山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

すっぱいナメコ???

2022年11月25日 | キノコ採り

 むか~し昔、欲タガリのマタギが山の中を歩いていました。

「キノコ、ねえがなあ。生えていたら、根こそぎもらって食ってしまうんだけど。」

そんなマタギの願いがかなったのでしょうか。立ち枯れのナラの木に、それはそれは美味しそうなナメコが生えているのを見つけました。

       立木のナメコ

「おおっ、こりゃ旨そうだ。いただこう!」

けれども、そのナメコが生えている場所は高すぎて、マタギがどんなに頑張っても手が届きません。

 とうとうマタギは諦めて言いました。

「ふん。どうせあのナメコは酸っぱいんだから、採っても無駄なんだよ。」

 ・・・家に帰ったマタギは、まだ諦めきれません。

「どうやったらあのナメコを採れるだろうか。」

1週間考えた結果、こんなものを準備しました。

       高いところ用、キノコ採りアイテム

 鎌と棒(渓流用の継ぎ竿)をつなぐと、

       こんな感じ(もっと伸ばせます)

結構高いところまで届きます。

  このネットは、フレームをひねると小さくまとまってポケットに収まります

「へっへっへ。あのキノコが本当に酸っぱいか美味しいか、これで試せるぜ。」

 そうして、A氏と山に出掛けてみると、

       こんなのや

       こんなのも

結構、簡単に採ることが出来ました。

 二人で力を合わせる(切り落とす係とすくい取る係に分かれる)と、更に効率的に採ることが出来るようです。

 おかげさまで、

       良いナメコが採れました

 食べてみると、酸っぱい!   わけないよね。

 美味しくいただくことができました。

 

 山の神様、A氏、ありがとさまでした。

 やっぱり、欲タガリは欲タガリらしく、諦めねえどいいみでえだ。

 頭も身体も使って元気になった。

 雪の季節も近づいてきたけど、もう少し、遊ばせでけろな。

 とーびんさいすけさいざぶろう。 チャンチャン


キノコとタラコは仲よし!

2022年11月24日 | キノコ料理

 サッカーWC、ビックリした!前半と後半で、全然別の対戦みたい。正直なところ、「無理」と思っていただけに、驚きと喜びも大きいっす。次も頑張れ!JAPAN!!

 実りの秋、収穫の秋を長いこと楽しんできた。今年の秋は、マタギにとっては豊作と言って間違いないでしょう。そんな中で、

 「こんな時だから、色々な料理が試せるじゃない。」という妻の声が、閃きを呼んでくれた気がする。

 思いついたのだ、この料理を。

       今年のムキタケは高品質

 そもそも美味しいキノコなんで、色々な料理方法を試してきたんだけど、ハタと気がついたことがあった。このキノコを常備菜として利用したことがなかったのだ。『ノドヤケ』を常備菜には出来ないけれど、『山のフカヒレ』(どちらもムキタケの別名ね)なら常備菜に出来るんじゃないか?

 だとすると、

  ポクポクポクポク チ~ン

    ≪山のフカヒレ 炒りたらこ和え≫

 今年の初めに石巻から送られてきたお魚。

       デーンと寒ダラセット

 とてもでないけど食べきれなくて、手前のタラコを冷凍保存しておいたのだった。

       炒りタラコにして冷凍してありました(1つ270gありました)

