チコの花咲く丘―ノベルの小屋―

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時は管理教育「この時代を」第11章 新たなる秩序 その11

2015-10-18 20:00:53 | 時は管理教育「この時代を」
 そうだよ。そんなことより、もっと気になるのは進路。つまり、高校受験のこと。桜が散る前から、それで頭を悩ませている私たち三年生。休憩時間だって。ユウはキョウコの席で。

私は公立に絞る。
第二志望はどうするの?
私学もいろんな受け方があって・・・

「皆、いろいろだね。」
腕組みしながら教室を眺めているユウ。その横からキョウコが、
「そうだよね。ユウちゃんは、そろそろ決めてるんだよね。」
「決めてるっていうか、決まってる。」

高校は、自由な学校へ行く。

「ユウちゃん、中学入ってからずっとそう言ってたもんね。」
「そりゃそうだよ!校則厳しい学校なんて、こりごり!」
 一年生の時からの出来事を思い出しながら、怒りに震えてくるユウ。私、絶対に嫌だよ。人が死んでしまう学校なんて。感情が噴出さないようにしたくて、キョウコに話題を振る。
「キョウコちゃんはどうするの?」
「私は体のことがあるから、近い公立高校に行きたいんだけど、どうかな・・・」
内申書のことだ。キョウコちゃん、かなり不利なんだよ。
 学科よりも実技、勉強よりも部活。そういう風に評価されるのが内申書。
「ユウちゃん、受け入れられないのはわかってるけど、制服着てきた方がいいと思うよ。」
「わかってる。」
内申書のためだよ。校則を守っているか、も、書かれるから。
「自分から減点要素、増やさないほうがいいよ。」
「・・・・。」