むかーし昔、あるところに、イカゲソという、余りものの食材がありました。
イカゲソは、余りものなので、義母様や義姉様達から馬鹿にされながら、それでも、言いつけられた冷蔵庫の掃除をしながら毎日を過ごしていました。
そんなある日のこと、
「今日は、大事な王子様がいらっしゃる夕食会。私たちは出かけるから、あなたはいつものように冷蔵庫の掃除をしていらっしゃい。」
味噌義母様が言いました。
「そうよね。こんな晴れの日に、あなたの出番なんてあるわけありませんものね。」
「そうよそうよ。私たちは、きれいに着飾って出かけるから、王子様に気に入ってもらえると思うわ。」
豆腐義姉様と油揚げ義姉様も言い、夕食会に出かけてしまいました。
「仕方がないわね。私は残り物なんだから。でも・・・、一目でいいから、王子様に会ってみたい。」
残されたイカゲソが呟きながら冷蔵庫の掃除をしているところに、台所の神様が現れました。
「優しいイカゲソよ。私は、あなたが毎日文句も言わずに冷蔵庫の掃除をしているのを見ていました。今夜は、あなたの願いをかなえてあげましょう。」
そうして、台所の神様は、オリーブオイルの馬車とタマネギのドレス、ジャガイモの兵隊とトマトの侍従を用意してくれました。
「どうだい。これに乗って王子様に会いに行くがいい。きっと、王子様も気に入ってくれるよ。」
「ありがとう、台所の神様。じゃあ、行ってきます!」
・・・朝に作ったイカ飯で残ったゲソとミミをどう調理しようかと考えた。
これを何とかしたい
で、考えついたのが、イカのアヒージョ。
イカゲソだけでは、どうにも足りないので、神様(魔法使い?)が登場します。
・シーフードミックスを少し足して
・トマトとジャガイモ各1個に、タマネギ1/4個を準備
※ジャガイモは600w4分レンチンしておきました
・タマネギをオリーブオイルで炒めたら
・ジャガイモ、イカゲソシーフードも炒めて、オリーブオイルをドバドバと追加
・トマトを入れたら、塩コショウして
・煮込んでみました
・おっと、ガラスの靴じゃなくて、ニンニクを忘れてたぜ
いい香りです。
夕食会場に登場すると
王子様の目はくぎ付け。
いやあ、旨かった!
「あなたのお名前は?」
「いいえ、名乗るほどのものではございません。」
イカゲソのアヒージョは、冷めてしまう前に夕食会場を出ていってしまいました。
けれども、アヒージョの残したニンニクの香りを手掛かりに、王子さまは、イカゲソを見つけました。
「どうか、永遠に私と一緒にいてください。」
「そんな、こんな私なのに。 でも、嬉しい。」
こうして、イカゲソと王子さまは、永遠の愛を誓い合ったのでございます。
めでたしめでたし
ちなみにですが、このアヒージョ、冷めても極めて美味しかったです。
マタギも、永遠の愛を誓おうかな。