 これをムキタケと組み合わせてみましょう。イメージとしては、イカのカズノコ和えに近いかな。ただ、そもそもヌメリがあるから、昆布とかを使う必要はないと思う。

 早速始めます。

 下ごしらえ・調理の部

 ・画像のように、密封しておいた炒りタラコを40℃のぬるま湯に浸けると戻ります

 ・水にさらしておいたムキタケ(400g)を薄切りにしました

       こんな感じ

 ※ヌメリがあって小さく切れませんが炒めると縮みます

 ・干しかけの大根の皮(厚いところと薄いところ各4㎝)を

 ・千切りにしましょう

 ※歯ごたえが欲しかったので

 ・ニンジン1/3本も千切りに

 ※彩りが欲しかったので

       使った調味料はシンプル

 ※炒りタラコに下味が付いているので

 ・中華鍋にゴマ油を敷いて野菜類を炒めます

 ・油が回ったらムキタケも加えて和えます

 ※水分が出てくるので、火を弱め、蓋をして5分ほど放置

 ・蓋を開けるとツルツルになっています。炒りタラコも加えて、

 味を見てみると、ちょっと足りない。でも、ここは、塩じゃないね。予定を変更して、醤油を加えました(香りが立つのだ)。

 ・いい感じに水分が飛んだら出来上がり

 ※醤油を入れるタイミングは、あまり早すぎない方がいいと思う(焦げ臭くなりそう)

     左がノーマルバージョン 右はラー油を加えて弁当バージョン

 食べてみると、味もさることながら、食感が独特。

  『とろっ・こりっ・ぷちっ・つるっ』

 面白旨い!

 いやあ、やってみるもんだ。山海の珍味が一つ増えたぜ。

 多分、この料理は、世界中で、誰も食べたことがないものじゃないかな。

 ま、そんなことは、どうでもいいか。

 海の幸と山の幸のセッションとでも申しましょうか。二人の相性が良くてよかった!そして、野菜君達も良いアクセントになってくれました。

 食材みんなに、 ありがとうございました!


下を向いて歩こうよ

2022年11月23日 | 日記とレシピ

 上を向いて 歩こうよ ・・・

       おらほの山は、冬支度

       銀杏も それは見事に色づいた

 ああ、美しい季節の移り変わり。上を向いて歩くと、こんな素晴らしい気づきが待っている。

       しかし 下を向いて 歩こうよ そうすれば

       季節の贈り物がいっぱい

 やっぱり、実りの秋、収穫の秋ですよ。

 本日の職場での昼の散歩は、半分で止めておいて、ギンナンを拾い集めましょう。ということで、とりあえず100個程いただきました。翌日が夜勤なので、翌朝に調理することにしました。

 そして、翌日。下ごしらえから始めるんですけど、屋外ですよね。

 ・お湯を張ったタライにギンナンを入れて皮を剥いていきます

 ※剥き剥がした果肉と皮は、酒パックへ

 ・ざるに移してガチャガチャ洗うと、家の中に入ることが許されます

 ※意外とあっさり終わります。

 魚料理みたいに匂いが残ることもないような気がします。

 もう一手間。今回は、殻を割ってしまいましょう。

       色々準備したんですけど

 ・ペンチで挟むのが一番簡単みたい

       はい、出来上がり

 調理に入ります

 実(じつ)のところ、果肉を取るところよりも、この薄皮を剥くところの方が厄介なんです。で、今回は、3通りの方法を試してみました。

 その1:揚げてみる

 ・160℃の油にギンナンを入れて、菜箸でコロコロやってると

 ・あら不思議。皮が剥けてしまいました

 ・塩をまぶすと完成。極めて美味しい!!!

 その2:茹でてみる

 ・水から茹でて沸騰を待ちます

       沸騰したんだけど

 皮が剥けたものと剥けないものとに分かれてしまいました。剥けたものはきれいに仕上がりますね。

 その3:レンチン

 これは、去年までやっていた方法です。

 ・封筒に10個あまりを入れて入り口を折りたたんだら、600w1分

 これも、皮がうまく剥けるものと剥けないで実にくっついてしまうものとに分かれてしまいました。

     奥が揚げたもの。左手前が茹でたもの。右がレンチン。

 どう見ても、茹でたものが美しい。ただし、一番手間がかかる。さて、残り半分をどうするか。

   ポクポクポクポク チ~ン

 揚げましょう!

 何てったって、簡単で一気に出来る。1回目でシワシワになったのは、時間をかけすぎたからだと思うから、2回目は、皮が剥けたものからどんどん取り出してしまいましょう。

 それでは、第4ラウンド開始!

