室長です。
先日とある雑誌を読んでいたところ、世の中には“美しいゴミ分別表”があるとの記事を読みました。
詳しく調べてみると「盛岡市ごみ分別早見表(非公式)」というもので、homesickdesignという盛岡のデザイン会社が作成したものだそうです。
気になったのでさっそく取り寄せてみました♪
同社のサイトで制作意図を見てみるとこんなことが書いてあります。
毎日の生活の末端の作業「ごみの分別」を気持ちよく。
最後を大切に考えることは、最初を大切に考えること。
以前からhomesickdesignではメンバー内で様々なデザインのアイデアを考え貯めています。
その中のひとつが「美しいごみ分別早見表」を作るアイデアでした。
生活の末端の作業である「ごみ」を考えることは、どうしてもおざなりになりがちです。
しかし「ごみ」のことは毎日考えなければならない「ぼんやりとした問題」でもあります。
そこで、丁寧な水彩画を描ける田上たかさんと一緒に、盛岡市のごみ分別について紐解きながら
分かりやすく貼っていて心地のよい「ごみ分別早見表」を目指しました。
毎日「ごみ」のことを考えることが「ぼんやりとした問題」ではなく「明確な課題」になる第一歩と考えています。
なかなか良いコンセプトではありませんか! えてして「ぼんやりとした問題」はいつの間にか「切実な問題」に変わり、そうなってしまうと「容易には解決できない問題」となってしまうものです。そういう課題に対して、「問題だ!」とストレートに叫ぶのではない、デザインという柔らかい方法で対応するというのが妙に腑に落ちました。
実際に手に取ってみるとA3版タテのそれは、他の自治体が作成する分別表に比べるとやはりシンプルなデザイン。逆に、これで事足りてしまうのかと少々心配もしてしまうくらいです。デザインは個人により好みがあると思いますが、まあこれはこれで一つの解答なのではないかと思います。
ちなみに、わが那須烏山市の分別表(インターネットに掲載されているもので、ポスター状になっているものはまた異なるデザイン)がこちら。
他自治体の事例もいくつかありましたので参考までに。
まずは福島県の福島市。
次いで、岡山県の美咲町。
最後に長崎県の五島市。
膨大なテキストあり、カラフルな色使いあり、多様なイラストありの多種多様な分別表が存在することが分かります。しかしいずれも取扱説明書のようで素直に飲み込みにくいものばかりというのが正直な感想です。
各家庭が十人十色の性格を持っていることを反映して、各家庭から排出されるゴミ(一般廃棄物)の中にはマニュアル通りに処分できない雑多なものが多数あるものでしょう。ですので、想定されるパターンにできるだけ対応できるようにしようという玉虫色の発想をしてしまうと、文字通りカラフルな玉虫色的な分別表になってしまうという具合(笑)一枚の分別表だけではやはり混乱を招きそうな気がします。
それに対してデザインでなんとか応えようとする盛岡の事例は、実に意欲的なものだと評価できます。
実は弊社でも今秋、取引先のお客様向けにどんな廃棄物が引取り可能かを示す「取引一覧表」を企画・デザインして配布したのですが、いやはやデザイナー目線で実際に作ってみるとなかなか難しいものです(苦笑)homesickdesignのごみ分別表を参考にしてみようと思ったりもしたのですが、扱う品目が異なるとデザインはガラッと変わってしまうもので、結果的にはあまり参考にはならず。。それでもそのデザインの指向するところはかなり勇気をもらいました♪弊社のものもseason2が発行できるといいですね~