ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

容器に残ったワクチンを集めて接種」安全性や有効性は? という記事

2021-05-23 18:49:30 | 新聞記事など
容器に残ったワクチンを集めて接種」安全性や有効性は? という記事

約2週間前(5月10日)に「瓶に残ったワクチン、集めて接種 本来は廃棄、福岡、新型コロナウイルスhttps://www.asahi.com/articles/ASP5B77D5P5BTIPE011.html」という記事がありました。

 記事では「田川市は、新型コロナウイルスワクチンの接種で不適切な事例があったと発表した。ワクチンは1瓶から5回分を使い、残りは廃棄することを求めているが、5回分を使った後の数本の瓶から注射器で残液を吸い取り、規定量の0・3ミリリットルを6人に接種した。」とのことでした。そして、「市は、問題の接種を受けた6人に謝罪。体調に異常は確認されていないという。」ということで、これがどの程度問題なのかなと思っていました。その解答となる記事が出てきました。

「容器に残ったワクチンを集めて接種」安全性や有効性は? 日本医師会の常任理事に聞く https://news.yahoo.co.jp/articles/9d17909d13c178c73441bc2855921bd5f7692e33」

この記事では「新型コロナウイルスのワクチンの高齢者への接種が進むなか、ワクチンの容器の中に残ったワクチンを集めて接種したと報道されました。」そして、記者からの質問は「容器の中に残ったワクチンを集めて接種することに安全上の問題はないのでしょうか。」、回答は「ファイザー製薬のコミナティというワクチンの場合、針の付いたシリンジを差して5本分もしくは6本分のワクチンを吸い上げます。残ったワクチンにも十分効果があるのですが、バイアル1本分の残量では足りない場合2本分を足し合わせるのです。その操作が適切に行われたら異物の混入などはまずあり得ません。接種は可能です」とのことでした。とすると、残液を集めて接種したことはあまり問題ないのではないかと感じました。もっとも、この記事には「当時はワクチンの供給量が少なく、不安定だったので、ひとりでも多くの人に接種して、ワクチンを有効に使いたいということだったのではないでしょうか。ワクチンが十分に供給されれば、余った液を使う必要はありません。国の備蓄量も増えてきましたので、もう間もなくそういう状況ではなくなります。」「容器の中に残ったワクチンを集めて使用するとなると、非常に手間がかかります。医療従事者にとって大きな負担になります。十分なワクチンが供給されたら、バイアルの中に残った液を集める必要はないのです。」とのことでした。最近の報道ではワクチンが無いと言うより接種する人材が足りないようなので、当院は小児科ですが集団接種や個別接種に協力していきたいと思います。

ひきた小児科クリニックでは、四種混合ワクチン、BCGワクチン、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、子宮頚癌ワクチン、麻疹・風疹ワクチン、おたふくワクチン、水痘(水ぼうそう)ワクチン、日本脳炎ワクチン、二種混合ワクチン、B型肝炎ワクチン、A型肝炎ワクチン、不活化ポリオワクチン、インフルエンザワクチン、ロタウイルスワクチン(ロタリックス・ロタテック)、新型コロナウイルスワクチン(コミナティ)他などの予防接種を行っています。

ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www.hikita.sx3.jp/

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