       多分60個ぐらいを一気に入れてみました

 ・皮が剥けたらどんどん取り出します

       なんだか、1回目よりもきれいな感じ

 どういう訳か、我が家族は、美味しいものが出来上がると、何も言わなくても台所に集まってくる習性があるようで、早速摘まみ食いを始めている。

「ギンナンは、いくら美味しくても食べ過ぎはダメだからね!」

「分かってます。」

と言いながら、だんだんなくなっていく。

 まあ、ホントに美味しいから仕方がない気もします。揚げて軽く塩 この食べ方は、掛け値なし、老若男女問わず誰にも美味しいと思われます。

 後で調べ直してみたら、塩をかけずに、そのまま冷ませば、茶碗蒸しなんかにも使えるらしいです。 ますます気に入った。

 次の昼休みにも、拾ってこようかな。

 下を向いて 歩こうよ お土産に 出逢えますように ♫ ね!


久しぶりにナメコの瓶詰め

2022年11月22日 | キノコ料理

 大儲けのキノコ採り。持ち帰ってから、あらためて見ると、

       今シーズン一番の収穫かも

 容器毎に積まれたキノコの高さを見てほしい。キノコも積もれば山となるという状態です。思わず、にやけてしまいます。

 冷静に考えてみると、そんなにすごいっていうわけではなくて、単に一人で行ったから沢山持ち帰れたと言うこともできます。これを、二人で採れば、持ち帰りは半分になるし、三人なら1/3になるんだから。その辺のことを考えると、「仲間に声を掛けて出掛ければ良かったかな。」なんていう思いも湧いてくるんですね。

 ま、なったものは仕方がない。あとは、このキノコちゃん達を美味しく調理するのが、採ってきたものの務めということでしょう。それから、このキノコを引き取ってくれる人がいたら大盤振る舞い出来そうな気がします。このことを妻に話したら、少しは当てがありそうな感じ。ただ、それ以上に自分自身が目を輝かせている。聞いてみると、

「こういう時なら、色々な料理が試せるじゃない。」

とのこと。

 確かに、これだけあったら、ナメコもムキタケも色々な料理を試すことが出来そうだ。

 それはそれでいいことなんだけど、残念ながら、このままでは美味しいうちに食べ切るのは不可能。賞味期限の1週間(?)以内に全てを消費するのは、さすがに無理ですね。

 ということで、本日は、ナメコの瓶詰めをつくって保存します。

 もうちょっと説明をすると、山菜やキノコの長期保存方法は、塩漬け・乾燥・瓶詰め・冷凍の4通りあります。で、ナメコの場合、塩漬けと乾燥は、なんだか不向きな気がするのでやったことがありません。残るは、瓶詰めと冷凍なんですけど・・・。

       冷凍庫のキノコスペース(下までぎっしり)

       冷蔵庫の冷凍室(こちらも満杯)

ついでに、

       冷蔵スペースもキノコだらけ

 こうなると、残る保存方法は瓶詰めだけ、ということになります。必然です。早速始めます。

 下ごしらえの部

 ・いつも通り、木片などを切り離したら、数回かけて汚れを洗い落としておきます

 ※今回は、ナメタケを作って保存するので加熱はしませんでした

 ・鍋と保存瓶にお湯を入れて熱しておきます

 調理の部

       このぐらい使ってみました

 ・中華鍋にナメコを1.5㎏ほど入れて(2回に分けました)、水4カップと、酒醤油みりん各大さじ5を加えて煮込みます

 ※ここで完全に火を通すため沸騰させますが、最初にアルコール分が沸騰し、次に水分が沸騰するのでよく観察しながら

 ※ヌメリがあるので、泡立ちが大きくなります。中盤以降は火を弱めて、ふきこぼれないように

       こんな感じで進めました

 ・ナメタケが出来たら、瓶の中のお湯を空けて代わりに注ぎ入れます

 ※ヤケド注意

 ※ナメタケは煮詰めれば濃厚になっていくんですが、瓶詰め用は、ほどほどに。その方が、後々多用途に使えると思います。

 ・ギリギリまでナメコと煮汁を注いだら軽く蓋をします

 ・鍋にも蓋をして15分ほど茹で続けました

 ※瓶の中が水蒸気で満たされるように

 ・瓶の蓋をギュッと締めて、消火

 ・鍋から出したら、即座にしっかり締め直す

 ※これも、ヤケド注意。成功すれば真空になるはず

この辺りからは、『タケノコの瓶詰め』と同じです。

 ・逆立ちさせて冷めるのを待ちます

 ※上の気泡は、水蒸気(のはず)。冷めると水に戻って真空になる(はず)

       3時間後、瓶の蓋が中の真空のために凹みました

 一応出来たぜ!

