山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

ナラタケ部隊、配置完了かな?

2022年10月26日 | キノコ料理

 今回の収穫物は、かなり多かった。今回同行出来なかった向かいの住人に、たっぷりとお裾分けを置いてきても、まだ3㎏ある。これを悪くなる前に食べ切ることは出来ない。したがって、保存食も含めた食糧計画を立てなければならない。どうする?

   ポクポクポクポク チ~ン

    ≪ナラタケ料理色々≫

 全然答えになってないじゃん。でも、実際、色々作ることにしたんだから、こういうネーミングになってしまいます。それでは、

 下ごしらえの部

 ・ゴミが入ろうと葉っぱが入ろうと構わずに熱湯で湯がきます

 ・湯がいたキノコを冷水にとってから、汚れを取り除きます

 ※何回か説明しているけど、身を締まらせるための作業です。5回繰り返しました。

       この間、ナメコは塩水で虫だししました

       ナラタケの準備が出来ました

    ナメコの方も下ごしらえを済ませて冷蔵(今日は無理)

 調理の部

 ここまで来ると、ナラタケは、非常に便利なキノコです。本日調理する分を除いて保存してしまいます。

 その1 冷凍ナラタケ

 ・1食分ずつ真空パックして冷凍庫へ

 ※これは、食べたいときに解凍すれば、いつでも食べられます(半年は保存OK)

その2 塩漬けナラタケ

 こちらは、2日かかります。

 ・それなりに多くの塩にまぶして落とし蓋と重し

 ・重しをしたまま一晩おくと水が出てきます

 ・水を流したら

 ・さらに、たっぷりの塩をかけて

 ・1回分ずつ袋に真空パック

 ※塩出しをすれば食べられます(多分、何年間も保存可能)

 さて、その3 即戦力 です。

       ナメタケにしました

 ※1週間以上は持ちます。なくなるまで、毎日楽しみます。

 ※酒醤油みりんで煮込みます。右側は、辛い味付け

       こんな風にして楽しみます(直接ご飯に乗せても旨い)

 即戦力その2 椀物に

 多分、和洋中華、どの種類にも合うと思います。今回は、山形名物の『芋煮汁』に使いました。

 このナラタケというキノコ、一般市場には、あまり出回らないから知られていないと思うんだけど、すごく美味しいです。

 ああ、幸せ。

 こんな恵みを与えて下さる山の神様に感謝して、いただきます!

 ・・・ここまでで、かなりくたびれました。もう無理です。ご飯が片付いたらお休みなさい。


紅葉狩りと茸狩りの季節

2022年10月25日 | キノコ採り

 夜明け前、迎えに行くと珍しくM氏の家の前にハケゴがない。出てくる気配も無い。何かあったかな?

 失礼とは思いながらも携帯に電話を入れる。

 間もなく、ドアが開きM氏が出てくる。

「ごめん。忘れっだわげでねえんだけどよう・・・。」

昨日、確認の電話を入れなかったのが、まずかったようだ。

「いや、こっちこそ。で、どうする?」

「今日は、いいはあ。」

「んだが。んだら、また後で日にち決め直すベ。」

「わりいなあ。」

こんなやりとりの後で出発。単独行だ。まあ、たまにはこんなこともあるでしょう。気持ちを切り替えて、キノコ山に向かう。最大の目的は、前回見置きしてきたナメコである。

 車止めに到着。先行者なし。多分、この周辺数㎞にわたって存在する人間は、私だけだろう。この状況を「怖い」と言う仲間もいれば、「楽しい」と言う仲間もいる。私は後者だ。何てったって、自然の独り占めだぜ。しかも、なんの気兼ねもなく新しい採り場探しが出来るんだから。

 そうは言っても、本日は、目的地がピンポイントで決まっているので、そんなに彷徨することはない。せいぜい、季節の進み具合を楽しむぐらいだろう。スズメバチ対策のスプレーと熊鈴とナタを準備して歩き出す。

       錦秋と言って良いでしょう

       ブナ林は黄色く染まる

これまで暗かった森の中が、パアッと明るくなった感じ。この踏跡を辿っているだけで、来た甲斐があったと満足してしまう。

       途中の倒木にも

       出始めていますね

いよいよ、ナメコシーズンに入った感じ。そして、めざす倒木は、

       出てますよ!でも・・・

 なんだ?ナメコがサワモダシに入れ替わってる?

