「ゴメン。」
「ん?何したの?」
「実はよう、・・・」
本日は、向かいのM氏と山菜採り。
目的地はS川下流の山菜採り場。
10日前に入ったときは、頭上の山菜が適期を過ぎていたものの、足元の山菜は、特にタケノコの生育が遅く、本命と考えていた上流の竹林までは行かず、途中で引き返していた。
で、10日経った本日は、いよいよ、この川で最大の採り場である竹林に入ろうと考えていた。
ところがだ、3日前にA氏と上流部を探索して下っているうちに、いつの間にかこの林に着いていたんですよ。
おお、なかなかいい竹林じゃないの。と思ってタケノコを採り始めて、暫くしてからようやく気付いた。
ええ~!?ここまで来ちゃってたの?という感じ。
3日後に再訪することは分かっている。
しかし、目の前には食べ頃のタケノコが並んでいる。
ここは、”採り”ですね。
せっかくの食べ頃の山菜を置いて帰るわけにはいかない。
3日後には3日後の風が吹くさ。
・・・
で、今、その林をめざして車を走らせているってわけだ。
もし、何も採れなかったら、それはマタギのせい。
このことをM氏に伝えるべきか。
ちょっと考えたんだけど、こういう精神衛生上よろしくない事実は、包み隠さず喋った方が良い。
ということで、冒頭の会話になるわけなんです。
「何?上から入って、あの林まで行ったのが。帰り、大変だっけべ。」
「うん。そんで、一昨日雨降って昨日晴れたから新しいタケノコ伸びてっと思うんだけど、採れなかったらゴメン。」
「大丈夫だ。あそこなら、必ず何か採れっから。」
ということで、蟠りが一つ消えた。
ああ~、良かった!
隠し事がないということは、こんなにも心を軽くしてくれるのだ。
本日は、もう一つの蟠りを解消することも大きな目標だ。
思いを胸に秘めて渓底に降り立つ。
フジの花のお出迎え
いつもながらの美しさ
ホウの花も咲いていないかなと思って探したが、見当たらない。
代わりにホウの葉先が茶色く縮れているのは、遅霜のせいかもしれない。
左岸側で唯一残っていた雪渓も消えている。そこからは、
やっぱり
出てくるんだよね
貰っちゃった
M氏はウラ折りもしてるから
一気にリュックが重くなります。
そんでもって、いよいよ懸案事項のその二です。
かつて採り過ぎたために、痩せてきたので、3年間休ませた斜面に入ってみます。
この土崖がいいウドを育てる
ああ、いいウドだ
「やっぱりいいウド出るねえ。」
「うん。最高級だ。」
休ませてきた甲斐があったというものだぜ。
ただ、困ったことに、タケノコを取る前にリュックが重たくなってきた。
こちらは2年間休ませているコゴミのジャングル
ここのコゴミも、来年は解禁ですね。
こんな風に山菜の育ち具合を確かめながら本命の竹林に向かう。
そして、・・・
ムシカリが花盛りを迎えようとしている
タニウツギが咲き始めました
ああ、何と美しい緑と空
本日のウドと
タケノコです
ウドについては、ある程度予想もしていたし、期待していた通りでした。
驚いたのはタケノコの方で、3日でこんなに伸びるのか!?という気持ち。
『雨後のタケノコ』という言葉も、その信憑性の高さも知っているつもりだったんだけど、まさかこれほどとは思わなかった。
多分だけど、長く続いた高温と乾燥状態でウズウズしていたタケノコたちが、今回のまとまった雨で、一気に成長を始めたんだと思います。
山の神様は勿論、天気の神様に感謝です。
ありがとうございました。
これは、仲間と声を掛け合いながらウド斜面を休ませてきたことと、正直に自分のフライングを報告できたことに対するご褒美かな?
さあ、これだけの大収穫。 ここから忙しくなるぞ!