 ナメコも汁も沸騰させて、更にしっかり茹でて空気を追い出したから、多分大丈夫だと思うんだけど、暫くは見える場所に置いて観察します。

 もし、酸化とか発酵とかが起これば、蓋が膨らむので、その辺をチェックします。

 かなり時間がかかったけど、瓶詰めが出来てしまえば何年でも保存がきくし、好きな場所に保管が出来ます。これで、山の神様からのプレゼントを美味しく戴く準備が出来たことになります。多分、冷凍庫のナメコを先に使うことになるはずだから、君たちの出番は、大分後になるだろうな。

 その時には、よろしくね!


もうけ空と儲け山

2022年11月21日 | キノコ採り

 本当は奥山のH川に入る予定だったんです。でも夜来の雨。明日の降水確率も50%と高いし気温も低そう。少々身の危険を感じたので諦めて自宅待機と決めました。

 ところが、翌朝、起き出してみると雨がすっかりあがっている。雨雲レーダーを見ても、暫くは降る気配無し。じゃあ出掛けるべきでしょう。なんと言っても、山菜も含めたキノコシーズンの終末が、もう目の前まで迫ってきているんだから。

 ただ、H川では遠すぎるので、近場で最近開拓中のO周辺に目標地点を切り替える。

 大急ぎで用具の準備をして出発する。いつもより2時間遅れ。もう、出勤のための混雑が始まりつつある。だからと言って渋滞に巻き込まれることはないはず。なんてったって目的地は、冬季閉鎖に入った林道だ。この時間帯にそちらに向かう人間はマタギぐらいのものでしょう。案の定、スイスイと車は進む。

 いつもだと出勤途中に聞く天気情報が車中に流れる。その中で、奇しくも山形のリスナーの方のお便りが読まれた。「昨日の山形は、天気が悪い予報だったのに雨も降らずもうけ空でした。」というもの。へえ、面白いたとえをするもんだと感心しながら聞いていたが、もしかすると、今の状況もそうだよなと思い当たった。目的地について車を降りると、

       まさに、もうけ空です

 昨夜の雨が嘘のようにあがって、青空が広がっている。思い切って出掛けてよかった。本当に儲けた気分です。

 身支度を整えて、雑木林に分け入る。

       第一号発見

       ムキタケは相変わらず超良質

 地図を見ると、この辺に昔の道形があるはず。伐採だか植林だかのための新しい道もあるから分かりづらいんだけど、それを探して辿ってみることにする。

 多分これじゃないかなという踏み跡を見つけたので辿っていくと、

       おお、なかなか良いじゃないの

       密ではないけどサイズ的にはいいかな

 丁寧に採らせていただきましょう。

       これは、次回用に残す分

 さすがにこの山は豊かだ。ホクホク気分で踏み跡を辿っていくと、

       おおっ、これは!

 

       食べ頃の

       開きナメコです

 喜んで採り始めたんですけど、この素晴らしい恵みを独占してしまっていることに少々の後ろめたさを感じます。

 ま、仕方がないんだけどね。今採らなければ、時を逸してしまうんだから。また仲間に声を掛けて訪ねればいい。ここは、余計なことを考えずに山の神様からのプレゼントを戴きましょう。

 間もなく、リュックがずっしり重たくなりました。

       本当に良い空です

       太陽も高度を上げてきました

 間もなく、地図上の車道に出合い、車に戻ります。ここまで、誰とも会うことはありませんでした。聞こえてきたのは、アカゲラだかアオゲラだかのかん高い声だけ。こんなにのんびりと山遊びを堪能出来たのは久しぶりかもしれません。

 この天気、大儲け。この収穫も、大儲け。本当にありがたい一日になりました。

 山の神様、天気の神様、ありがとうございました。