       あっちにもこっちにもサワモダシ

これはこれで非常に嬉しいんですけど、前回見置きしたナメコはどうなっちゃったの?よく見ると、ナメコも出てます。

       画像の左側はナメコ

       確かにナメコだけど

 根元に、一度採られた痕跡が残ってますね。ということは、前回、我々が見置きしていった直後に入り、大きめのツブだけを採っていった人がいるというわけだ。それから3日程過ぎて入ってみたら、採り残した小ツブがここまで育っていたということね。残っていただけでも御の字。戴きます。

 しかし、驚くべきなのはサワモダシ。4日前に何の気配も無かったのに、これだけ発生するものなのか。

       こちらの群落なんか盛期を過ぎつつある

 前回、手遅れになってしまったことを悔いたけれど、この成長の早さを考えると、なんだか、「遅れても仕方がない」と言う気がしてきますね。

 それにしても、すごい量だ。「あ~あ、この感動をM氏と分かち合いたかったなあ。」

 まずは、M氏の分を採りましょう。

 それから、我が家で楽しむ分を戴いて帰ることにします。モダシ採りでは珍しく、リュックがずっしりと重たくなりました。もう十分です。途中、2、3カ所の新しい倒木を点検しながら戻りました。振り返ると、

       見えるかな?

朝日連峰の主峰には雪が降り始めたようです。

 いよいよ晩秋。秋と冬のせめぎ合いが始まりますね。

       東斜面が明るくなってきました

       雨上がりなので、殊の外爽やか!

 この素晴らしい景色と、自然からの恵みを独り占めしてしまったことに、ちょっとだけ罪悪感を感じつつ、充足感に満たされながら山を下る。

 山の神様、ありがとうございました。

 M氏、お土産、届けるからね。この次こそ一緒に感動を味わいましょう。


アップルパイの頃になりけり

2022年10月24日 | 日記とレシピ

 廚より 香気漂う 早 林檎頃となりしか・・・

       台所で見つけた『紅玉』 

 妻に聞けば、何やら少なからず手に入ったらしい。

 ああ、そういう季節になったのね。だったら1個ちょうだい。作るのは、

   ≪アップルパイ≫

 近年、作ることが多くなったパイだけど、紅玉が出てきたとなったら、何はなくてもこれです。

 そんでね、これまでやってきた作り方をまとめてみると、この料理は超簡単になったということになるんです。理由の根源は、『冷凍パイシート』を使うようになったから。このことに伴って、ラクチンになることが沢山あるんですね。

 ただ、そこにあぐらをかいているだけではつまらないから、もう一工夫して楽しんでみましょう。

 早速開始。

 下ごしらえ・調理の部

 ・卵黄1個分に少し水を加えて、溶きほぐしておきます

 ・林檎は、普通に皮を剥いて、芯を外しておきます

 ・幅3~5㎜の銀杏切りにして、皮と一緒に耐熱ボールへ

 ※今回は、ここが変更点と言うか、キモになります

 ・砂糖60gとレモン汁少々を加えて

 ・600w3分レンジ

 ・その後、よく混ぜてから、2分間加熱追加。リンゴ終了(シナモン忘れた)

 ・解凍したパイシートを2枚×4対に切ります

       分かる?このリンゴの色

 ・下のシートにリンゴを乗せたら、飾り包丁を入れたシートを被せてフォークで縁を止めます

 ・照り出し用に卵黄を塗って、200℃11分焼いてみたら

       ゲゲッ、焦げすぎじゃない?

  第二陣、出撃!

       今度は正方形に切って折りたたんでみました

 ※今回の工夫の効果 皮を入れて加熱した効果で、リンゴが非常に美しく染まったんですけど・・・

       たたんだら、見えなくなるわな

 ・今度は、170℃11分焼きました

 前回の、『マロンパイ』のように、ただし、今回は冷めないうちにグラニュー糖を振り掛けました。これで完成。

 結構、よい出来映えだと思うんですけど、大きな課題が残りました。

 その1、せっかく美しく仕上げたリンゴを視覚的にも楽しめるものにすること。

 その2、うちのオーブンで焼くときの温度と時間設定の仕方を極めること。

 

 ま、毎年作る物だから、急がず休まず工夫を重ねていきましょうかね。

 ちなみに、パイを切ると

       麗しいリンゴが姿を現してくれました

したがって、パイにかぶり付くんじゃなくて、上品に切り分けながら戴くとよろしいかも。

 結局、胃に入ったら同じだからと言うお方もいましたが、みなさんお好みの食べ方で楽しんでいました。作者としては、味覚と嗅覚と視覚で楽しんでいただきたいんですけどね。・・・分かった。次回は盛り付け方を変えてみます。

 そして、ごちそうさまでした。やっぱり紅玉のアップルパイは美味しかったです。

 で、最初の方で書いたように、この料理は簡単なんですね。

 マタギにとっては、何てったって『洗い物が少なくて済むこと』です。そして、『加熱器具が一つで済むこと』も魅力ですね。更に、『時間も労力もかからないこと』が、とても貴重です。

 いいことずくめのアップルパイ。シーズンに1回と言わず、何回も作りたいお菓子です。

 まだ、『アップルパイの頃』は続きますから、いろいろ試してみようかな。


ぬかったか!?キノコ山訪問

2022年10月23日 | キノコ採り

 なんだかんだで2週間あまり行けていなかったキノコ山に出掛けることが出来た。本日は、夜勤日なのだが、M氏との日程がうまく合うのが今日しかないので仕方あるまい。

 雨雲レーダーを見ると、大きくない雨雲が次々と流れてくる感じ。今日も、ずぶ濡れかなと覚悟していたんだけど、車止め周辺は濡れていなかった。雨雲が別の所を通ってくれたようだ。ラッキー。

