イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

心の中の日本列島史!

2008-01-10 | 第二章「五感と体感」

 先日、上野の国立博物館に行った。昨年末から、松木武彦著「列島創世記」を読み、4万年の日本列島の歴史に魅せられたからである。認知考古学という分野も初めて知った。20世紀後半の臨床心理学の発展など、ヒューマンサイエンスの影響を受けて急成長の分野だという。

 常設展の火炎土器を観た時は、身震いした。すでに文様の意味の多くは、理解できないまでも、その形の美しさは現代の最先端の芸術と比べても遜色がない。現生人類も縄文人も脳の発達度はさほど変わらないということがよくわかる。教科書にも出てくる遮光器土偶の異様な姿も、一度見たら忘れられない。

 たまたま、甲信地域の縄文土器ということで、東日本を中心に栄えた、縄文中期の土器が沢山見た。その他、旧石器から古墳時代までの、まだ文字が実用化される前の時代の、様々なモノ達を観た。

 骨を削ってつくった釣り針。鋭利な石器や様々な道具。当時は極めて貴重だった石やガラス、そして貝殻で作ったアクセサリー。今では窺い知ることもできない宗教儀式に使われた青銅器の銅鐸や銅矛。こんなモノ達を直接観ると、不思議な感情が湧いてくる。私たちの500世代、1000世代前の生身の祖先の温もりかもしれない。

 NHKの大河ドラマでは決して語られぬ、今となっては名も知らぬ祖先たち。ただ、彼らの文化とDNAはしっかりと今でも、ハイテク機器に囲まれている私たちの世界に、こころという面で非常に大きな影響を与えていると思う。

 歴史文献中心の研究も重要だが、五感と体感を大切に歴史を勉強するのも楽しいし、大きな成果を出し始めている。

<五感・体感の意義 1/10>

人気blogランキングへ <- 1クリック是非とも応援お願いします!