ひきた小児科クリニック(群馬県桐生市 疋田小児科医院)

小児科専門医が群馬県桐生市やみどり市で流行している病気や,予防接種,アレルギーなどこどもの健康に関する情報を提供します.

インフルエンザワクチンと「ワクチンで自閉症」問題の正体

2020-11-28 15:59:13 | 日記・メモ (Weblog)
インフルエンザワクチンと「ワクチンで自閉症」問題の正体

ワクチンに関して過去の間違った情報を検証する文章が記事になっていました。
「インフルエンザワクチンと「ワクチンで自閉症」問題の正体
https://news.yahoo.co.jp/articles/365203499c1776fd267f20080905a5cafb13084b」とても長い文章で読みごたえがあります。

 記事にはワクチンの過信と不信の歴史が書かれています。

ワクチンと自閉症に関して記事には「最近の反ワクチン論としてよく話題にされるのが「MMRワクチンで自閉症になる」という説だ。最初に言っておくと、この説はまったく事実無根のデマだ。1998年にイギリスの医師のアンドルー・ウェイクフィールドが、12人の子供の行動異常とそのうち8人がMMRワクチンを打っていたことなどを『Lancet』に報告した。実はウェイクフィールドはワクチン被害を主張しようとしていた弁護士と5万5千ポンド(当時の相場で900万円ほど)の契約を結んでいたのだが、そのことは利益相反として開示していなかった。論文は不正があったとして撤回され、ウェイクフィールドは医師免許を剥奪された。MMRワクチンと自閉症に関係などなかった。」と書かれています。以前ここにも、大規模な調査が行われてワクチン添加物と自閉症の関係が無いことが証明されたと書きましたが、事の発端は上記だったとのことです。

インフルエンザに関しては前橋レポートについても書かれています。
「1980年にはアメリカの疾病管理予防センター(CDC)が、大規模ワクチン事業について国外の事例から学ぼうと、当時すでに学校での集団予防接種を確立していた日本について調査し、詳細な報告書を出している。この報告書は日本の学校予防接種体制の充実ぶりに感嘆し、「合衆国が日本の達成度を上回ることはほとんどありえない」と脱帽している。
以上がCDCの報告で、米からの伝言ゲームとなる。
 アメリカの失敗と反省は、日本ではまったく逆と言いたいほどの意味合いで受け取られることになる。日本で反インフルエンザワクチン論の旗振り役の方の書かれた本で以下のようなことが書かれている。80年、CDC(米国疾病管理センター)から調査団が来日して、日本のインフルエンザ対策について調査しました。その結果、「学童への集団接種がインフルエンザ予防に有効だという証拠は見つからない」と報告しています。
 たしかにCDCは「有効だという証拠は見つからない」という意味のことを言っている。ただし、「見つかるはずがないから実験的に証明しよう」という文脈で。本の著者の言葉を文字通りに受け取るなら、著者はCDCの報告書を読んでいないか、誤解している。さらに、著者は「前橋レポート」にも慌てて飛びついている。「前橋レポート」は前橋市が1979年の副作用疑い例におびえて(行政責任として訴えられるおそれがあったため)学童集団接種を中止したことを追認させるため、もともと集団接種に否定的だった人を班長とした研究班に書かせた調査報告だ。その内容は、期待されたとおり、集団接種の中止後もインフルエンザの流行は増大していないというものだった。」(一部省略)。前橋レポートが間違っていてインフルエンザワクチンが有効であることはあちこちに書かれています。このレポートのために、インフルエンザワクチンが有効でないと考える方がまだいるのは残念です。しかも、群馬県の県庁所在地の前橋市の前橋市の医師会が中心となって行なった調査によりインフルエンザワクチンの接種率が低くなっているとしたら群馬県としては恥ずかしい話しです。上記はこの記事の一部ですが、反ワクチンについて詳しく記載されていました。


ひきた小児科クリニック (群馬県桐生市 疋田小児科医院)
http://www.hikita.sx3.jp/

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