チコの花咲く丘―ノベルの小屋―

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ADHDとともに「君の星座」第14章 鋼鉄の意志を その28

2014-07-13 19:31:30 | ADHDとともに「君の星座」
 自分がそういう身になって始めてわかった。障害者は家族によって閉じ込められ、家族によって放り出されるのだと。おじいちゃんのお粥、できてるよ。ありがとう、じゃあ、お母さんは・・・夕食の準備をしていたところに、
「あ、メール着た!」
ケータイが鳴って。ボランティア時代のウツミさんだ!
『お久しぶりです。暖かくなってきましたね。桜はちょっと早いけど、また集まりませんか?ご都合お聞かせください。』
 いってらっしゃい・・・こういう気楽な集まりがあるって本当にいいよな。
『ハルカさんの問題は、孤立されていることです。いろんな人と気楽にワイワイとやる機会がないんですよね。』
ドクターの助言から、うちの親もこの集まりについて、とやかく言うことはなくなった。そうだよ、人の交流に年齢って関係ない。

こんにちはー!

約束の場所に続々と集まる、あの時代の仲間。
「暖かくなったわねー。」
「そうね!桜ももうすぐかな?」
 年長のウツミさん、ツチダさん。主婦で子育て中のタキノさんにカザミさん。メンバー五人全員集合、お店に向かう。
「いただきまーす!」
ここの洋風ランチは本当にお得でおいしい。それぞれの近況報告。
「うちね、四月に長男が結婚するのよ。」
「おめでとうございます!ツチダさん!」
こういうめでたい報告、
「うちの子もね、もう高校を考えなくちゃいけないのよ。ほら、自閉症だから、その支援をやってくれるところでないと・・・ツキシロさん。」
 講師やっていたから、こういう話はすぐに振られる。
「うーん、詳しくないですけど、高校だと、発達の支援やってるところはあまりないかもですね。中学だって支援なんか殆どないことないですか?」
「うんうん、そうなのよ!」
カザミさんの話から、定義と法律が出来てもなお、学校は発達障害児に対して冷たいことがよくわかる。今、私が当事者であることは明かしていないけど・・・
「ハルカちゃん、お仕事どう?」
「はい、がんばってるんですけど。なかなか決まらないんです。うちのお母さんも、私に働いてほしいのか引きこもってほしいのか・・・」
ため息交じりのぼやきに、ウツミさんが、
「ハルカちゃん、そりゃ、お母さんは働いてほしいに決まってるわよ。」


 

 


2 コメント

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届かない (スモッド)
2014-07-14 11:05:24
一番近い存在である家族だからこそ逆に理解が乏しかったり、こうした関係がこじれるような結果になってしまいかねないですね、ハルカのご両親は年配の方なのでより索なりやすいのかも?今の若いご両親だとテレビ塔でこうしたことがあることを知っている人も少なからずいらっしゃるので以前よりはマシなのかもしれませんが、それでもハルカのように被害を受けている当事者もいるでyそうね。

そういえば明日の夜10時15分からGTOで
多分ですがADHDの生徒がテーマで、家族とうまくいっていないような感じで描写されるようです。
こんばんは (チコ)
2014-07-14 19:33:44
>スモッドさん

ありがとうございます。
家族ゆえに、という問題がありますね。理解したくないことも多いのかもしれませんね。
60代、70代の人に理解しろと言っても無理なのかもしれません。でも、頑なに拒否されているうちに、事態はどんどん悪化するんですよね。

ドラマでもADHDが取り上げられるんですね!
ご家族との葛藤のお話なのですね。また、ADHDをどのように扱われるかも気になりますね。

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