日本は縄文時代以降4万年の歴史を持っているといわれるが、直近の150年は確実にアメリカの大きな影響力の中にある。開国を迫ってきたペリーの登場からだと思う。アメリカは建国以来、西部開拓をどんどん行い、そして、西海岸に辿りつくと、海を越えハワイ、フィリピンと進んできた歴史がある。
第二次世界大戦で、日本では300万人が亡くなり、新しいアメリカ流の民主主義が導入されたころ、私は生まれた。
7歳のころ、ちょうど50年前に米国アラスカ州となったばかりのアラスカに両親と住むことになった。翌年には、父の仕事の関係で予定を早く切り上げて日本に戻ることになるが、その時の約1年間は、様々な意味で私の人格形成に大きな影響を与えたと思う。
話は変わるが、米ソの冷戦が終結し、ベルリンの壁が崩壊した1989年以降、新たな世界はどうなるのか議論があったが、その中でサミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」は今でも多くの人に読まれている本である。それによると、現代の世界は7つの文明があり、それが、今後衝突を繰り返し、国際政治に大きな影響を与えるという。
不思議(幸運?)なことに、日本はこの7つの文明の一つに数えられている。アメリカは西欧文化ということで、例えば宗教ではプロテスタントかローマン・カトリックの影響の強い別の文化である。
日本に住んでいると判らないが、実際に住んでみると文化の差は意外と大きい。私もそこに住んで(本当に子供であったが)肌で感じた差異の一つに、西欧の子供観の違いがあったと思う。
子供(成人まで)を徹底的に甘やかす文化の日本(最近は変わってきているかもしれないが)と子供を矯正することを良しとする西欧文化は違う(内田樹氏の「街場のアメリカ論」を参考)。私の父も回りのアメリカ人からいろいろ言われたのか、アラスカに来てから、妙に躾が厳しくなってしまった。
そんな、文化の違い・・・例えば、小学校で間違って泥んこになって家路につくと、友達が次の日に心配して、親から体罰に遇わなかったか?などと心配そうに訊かれた思い出がある。日本では泥んこになっても子供が体罰を受けること余り聞かない・・・の中で暮らした経験は自分にとって大きい。
あの時アラスカに行かなかったら?あるいは、アラスカに3-4年そのまま住んでいたら、と考えると、恐らくいまの自分とは全く違う道を歩むことになったと思う。アラスカに7歳の時に1年弱行った経験の意味は大きい。
そのアメリカが、リーマン・ブラザーズの経営破たんで今、深刻さをましている。歴史は思いがけないものを持ってくるように思う。それなのに、自分もそうであるが、頭は1989年以前の世界観を引きずっている。文明の衝突の時代に日本の文化の中で如何に暮らすか、何をすべきか?
自分にとって、アイデンティティの変更、生き甲斐の問題が問われているように想う。
<師弟を考える3/4>
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