チコの花咲く丘―ノベルの小屋―

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ADHDとともに「君の星座」第14章 鋼鉄の意志を その32

2014-07-18 19:41:09 | ADHDとともに「君の星座」
 現在のところ、書類審査中が一件。この間、面接に行った学校図書室の仕事は、不採用の返事が来た。仕方ない。内容的にも、それほど惜しい仕事じゃないし。とにかく、次だ、次!決まるまで・・・
『この求人は、ツキシロさんにいいお仕事だと思います。』
よかった。
「ありがとうございます。では、また紹介状を取りに伺います・・・」
 とうとう、三月二十一日。
「おめでとう、ハルカ。」
「うん・・・ありがとう。」
また誕生日が来て、私は三十四歳に。もう、四年も流れたんだ。発達障害に気づいた日から・・・小さいケーキを家族で味わいながら・・・で、実際の診断まで一年半。診断から手帳申請まで一年二ヶ月。手帳申請から今まで四ヵ月。仕方なかったんだし、親を責める気はないけれど、覚悟を固めてくれない間に、ずいぶん惜しいことをしてきた。去年の夏、障害者手帳なしでハローワークに通っていたあの頃だって。
『ツキシロさんにどうかな?って求人、ちょこちょこあったのよ!もちろんフルタイムで正社員でね。あなたは手帳がないから、紹介できなかったのよ!』
 次の日。もう、前に進むしかないんだ。スーツを着て面接に出陣する。今度のはネットゲームのバグを見つける仕事。こんな求人、始めて見たよ。このQ県にもそんな会社があったなんて。あ、ここだ。始めまして・・・ソファに掛けて書類に記入を求められ。奥の重そうなドアから、やたらと気楽な服装の男性が出てきた。
「始めまして。本日は面接にお越しいただきありがとうございました。」
「こちらこそ始めまして。どうぞよろしくお願いします。あの、私は発達障害を抱えておりまして・・・」
私の説明書。履歴書、ハローワークの紹介状とお渡しする。
「えーと、ゲームはどのぐらいされてますか?好きなジャンルは?・・・パソコンは出来ますか?」
「はい。」
「オッケーです。では、他の方も面接こられますので、一週間ぐらいお時間いただきましてお返事させていただきます。」
 どうだっただろうな?趣味の話みたいな、やたらとお気楽な面接だったけど。だけど、就職活動ってそれだけで疲れる。働きたくて活動しているのに、受け入れられるって保証は全くないし。しかも今回は、障害があることを申告しながら、一般枠の面接を受けてるんだよ。
 こころのクリニックにて。
「あの、先生。働けって、もう言わないでください。私、仕事探していますから。でも、受け入れられないんです・・・」
「はい。」
ドクターはどことなく、申し訳なさそうな目をしていた。
 
 


2 コメント

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こんばんは (ytakei4)
2014-07-18 20:26:00
医者は仕事を見つけることはできないですね。
こんばんは (チコ)
2014-07-18 21:02:22
>ytakei4さん

ありがとうございます。
そうですね。また、お医者さんは今の就職事情に詳しくもないですよね。

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