鮎 ( 香魚、年魚 )
- Plecoglossus altivelis ( Temminck et Schlegel,1846 ) -
子持ちの鮎が出回る季節になりました。
初夏の香り立つ鮎は素晴らしいですが、この秋口の子持ち鮎も人気があります。
鮎独特の香味や、身の旨さは初夏の物に尽きますが、抱卵鮎の味覚もなかなかのものなんですよ。
主に養殖物が流通していて、今回のも岐阜の養殖物です。
子持ち鮎に限っては、香味がどうこうというより、魚卵を味わうものなので、天然、養殖はさほど問題ではないと思います。
逆に、養殖物のほうが栄養充分で、大きく美味な卵を備えているので良い、と言う人も多いです。
鮎は年魚という通り、寿命一年の魚です。
秋から冬 ( 地域によって時期は異なる ) に河川で産卵され、誕生した仔魚は数日のうちに海あるいは河口域まで降り、海で育ちます。
海では主にプランクトンを餌に育ち、翌春に、5~8センチほどに育ち、今度は川を遡上します。
河川の上流から中流域に縄張りを作り生活し、川底の藻などを餌に育ちます。
そして、秋から冬に産卵して一年の短い寿命を全うします。
魚類の寿命は、短いものが多く、あっという間に育って、子孫を残して一生を終えます。
それにしても、川で生まれ、海に降り、再び川に遡上して一年で一生を終える鮎は、儚い人生 ( 魚生 ) ですね。
そんなに生き急がなくても良いのに、なんて思ってしまいます。
子持ち鮎の焼き浸し
今日は、たっぷりと卵を抱いた子持ち鮎を焼き浸しにして味わいました。
写真の様に、腹部は魚肉は殆ど無くて、大きな卵に占領されています。
薄皮一枚で卵を包んでいるといった感じです。
卵に栄養を摂られているので、背中の肉も、とても薄く貧弱です。
今回は、まず 白焼き にしています。
写真の様に、焦がさない様に極弱火で焼きあげます。
この段階で完全に火を通す必要は無く、表面が焼き締まればOKです。
このまま塩焼きで味わうのも美味しいですが、その場合は焦げ目が付くくらい強く焼いた方が断然美味しいですね。
余談ですが、鮎の串焼は、アタマを下にして焼きます。
焼かれると、身の脂や旨味がアタマの方に溜まり、がぶっと齧りつけば堪らない美味となるとされています。
白焼きは、この後に煮るので、焦がさない様に注意が必要です。
焦げてしまうと、煮汁に焦げた苦味が乗ってしまいます....。
ヒレとか、焦がしてしまったら、その部分は切り取って煮付けるのが良いですね。
引き続き、白焼きにした鮎を、極薄味の醤油ベースの煮汁で煮ます。
お酒をたっぷり使うのが、柔らかく美味しく仕上がるコツと言われてます。
今回は、お酒と水を等分に使い、薄口醤油、味醂、砂糖をあっさり薄めに使っています。
トロ火で沸騰させずに、ゆっくりと熱を通します。
25分くらい、時間をかけてコトコト煮込みました。
↑ ちょっと失敗。切る時腹部の皮をやぶってしまいました....
煮上がったらそのまま放置して煮汁を染み込ませ、味わう直前に再び火を加えました。
煮上がった鮎は、とても柔らかいので、細心の注意を持って俎板に移しましょう。
そして、背びれ、胸びれ、腹びれを身が傷つかない様に外してから筒切りにします。
↑ 重要 ! 外さないと筒切りの時、身が崩れます。
鮎の卵はとても甘くて旨味が強いです。
しっとりしていて、プチプチの食感も嬉しいですね。(^_^)
子持ち鮎の醤油煮
実は、コレは 大失敗作 なの。(泣)
前述の、焼き浸しを造るつもりで調理を始めたのですが......
