ADHDとともに「君の星座」第14章 鋼鉄の意志を その30

　よかった！アルバイトとはいえ一般枠だし、どうかな？って心配したけど。
『面接に来てください。』
よかった！障害を明かしても面接に呼んでもらえる！事実は何よりも説得力を持つもので。
「それはよかったな。」
「本当によかったわね。まだ決まってないけど、大きく動き出したじゃないの！」　
親の感激は横に置いて、面接に関しては、大きな心配はしていない。それは、ジョブサポートセンターのおかげ。あそこには本当に感謝だよ。あそこに行くまでは、面接どころか、書類審査も通らなかったから。
　面接当日。履歴書、ハローワークの紹介状、そして、
『私の説明書』
始めて、これを提示していく面接・・・ベンチに掛けて順番を待つ。
「お次の方、お入りください。」
ノックとかお辞儀とかはもう慣れている。
「今日はよろしくお願いします。こちら、履歴書です。それと、ハローワークから伝えていただいているかと思いますが・・・」
　その、帰り道。まあまあ、普通の面接だった。障害のことは、特に聞かれることもなかったな。
『ツキシロさんはそういう障害じゃないんだ。』
ドクターの言葉。ひとつのことだけする仕事を探せって言う、ハローワークの言葉に対して。私もドクターの言うとおりだと思う。私、そこまでできないことはない。大事なのは、興味と伝達の工夫、同時進行をしないこと。関わる人の数を限定すること。
あと、もう一つ、ドクターの見解。
『ツキシロさんは会話がつながりにくく、交渉が苦手、つまり、面接が苦手なタイプです。』
私が泣いて寝込んだあの時、うちの両親は、面接は同行をお願いしたほうがいいと言われたらしい。でも、これはツジムラさんの言うとおり。私は面接で落ちてないんだよね。本当、いろんな人の意見、お見立てが必要なんだって実感する。
　ブロロロロ・・・あまり振り返っちゃいけないけど、また先ほどの面接を反芻している。どうだろうな？何人ぐらい面接来てるのかな？おっと、ここで乗り換えだ。でも、まっすぐ家に帰るのはちょっと惜しい気がするから、近くのショッピングセンターへ。ゲームコーナー、あのプライズ、入荷してるかな？そんなことを楽しみに、ついつい寄ってしまうんだ。