大戦略パーフェクトのススメ

現代大戦略2007公式ホームページの「現代大戦略のススメ」から名前をもらい、大戦略パーフェクトシリーズを遊んでゆきます。

3DCG作成 汎用駆逐艦1

2008-01-29 18:44:16 | エディタ(新ブログに移行)
今回は艦艇を作ります。艦艇は搭載する機器や武装の数やその形が様々なので、"1"では、艦艇を構成している要素についての記事としたいと思います。




船体
艦艇の中で最も重要といえる部分で、軍艦のこの部分には、船員の居住場所、弾薬庫、機関などが収まっています。また、最近の艦船には船体にCIC(戦闘情報管制センター)があるものが多いです。
1つの船体のみをもつ船のことを単胴船、2つ以上の船体を持つ船のことを多胴船といいます。多胴船は広い甲板を確保できる、船体を細長くできるため速度が上がる、安定性が高い、などの長所がありますが、旋回などの運動性が低い、復原性が確保しにくい、などの短所もあります。また、複雑になりやすいため、調達コストが高くなりやすいという欠点もあります。
多胴船の軍艦の例としては、ひびき型音響測定艦(海自)インディペンデンス級LCS(米)ソホ級(北朝鮮)などがあります。

特殊な形状
  • タンブルフォーム
    米海軍の次期駆逐艦DDX(ズムウォルト級)やCGXで採用される船型です。吃水線から上に行くにしたがって細くなる形で、水平方向から来る電波はすべて上方へ反射されるため、ステルス性に優れています。

  • 水中翼
    水中翼に生まれる揚力によって船を持ち上げ、水の抵抗を減らすために用いる船型で、高速を出す必要のある高速艇でよく使われています。
    1号型(海自)206MR型(ロシア)などが水中翼の軍艦として有名です。



  • 艦橋
    操舵装置、レーダーなどの索敵装置などがある部分です。
    ステルス性を高めることが重要になってからは、なるべく低くしたほうがよいそうです。Type45など、最近のイギリス駆逐艦は艦の大きさに比べ艦橋が低い設計になっているように思えます。
    左の写真のアーレイバーク級のように、設計時期が新しい艦では艦橋に傾斜を持たせ、ステルス性を向上させることも行っています。


    マスト
    通信アンテナ、レーダーなどを装備する部分です。フリゲート以上の艦には2本以上あることが多いです。
    大半の艦船はこのような(ラティ・マスト)マストを備えていることが多いですが、あたご級や左のアーレイバーク級のようにステルス性を意識した三角柱のマストも最近の艦船には増えているようです。
    また、現在開発中の艦船にはウィズビィのようにある周波数の電波しか通さないレドーム(去年の何月号かの軍事研究に書かれていました。現在その記事を捜索中です)にレーダーなどを搭載し、ステルス性を向上する設計のものもあるようです。


    機関
    種類
  • ガスタービン
    現在、ディーゼルと共に大半の軍用艦で使用されています。
    出力の割りに小型軽量で、騒音が少なく、加速力などの性能がよいという長所がありますが、燃料消費量が(ディーゼルと比べ)多い、多量の空気を必要とするという短所もあります。
    大半の国で高速航行用エンジンとして用いられています。また、海自や米海軍では巡航用としても用いられています。

  • ディーゼル
    長所と短所は基本的にガスタービンの反対です。ただ、このエンジンも加速力などの性能はよいです。
    多くの海軍で巡航用エンジンとして用いられています。

  • 蒸気タービン
    構造が単純で信頼性が高く、振動、騒音が少ないですが、加速力や燃費は悪いです。
    かつてはほとんどの艦に採用されていましたが、最近はガスタービンとディーゼルが主流になり、ほとんど採用されなくなりました。

  • 電気推進
    電気推進はこれ単独で用いられることはなく、ディーゼル、またはガスタービンで発電機を回し、モーターで推進力を得る、という方法をとることがほとんどです。
    騒音がほとんどない、発電量を通常の艦艇より多くできるので電磁砲、電子機器など、電気を多く使う機器を設置しやすい、などの特徴があります。
    潜水艦にしか採用例は(多分)なかったのですが、DDX(ズムウォルト級)では"ガスタービン+電気推進"が採用されるようです。



  • 推進方式
    スクリューとウォータージェット、ホバークラフトの3つがあります。
    ウォータージェットは高速を出すことができますが、低速時の操縦性が悪いなどの欠点があります。ホバークラフトも高速を出しやすいですが、騒音が大きいという欠点があるようです。
    ウォータージェット、ホバークラフトの2つは主に小型艦に対して使われ、大型艦(フリゲート以上?)はたいていスクリューを採用しています。


    探索装置
    ここでは、レーダーなどのこととします。

    代表的な機器
  • 対空レーダー
    ミサイルによる攻撃が中心となった第二次大戦後の海戦では、ミサイルを捉えるこのレーダーは非常に重要です(第二次大戦でも航空機を捕らえる対空レーダーは重要でしたが)。
    主に、マストの下のほうに回転式のレーダーを搭載する場合と、
    艦橋に複数のフェイズドアレイレーダーを搭載する場合があります。
    最新の艦、防空用の艦(イージス艦など)には、フェイズドアレイレーダーが搭載されていることが多いです。

