた。
おかげで、当初は、1食食べるのに1時間もかかっていた食事が早く食べられるようになり、量的にもしっかり食べられるようになってきたのだ(詳細省略)。
そうなってくると、調理部門の方々も食事の質を変え始めるんですね。
最初期の食事
ご飯もおかずも、ポタージュまでゼリーです。
翌朝のご飯
なんと、みそ汁までゼリー!
これが食べられるようになると、1ランクグレードアップしました。
おかずがゼリーじゃなくなった
ピュレという名称がついていました。
トマトピュレなんかと同じ意味だと思います。
これが、ゼリーと違って素材の美味しさを舌で楽しめて嬉しいんです。
ちなみに、写真のピュレは、手前が『肉じゃが』で奥が『赤魚の味噌味』だそうです。
姿は全く分かりませんけど、味がちゃんとしているから嬉しい(病院食だから薄味だけど)。
そして、次の段階、
本日は、ご飯が変わりました
分かる?
お粥です
柔らかいけど、確かにご飯粒です。
嬉しいねえ!
本当に久しぶりですよ。
確かに、液体よりもゼリーよりも喉に引っかかる心配はありそうです。
でも、もう大丈夫。
何日もかけて呼吸を使わずに喉に送り込む食べ方を覚えたもんね。
完食です
ああ~、美味しかった。
小さい変化だけれど、大きな喜び。
これを積み重ねながら日常に近付いていくんだね。
ご馳走様でした!
春は、もうすぐそこまで来てるかな?