       遙かな峰が見える

キノコ山周辺の山々も見通せる状態だから、暫く雨は降らないんじゃないかな。身支度を整えていつものコースに出発。

 しかし、ラッキーだったのは、ここまでだった。

 途中に転がっている倒木という倒木にキノコが大量発生しているのだけれど、

       手遅れです

胞子が落ちて、傘や柄が黒変している。何年か前の大豊作の時に匹敵するような量なのだが、完全に出遅れてしまった。ぬかった!

 多分、1週間前ぐらいにピークを迎えたんだと思うんだけど、その頃って、仕事とボランティアもピークだったんだよね。

 唯一出掛けたのが栗拾い。あの時点で栗拾いを止めてキノコ山訪問という選択肢は、なかったと思う。だって、キノコの方は、まだまだ先だと思っていたんだもの。

 これは、マタギの読みの甘さ。仕方があるまい。

 食べられそうなサワモダシも、全くないわけではないから、たとえ僅かでもいいから戴いて帰りましょうということになった。

       意外と藪の中に食べ頃のキノコが生えてる

少しずつハケゴに入れながら、本日の目的にしていた木に着いた。すると、おおっ!

       ナメコが出始め

       残念ながら、採るにはまだ早い

 あ~あ。次に来るときには、絶対誰かに採られてるでしょうね。でも、これも仕方がない。間が悪かったということだ。自然相手の山業では、よくある話だ。

 でも、サワモダシもナメコも、他の倒木から発生し始めたものを見つけた。完全に採られてしまうようなことはないと思う。

 途中の落葉松林では本日も、

       プリンセスです

うちの分はあるので、こちらの林の収穫物は、M氏に持ち帰ってもらった。

       ブナ林が黄色く染まっている

 木々もキノコも、秋の深まりを教えてくれました。

 ちょっとずつでもいいからと摘んで持ち帰ったキノコは、

       このぐらい

 ナメコには早すぎ、サワモダシには遅すぎ。勿体なかったけど仕方がない。未練が残らないと言ったら嘘になる。けれど、前回のサワモダシよりもずっと多いじゃないの。これなら、十分キノコ料理を楽しめますよ。

 山の神様、お裾分けをありがとうございました。できることなら、次に遊びに行ったときにも、少し残しておいて下さいネ。

 サワモダシは、下ごしらえだけ済ませて、ひと休みしてから夜勤にでかける。


さすがは親分!

2022年10月22日 | キノコ料理

 本日の山からの戴きもの。

       キノコのプリンセス、ハナイグチです

 何かに似ていませんか?

 そうです。ナメコによく似ています。この色といい、艶といい、ナメコにそっくりです。

 ただし、大きな違いが幾つかあります。その一つが大きさ。

       こっちがナメコ 同じ入れ物に入れたところです

 同じように出始めのツブなんですけど、大きさが全然違います。そんなわけでマタギは、このハナイグチのことを『ナメコの親分』とも呼んでいます。

 で、このキノコ、大きい上にナメコのようにツルンとした食感が魅力。さあ、どうやって食べようか。まずは、下ごしらえですね。

 ・軽く洗って、塩水に浸けて虫だしします(最初の画像、殆どない)

 ・軽く湯がいてから、細かい汚れを落としました

 お昼に蕎麦を食べるというので、小粒の物だけ選んで、キノコ蕎麦にしました。

       ボリューム満点のナメコ蕎麦という感じ

 美味しかった!さすがはナメコの親分です。食感は、ナメコにそっくり。ただし、ほのかに針葉樹の香り。これは、松の葉の香りですね。秋に落とした、落葉松の葉から栄養をもらって育つこのキノコは、ナメコにはない香りを持っています。そこが、なかなかお上品。さすがプリンセスとも言えます。

 さて、大ぶりな方だけど、ちょうどセンボンイチメガサのナメタケがなくなったところだったので、代わってもらいましょう。ということで、作るのは。

  ≪ハナイグチのナメタケ≫

となります。

 作り方は、いつもと大体同じですが、大ぶりなので、

 ・縦に細く割いて使います

 ・酒醤油みりんで煮詰めていくんだけど、ちょっと量が多いので

 ・煮詰まる前に半分を取り出して、残った方を仕上げてしまいました

 ・続いて、取り出した分に南蛮醤油をかけてピリ辛味に仕上げます

       はい、完成

お好みで、お好きな方を選んでお召し上がり下さい。

 早速、夕食のおひたしにかけて食べたんだけど、さすがは親分です。ツルンとして非常に美味しい!

 暫くは、我が家の食卓に花を添えてくれることでしょう。

 山の神様、本日もありがとうございました。