  • 対艦(対水上)レーダー
    大半の艦で、対空レーダーの上についています
    アーレイバークフライトIIAのように艦対艦ミサイルを搭載しない艦も出てきている、大規模な海戦が起こる可能性はほとんどなくなった、などの理由から対空レーダーほど重要視されていないようです。

  • ソナー
    潜水艦や魚雷を探知するための装置です。たいていの艦で、艦首に1基搭載していますが、コルベットや高速ミサイル艇といった小型艦には搭載されていません。
    また、そのほかに曳航ソナーや水中通信システムを搭載する場合もあります。

  • 上に上げたもののほかにも逆探や赤外線暗視装置などの探索装置が搭載されていることが多いです。


    武装
    軍用艦(戦闘用艦船)にとって最も重要ともいえる要素です。
    現代海戦の主役はミサイルですので、艦の武装の大半はミサイルの発射装置です。しかし、今でも戦闘機が機関砲を搭載していることからもわかるように、ミサイルは万能ではないので、艦砲も搭載されています。

    種類
  • 主砲
    対地攻撃用や短距離での交戦用に搭載されており、50mm~160mm程度の口径の砲が1~2門搭載されていることが多いです。旧西側では127mm、76mmといった口径が、旧東側では130mm、100mmといった口径が主に採用されています。
    対空、対艦、対地と使える汎用性を持った主砲が搭載されることが多いですが、DDX(ズムウォルト級)には対艦、対地専用の主砲が搭載されるようです。

  • 艦対空ミサイル
    航空機やミサイルと交戦するための武装です。長射程だが大型な艦隊防空ミサイルと、艦隊防空ミサイルで撃墜できなかった目標に対処するための中射程~短射程の個艦防空ミサイルの2種類に分かれます。
    艦隊防空ミサイルとして有名な物にはSM-1、SM-2、SM-3などがあります。これらはイージス艦やはたかぜなどの防空艦に搭載されているミサイルです。
    そのほかに、中国の蘭州型に搭載されているHQ-9(紅旗-9)も射程から見れば艦隊防空ミサイルといえると思います。
    個艦防空ミサイルは既存の空対空ミサイル、地対空ミサイルを改造したものが多く、海自のDDで採用されているシースパローもそのひとつです。
    たいていの最新の艦ではVLSに搭載されています。

  • 艦対潜ミサイル
    短魚雷にロケットがついたものがほとんどです。
    有名な物にアスロックがあります。
    旧式艦の中には回転式の発射装置を用いていることもありますが、最新の艦ではVLSから発射されます。

  • 艦対艦ミサイル
    現在の対艦攻撃の主役です。現役の大半の艦は、このような発射装置を2基備えています。ステルス性の向上のために将来はVLSとなると考えられます。
    また、アーレイバークフライトIIAのように(主にコスト削減のため)搭載しないこともあります。

  • 短魚雷
    現在、駆逐艦以上の最新艦の主力対潜装備は対潜ミサイルとなっていますが、短距離での交戦に対応するためか、対潜ミサイルが高価だからなのか、2~3連装の魚雷発射機が右舷、左舷に1基ずつ搭載されていることが多いです。

  • CIWS
    艦に飛来したミサイルのうち、対空ミサイルで撃墜できなかったものを破壊するために用いられます。旧西側ではファランクスやゴールキーパー、旧東側ではAK-630が有名です。
    現在、長距離での交戦を行うためのミサイル化(RAMなど)と、小型船に対応するための機能を付加(ファランクスBlock1Bなど)が主に行われています。

  • 電子戦装備
    艦艇には、電子戦装置
    (艦橋左右にある六角柱型のものと、チャフ発射装置の2つが装備されていることが多いです。
    電子戦装置の詳細はわからないのですが、ミサイルの誘導を妨害したり、敵部隊のレーダーを妨害したりする装置だと思われます。チャフもレーダーによる探知を妨害する装置です。効果がある期間が散布から一定期間しかないことなどから、ミサイルの回避に使われることが多いと思います。
    対艦ミサイルに赤外線誘導のものは少ない(無い?)ので、フレアは積んでいないことが多いです。

  • FCS(射撃指揮装置)
    陸戦分野では射撃統制装置、空軍分野では火器管制装置、海戦分野では射撃指揮装置と訳されるそうです。
    艦船に搭載されるFCSは主砲とミサイル(対空ミサイルのみ?)の発射管制を行うものが多いようです。
    現在、(特に対空戦での)同時交戦能力が重要となっています。イージスシステム(アーレイバーク級)では12程度の目標と同時交戦できるそうです。




  • ようやく終わりました。艦の細かい構造についてはまだまだ書ききれていない点が多いですが、そこまで細かく見ていってもしょうがないし、僕自身まだよく知らないので書いていません。
    "2"では、作成する艦船の用途、形状などを決め、下書きの作成までを行う予定です。


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