最初の、白焼き段階で火が強すぎて、腹部の皮が破けてしまいました....。
それでも、なんとかなるだろうと煮込みにしたのですが、
破けた腹部から、卵が煮汁に一気に流れ出してしまい、散々な結果になってしまいました.....。
鮎の卵ってホロホロに崩れてしまうのよね。勉強になったわ。。
今後の教訓に、この失敗作も貼っておきましょう。
でも、負け惜しみじゃないけど、筒切りにできなかったとはいえ、この醤油煮も美味しかったわよ。
結局、再び子持ち鮎を入手してリベンジしました。
二度目は、何とか成功。 よかった、よかった。(笑)
と、言う事で、失敗作のオマケ付きの、子持ち鮎の焼き浸しでした。
ちょっと難易度が高いけど、頑張って造ってみてね~。
子持ち鮎を味わえるのは、今しかないので是非トライしてみてくださいね!
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自分は海釣りより川釣り、特に鮎釣りに嵌っていた事があってなじみ深いです。
子持ちは、腹皮がすぐ破けちゃうんで白焼きにするのも大変そうだね。
失敗したら、懲りずにリベンジする根性が流石だなぁ。魚食系女子の看板の面子にかけて頑張ったね。
子持ち鮎は、どう調理したらよいか悩んでました。
何時も塩焼きだけでしたので、
次はこの焼き浸しをやってみたいです。
過去記事も素敵な魚料理が勢揃い。
素晴らしいブログですね。
BMして、頻繁にお伺いしますね。
よろしくお願いします。
1尾250円くらいだったのですが、美味しい調理法を知らず見送りました。
白焼きにして、しょうゆ煮ですね。
とても美味しそうに見えて造りたいですが、難しそう・・・。
私も失敗してもリベンジするくらいの覚悟を持ってチャレンジしてみようかな。
ひたきさんが鮎というのも珍しいわね。
やっぱ、鮎は初夏の塩焼きが美味しいけど、秋の子持ちも嫌いじゃないわ。
焼きびたしにした事は無いけど、白焼きにしてから煮ないと、卵がバラけて大変なのかぁ。
数年前に、鮮魚をそのまま甘露煮にしたら、あっという間に卵が散らばっちゃって顰蹙者でした。
白焼きしてから煮るというひと手間が必要なのね。こんどやってみよっ!
鮎は意外でしたか? わたしは川魚も結構好きなのよ。
子持ちの鮎は、毎年味わっているけど、焼きびたしにしたのは久し振りで失敗してしまったわ。
言い訳するつもりはないけど、入手した時に少し傷がついていたんです。。
それを無理やり焼いたからその傷が大きく破けてしまったという事だったんです。
意地になって、もう一尾買ってきてリベンジしてのよ。これで結果オーライね。。
魚介類を中心に、あれこれやっています。
お魚の知識も、お料理も勉強中なので、たいしたお持て成しはできないけど、宜しくね。
お気軽に、末永くお付き合い頂けると嬉しいです。
今日は久しぶりに長閑な日曜日で、汗ばむくらいの陽気でした。
難易度が高いというか、優しく取り扱わないとお腹が破け易いので気遣いが必要って事ですね。
でも、鮎の卵はとても美味しいので、苦労の甲斐がありますね。
健康優良児がオトナになって健康優良オバチャンね。(爆)
でもこれから歳を重ねるに従い、食べ物には気を使わないといけなくなるわね。
こだまさんにとって、拷問のようだけど、何時までも美味しくご飯が食べられるように、お互い頑張ろうね!
子持ち鮎は久しぶりだったけど美味しかったわ。
これで次に味わうのは一年後かな。それまでサヨナラです。。
わたしの叔父は、いろいろな釣りをして、結局鮎釣りがイチバンと、晩年は鮎だけを釣ってました。
日本中の清流に遠征して、いつもお土産を貰っていて、沢山の産地のものを味わう事ができてラッキーでした。
確かに産地(川)によって味覚がかなり違うんですよね。餌のコケの成分の違いがおおきいのかな?
かつては四万十川まで出かけるほどだったけど、歳をとってもうその元気は無いみたい。残念です。。